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◯菓子よりも甘く
すっかりひと気のなくなった店内は、ひっそりとどこか寂しそう。けれど遠くにいる人を近く、近くにいる人を遠く見誤ってしまいそうなほどの静けさは、寂しさ以上に妙な緊張感のようなものを
紅林 柳霞
に感じさせる。
「じゃあ、片付けを終えたらさっそく――」
先に口を開いたのはこの店、洋菓子店Ratonのオーナー兼店主の
荒井 景貴
。いつも柔和な彼も、この空間にいると少しだけ謎めいて見える。
「ねぇ。お礼……ってほどでもないけど、閉店の準備、手伝ってもいいかな?」
私も、少しでも早く食べたいしね。彼の言葉を遮って柳霞が言うと、彼はちょっと困ったような顔をしてから、いつも通りの和やかな笑みを浮かべて「ではお願いしますね」と言った。
「うん、ここは任せて」
厨房に消えていく景貴を見送って、柳霞はイートインスペースのテーブルを片付けていく。残っている食器を一箇所に固めておいて、机の上を拭いていって。
(ふふ、)
そうしていながら、柳霞は自然と微笑んでいた。なんたって、今日は景貴が柳霞のためのスイーツを作ってくれるのだ。
あれはたしかひと月ほど前の事だったろうか。景貴が柳霞の営む
セレクトショップ『ステラ・マリス』
へ景貴がやってきて、いくつかの食器を購入していったのだ。その時、ふと思いつきでお願いしてみた。『よかったらこのお皿で思いついたスイーツ、つくってほしいなぁ、なんて』と。景貴はそんな柳霞のおねだりに、嫌な顔ひとつせず、頷いてくれた。その時に柳霞が景貴に渡したお皿は、曇りガラス製の少し浅めの丸皿。器の縁は、金色に加工されていて、その金は主張しすぎない淑やかな色。皿の中で戯れる蔦バラと青い鳥を引き立たせるアクセントのようなものだ。そんな騒がしくはないけれど上品で華やかなお皿にいったいどんなお菓子を盛りつけてくれるのだろう。柳霞の胸は高まる一方で――いつか張り裂けてしまうんじゃないかと柳霞が思うほどだった。
「ふぅ」
そうこう考えている間に片付けはあと少しのところまで来ていた。最後の席を見やると、グラスがひとつ、忘れ去られたように置いてある。柳霞は忘れ物を取りに行くように近づいていった。そしてグラスに触れる。
「……え?」
その途端に魔法にかけられたような脱力感に襲われる。視界は傾いたと思った時には遠くでグラスの割れる音が聞こえた。
(いったい、なにが)
続いて柳霞を襲ったのは、鋭い痛み。どこが痛いのかわからないほど体の感覚はぼやけているのに、痛いということだけは、いやに鮮明だった。
「どうしました!?」
グラスが割れる音を聞いた景貴が飛んでくる。血の気のない、生クリームみたいなだだ白い顔をして。
「急に、力が……入らなくて……」
力が入らず、言い訳じみた言葉になってしまうのが柳霞は悲しかった。
「景貴、さん、ごめん、食器、割っちゃった」
ただ謝りたいだけなのに、自分を弁護するようで悲しかった。
「何言ってるんですか。グラスより柳霞さんの体の方が大事です」
それなのに。景貴は責めるどころか柳霞のことを心配している。心配して、心配して、顔を白くしている。
「足に、怪我、してますね」
「だいじょ、ぶ……心配しない、で」
柳霞の言葉は、また心配してと甘えているような響きになってしまった。そうじゃないのに。
「歩けなさそうですね」
そう呟いてから、景貴は柳霞をゆっくりと抱き上げた。やさしげな見た目からは想像できないほど軽やかに。穏やかに彼は柳霞を抱き上げた。こんな時なのに。腕ががっしりしているだとか、鼓動が聞こえるだとかそんなことを考えてしまって――申し訳なくてたまらないくせに、嬉しいと思ってしまう自分が卑しく思えて涙がもっと出てしまいそう。
「ごめん、」
柳霞は、恥ずかしくて、恥ずかしくて。けれど大丈夫と彼の手を振り払う力さえ自分にはなくて。
「体に力が入らないなんて……ただごとではないですよ。ゆっくり休んで下さい」
そう言って景貴は、お店の二階の客間まで柳霞を運んでいく。彼のお母さんも驚いたようすで、しかしただならぬ事態ということをすぐに理解して救急箱と濡れタオルを運んできてくれた。
「柳霞さん」
やさしい声が名前を呼ぶ。やさしい手つきで手当をする。そんなことが今はどうしようもなく辛かった。今はどうしようもなく嬉しかった。
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担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月21日
参加申し込みの期限
2014年07月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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