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花火大会、夏の思い出
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【伝えたい本当の気持ち】
「ここは騒々しいから、花火は向こうで見ないか」
そう言って
荒海 藤吾
が
高梨 彩葉
とともに向かったのは、寝子ヶ浜海岸からは少し離れた、大観覧車だった。
会場の騒々しさに慣れた耳に、川を一本渡っただけで、静けさが広がる。
いつもは賑わっているアウトレット方面も、この日ばかりは人もまばらだ。
「観覧車に乗りながら花火を見るなんて、なんだか贅沢だね~」
観覧車は海に面しているため、花火もよく見えるだろう。
同じように考えて、観覧車に乗ろうとしている人の姿もちらほらと目につく。
藤吾と彩葉が観覧車に乗り込み、扉が閉められると、急に空間の密度が重く変化したように感じた。
けれど、そう感じているのも藤吾だけのようで、彩葉は窓の向こうに広がる花火の華やかさに夢中になって見入っている。
「ほら見て、藤吾。きれいだよ~!」
「……ああ」
こうして彩葉を、二人きりになれる場所へと誘ったのは、花火を見るためではなかった。
ずっと引きずっていた気持ちに、きちんと区切りをつけるためだ。
花火があがるたびに、「わぁ」と、目を細める彩葉の表情が、かけがえのないものに見える。
二人で過ごす時間を大切にしたいと思う。
彼女がいつも変わらぬ笑顔でいられることを、願っている。
それなのに、彩葉にいざ恋人ができたと知っても、藤吾は祝福してやることができなかった。
幼いころからずっと好きだった彼女を、今もまだ好きなのだと、思い知らされた。
このままでは、だめだと思った。
「彩葉」
大切な人の名を呼べば、彩葉は楽しげな表情のままで振り向いた。
「うん、何? 藤吾」
簡潔に、藤吾は自分の気持ちを言葉にのせた。
「好きだ」
「……え?」
きょとんとして、彩葉は藤吾を見つめたまま首を傾げる。
「ええと……、幼馴染みとしてだよね? 藤吾、律儀だから……」
「違う。俺は、一人の女としてお前が好きだ」
そう告げると、彩葉は目を見開いて、瞳を揺らした。
「そんな、でも……。藤吾は、ずっと……、私の幼馴染みで、それで」
戸惑いを露わにする彩葉に、言葉を継いだ。
「小さいころからずっと、彩葉が好きだった」
うすく開いていた唇をきゅっと閉じて、彩葉は凍りついたように動きを止めた。
――花火が上がる。
観覧車の窓の外を、鮮やかな色彩が燃えて散っていく。
どちらも互いの顔意外に視線を逸らさず、口を開くこともないまま、数分が過ぎた。
「……ごめん」
やがて、意を決したように、彩葉がかさつく声でそう告げた。
「私、大好きな人がいるから、その人を裏切れない。だから、藤吾、――ごめん」
もっと、身を切られるような思いがするかと思っていた。
辛くないわけではない。だが、どこか安堵する気持ちもあった。
彩葉の気持ちなど、藤吾には最初からわかっていたのだ。
わかっていて、好きでいた。知っていながら、ずっと心に彼女がいた。
胸の内でくすぶる感情にに名前をつけてくれたのも、彼女だった。
彩葉がいたから、彩葉のおかげで、藤吾はどれだけのものを得られたことだろう。
そんな彩葉の飾らない言葉が本音だとわかるから、藤吾は正面から受け取ることができた。
納得がいけば、気持ちに区切りもつくだろう。
ようやくここから、踏み出すことができるのだ――。
藤吾を見つめる彩葉の目から、涙がこぼれた。
ずっと親切な幼馴染みだと思い込んでいた藤吾の本当の気持ちに、呼吸を忘れそうになった。
いつも見守っていてくれた彼の心情を思い、情けなさに目がくらみそうだ。
大好きなあの人に、鈍いと告げたのはいつだったか。
ひとのことなど言えないほどに、自分もまた鈍かったのだと知った。
片想いのつらさを、彩葉はよく知っている。
きつく拳を握りしめて、藤吾を見つめた。
彩葉の拒絶を受け止めて、うっすらと微笑む藤吾は、今にも泣きそうに顔を歪めているようにも見える。
藤吾にずっと、そして今も、ひどくつらい思いをさせてしまった。
それでも彼の気持ちには応えられない。
自分の気持ちは偽れない。
彼に寄り添うことのできない申し訳なさが、涙となってあふれ出た。
「ごめっ、ごめん、藤吾、ごめん……!」
震える声で謝ると、藤吾は口元をはっきりとつり上げて、苦笑を漏らした。
「謝りたいのは、俺のほうだ。そんな顔をさせたいわけじゃなかった」
馴染みのある温かい手の平が、彩葉の頭を優しくなでた。
「彩葉、――ありがとう」
はっとするほどの包み込むような微笑みを向けられて、彩葉は幾度もうなずいた。
まっすぐに、互いの気持ちと向き合った帰り道。
共に桜花寮へと歩きながら、藤吾は静かに、彩葉の背中にこう告げた。
「……幸せになれよ」
不思議と気持ちは落ち着いていた。
彩葉が藤吾の気持ちを受け止めて、はっきりとふってくれたからだろう。
やわらかな風が、吹き抜けていく。
ぱっと振り向いた彩葉の表情にも、わだかまりは見当たらなかった。
澄んだ目をして、彩葉ははっきりとうなずいた。
「うん。ありがとう」
夏の終わりに、何かが変わった。
変わったからといって、これまで過ごした時間がなくなるわけではない。
これからまた新しい時間を歩んでいくのだと、藤吾は自然と、そう思えた。
【触れあいの行方】
屋台の並ぶ通りからも、花火は見える。
海岸や岬から眺めるほどには眺望に恵まれていなくても、高くあがる花火はきちんと見えるし、音もしっかり伝わって来る。
「ここからでも……、花火、なかなか、綺麗だな……」
夏神 零
の店の手伝いをしていた
哀坂 時音
が、空を見上げた。
花火が始まってしまえば、人々は観覧場所へと移動してしまい、すっかり手はあいてしまう。
ときどき訪れる客の相手をしながらも、花火を楽しむことができた。
「うむ、綺麗でござるな」
「……もちろん、零、のほうが……、花火より、素敵、だ……。かわいい……」
すらりとした零の身体に後ろから抱きついて、時音は頭に頬ずりをした。
「かわいい……、かわいい、零……」
「いや、だから拙者は……」
「かわいい浴衣の……、下は、どうなっているのか、な……、フフ……」
白い首筋をなでていた手が、襟からすーっと内側に入っていく。
「……んん?」
しかし、想定していた膨らみをとらえることができずに、時音は眉をひそめた。
「……零、ぺたんこ……? ……いや…………」
おそるおそる喉元を観察してみると、喉の形が女性とは異なっている。
時音はごくりと喉を鳴らし、衝撃をやり過ごした。
ため息混じりに、零が言う。
「ようやく気づいたでござるか。先ほどから言っているが、拙者は男だ」
「おと……っ」
ぎゅっと目を閉じた時音は、呼吸を整えた。
同時に素早く気も取り直したようで、迷いのない眼差しで零を見据える。
「……いや、時音にとって、お前は変わらず、乙女のまま、だ……。かわいい奴は、全て……、愛でる……。女でも、男でも、だ……」
次第に笑みを深くして、時音は断言した。
「零……、時音の、清らかで、愛らしい、乙女……。お前、時音の、嫁の一人に、してやる……! フフ、フフフフフ……」
「……嫁!? 拙者が、嫁……」
嫁をもらう前に嫁になってしまった驚きによろめく零をうけとめて、時音はしっかりとかわいい嫁を抱きしめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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