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◯夢から醒めた夢
寝子電バスを降りると目の前が、まるで絞られた雑巾のように歪んで見えて、
屋敷野 梢
は思わず頭を押さえる。寝子島シーサイドアウトレットの、少しばかり高級そうな買い物袋が音を立てて落ちていく。
「なんか急に体が……」
それを拾うために座り込むと、梢はそのまま立ち上がれなくなってしまった。
(昨日遅くまでゲームしすぎたから?)
梢は首を傾げるが、答えは出ない。
(少し……このままの体勢で休もう)
そうしたらきっとこの立ちくらみもすぐに治まるに違いない。梢は自分の身体を抱きしめるようにして座り込みながら、ふと
夢
のことを思い出した。
(こんな時、あの夢の中で見た『王子様』みたいな人が助けに来てくれたらなー)
ここには天蓋付きベッドもなければ、純白の、白薔薇を思わせるドレスもない。ここは石牢でもないし、梢と王子様を結びつけてくれたハンカチだって持っていない。
「……なんちゃって。体が怠いと、頭も変になりますねー」
自嘲するように梢は笑ってみせた。けれど、けれど身体はどんどん重くなる一方で。梢は意図せずともますます身体を丸めるのだった。
電車を降りてみると、
春夏秋冬 真優
は目の前の光景に唖然とする。
「なんだよどうしちまったんだ?」
右を見ても左を見ても前を見ても、誰かに支えられていないと今にも崩れ落ちそうな人で溢れかえっていた。
「熱中症か?」
と呟いてみてから、それにしちゃみんな重症すぎだよなぁと思い直す。そのままホームを抜けて、駅前に出てみても景色は一向に変わらなかった。
(って、そこの子なんかすげー具合悪そうだけど大丈夫かよ?)
その中でも飛び抜けて体調の悪そうな、しかも誰の助けも得られていない女性を見つけ、思わず真優は駆け寄った。
「おーい! そこのキミー!」
声をかけても顔を上げる気配もない。気がついていないのか、それとも自分のことだと思っていないのか、あるいは顔さえ上げられないのか。真優はとにかくようすを知るために彼女に近づき、そっと肩に手を置く。体重をかけないように細心の注意を払って。
「えっとキミ、大丈夫?」
ようやく彼女は顔を上げる。サラサラとした色素の薄い茶色い髪。それは丁寧な三つ編みになっていて。ほのかに花の香りがする、ような気がした。
「って、あれ? キミどっかで」
真優は既視感を覚える。これは、そう――
「あー! お姫様じゃん! 久しぶりだなー!」
そう。白い薔薇のお姫様だ。
思い出した瞬間。唇に触れた、柔らかな手の甲の感触が蘇ってきた。
「あー! お姫様じゃん! 久しぶりだなー!」
肩に置かれた手。間近で聞こえた溌剌とした声。ようやく梢は、わずかにではあるけれど顔を上げた。
「……あれ、あの時の王子様の幻覚まで」
ささやか過ぎる梢の呟きは王子様の耳には届かなかった。
「ん? あれ、でも夢だよなあれ? ってことはこれも夢なのか?」
「ってぇ!」と叫んだ彼は自分の手の甲をつねっていた「手いてえし! 夢じゃねーんだな!?」
「私は、生きてます……けど」
「すげー! 夢のお姫様が夢じゃなかった!」
目の前の王子様は夢の中と同じようなはちみつ色の髪と目を輝かせて、梢に微笑んだ。
「も、もしかして」信じられない思いで続きを音にする「げ、現実の人だったんですか!?」。
王子は真っ白な歯をのぞかせて笑った。
「おう、そうみたいだな!」
おう、そうみたいだな。お・う・そ・う・み・た・い・だ・な。何度考えても、分解してみてもそれは肯定の意味にしかならなくて――
「あの夢のことは忘れましょう!!」
梢は力いっぱい叫んだ。
「というかバールのようなものがあったら物理的に忘れさせたいくらいです!」
「おもしれーこと言うな」
王子、もとい現実の彼は、梢の物騒な発言も笑顔で受け流す。いや受け止めているのかもしれない。
「わ、私は元気なので私のことは忘れて、幸せに生きてください! サヨナラ!」
梢はやはり力いっぱい叫んだ。その勢いのまま立ち上がった。自身の身体のことも忘れて。
「っておいおい待てって!」
王子様の手を振り払って、一歩、足を踏み出す。その踏み出した足は、そのままこんにゃくのように砕けて、梢は前のめりに倒れ込んでしまった。
「無理すんなよ具合悪いんだろ? 手貸すって」
支えてくれる真優は、やはり『王子様』と言う言葉が似合う。梢の胸がとくんと高鳴る。
「……やっぱり、そこの駅まで送ってくれたらうれしーです。後は何とかしますので」
早口でまくし立てようとしたが、思ったよりもひ弱な声しか出なかった。
「駅まででいいのか?」
「は、い」
心配そうな訝しむような声を払いのけて頷いた。
「んじゃあ、ほら、これちゃんと抱えといてな上に手乗せときゃきっと落ちねーから。よっ……と!」
「ちょ、抱えて……っていうか」
これお姫様抱っこじゃないですか!
真優の胸は見た目よりもずっとたくましくて、梢は悲鳴を呑み込んだ。
目の前の駅が――今は家よりも遠くに感じる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月21日
参加申し込みの期限
2014年07月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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