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ゆら、ゆらり、と海の月
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◯波の狭間の景色を見て
ざざ、ざざざ、というノイズのような波の音に、
小山内 海
は耳を傾ける。岩と波が擦れる音、海の底で砂が転がる音、波と波が戯れる音。すべてを聞き分けることはさすがの彼女でも出来ないけれど、彼女には海は実に複雑な音色を奏でてくれる存在だった。
隣には
御剣 刀
。シーサイドアウトレットの買い物袋を提げた海の片思いの相手。
「えっと……海、綺麗だな」
気の利いたことを言おうとしてくれたのか、刀はそんなことを口にする。とくん、と海の胸が高鳴る。
(名前……気がついてるのかな)
きっと気がついていないからこそ、言えたのだろう。わかっているけど、頬が熱い。
とくん、もう一度胸が高鳴った。その瞬間、膝から力が抜けた。
「小山内ッ!?」
膝だけではなく、足首も踏ん張りが効かない。地面にぶつかる。そう思った次の瞬間、海は刀の腕の中に居た。
(ありがとう)
瞳でその思いを伝えるが、刀は「どうした? 大丈夫か?」と海を心配しているだけで上手く伝わらない。
「とりあえず……」
海を支えながら刀は辺りを見渡した。
(あ、荷物が)
買い物袋が足元で崩れ落ちている。まるで海の代わりとでも言うように。
(拾わなきゃ……)
そう思うのに、やはり身体に力が入らなくて。腕の中のスケッチブックがこぼれ落ちないようにするので精一杯だった。
そんな風に思っていた矢先だった。「小山内、少しだけ我慢してくれ」と言って刀が海の膝の後ろに手を挿しこんだのは。
(え?)
そしてそのまま海を抱き上げてしまった。これは、そう。お姫様抱っこ。
「たしかあっちにベンチがあったから」
言い訳じみた刀の言葉。刀は戸惑う海に、きっと気がついているくせに、目を合わそうとせず、ズンズンと進んでいく。
(うぅ、誰も見てないよね……?)
さっきの、『海、綺麗だな』なんかとは比べ物にならないくらい、海の頬は熱かった。頬だけじゃなくて、刀が触れているところすべて、すべて熱かった。このまま熱で溶けてしまいそう。もう溶ける。きっと、もう今に溶ける。そう身構えていると、海の身体はベンチに預けられた。辛うじて座る形を取ってはいるが、おそらくそう長くは持たないだろう。
「あー……大丈夫か?」
大丈夫だよ。そう伝えたいのに腕はおろか、指一本も自由に動かすことができなかった。
「えっと、」
そのことに刀は気がついたようだけれど、お互いの間を漂う気恥ずかしさは消えることはなくて。
「俺、荷物取ってくるな」
刀は海から逃げるように去っていった。
(刀、君……)
彼が触れていたところの熱が、少しずつ引いていく。本当なら、指でなぞってその熱の余韻にもっと浸っていたいくらいなのに。今の海にはそんな自由さえもない。声が出ないことは、もう日常だった。けれど声も出ない、身体も動かせないということがこんなにも心細いなんて考えてもみなかった。
がさり。そんな時、物音がする。遊歩道ではなく、わざわざ木々の合間を縫ってやってくる、なにかの音がした。
(なに……?)
恐ろしくてたまらない。けれど強く目をつぶることも震えることもできず、ただ海はそこに居ることしかできない。
(刀君……助けて!)
悲鳴は届かなかった。そしてその音は容赦なく海に近づいてきて――
それはパジャマ姿の
千鳥 雅人
だった。
なんだ。よかった。そう安堵するのはほんの一瞬。すぐに『さっきの出来事』が見られたかもしれないという羞恥に変わる。けれど雅人は海に声をかけることもせず、フラフラとどこかに消えていってしまった。
(なんで、パジャマだったんだろう?)
姿が見えなくなってようやくそんな疑問が鎌首をもたげる。けれどそんな可愛らしい疑問もすぐにどこかへ行ってしまって、海の胸に広がってくるのは元々の感情――不安だった。その不安を煽るように、刀という支えを失った身体は傾き、ベンチに倒れこむ。
(自分の身体がまるで自分の身体じゃないみたい)
海の頬を伝うのは、冷えきった涙だけ。ぬくもりは、もうとっくに消えていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月21日
参加申し込みの期限
2014年07月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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