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夏のマヨイガ
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御剣 刀
の場合
「……ん? なんだ……?」
目を開けて見えた光景に、
御剣 刀
は、思わずそんな言葉をつぶやいていた。
視界に映っているのは、見知らぬ天井。目覚めた時にいつも見える自分の部屋の天井とはまったく違う、少し汚れた木の色。
「どうなってる……? ここはいったい……」
周囲を確認しながら、体を起こす。まるで記憶にない場所だった。四方を木の壁に囲まれた部屋で、畳の上に机や座椅子が置かれ、客間のような雰囲気がある。
「……」
すぐそばに扉があったので、大きな戸惑いを抱えながらも開いてみた。扉の先は左右に連なる廊下で、どうやらここは、日本家屋風の屋敷らしかった。
「ここはどこなんだ……? なんで俺はこんなところにいる……?」
そこでふと、数日前のことを思い出した。面白い都市伝説があると、友人から切り出された会話のこと。マヨイガの夢の噂。
「……まさかここがそうなのか? 噂のマヨイガに俺は今、迷い込んでるのか?」
にわかには信じがたかった。友人から聞いた時も、ただの仕様のない噂話だとしか思わなかった。
「とりあえず、屋敷の中を探ってみるか……」
ここがマヨイガなのか、それともただ普通の夢を見ているだけなのか。探って確かめられる保証はないが、動いてみる価値はある。
もしマヨイガなら、自分以外にも迷い込んだ人がいるかもしれない。あるいは、欲しい物を手に入れられるか。
廊下に一歩踏み出す。かすかにきしむ音がして、その音が廊下の先へと流れた。そのまま二歩、三歩と進んでいく。
しばらく進んでも、人に会うことはなかった。見えた扉を開けてその先を調べてみたりもしたが、琴や甲冑、古い着物といった珍しい物はあったものの、特に欲しいと思える品もない。
そういえば、とそこで思い出す。
聞いた限りでは、手に入れられるのは日頃から欲しいと強く願っているものだった気がする。手にしたいのなら、それを目標に探さなければならない。
「日頃から欲しいと思ってる物か……」
欲しい物。あるいは、大切だと思えるもの。立ち止まって考えてみる。
そうして思い浮かんだのは。
「……やっぱ、日常かな。この普通じゃない、だけどフツウの日常」
寝子高に入って数ヶ月。その間にいろいろなことが起こった。最初は戸惑ったけど、だんだんと楽しむ余裕もできてきたし、普通の友人、そして普通じゃない友人も増えた。
本当なら、寝子島に来たばかりの頃の、何も知らない自分に戻ったほうがいいのかもしれない。そのほうが危険はないだろうから。
だけど戻らないといけないってわかっているのに、今のままでいたいと思っているのもたしかだった。
自分は、このままの今がずっと続けばいいって思ってる。だから、今のままでいるために力が欲しいって思い、ろっこんの使い方を考えたり、体を鍛えたりもしている。
(……そうだ。俺は、今の時間を大切に思ってる。そしてこれからも普通じゃない、フツウの日常が欲しいと思ってる)
現に、こうして屋敷を探索しているのもどこか楽しかった。もちろん、誰かが厄介事に巻き込まれているかもしれないという心配もあるが、噂通りならさほどの危険はないはずだ。
「……俺が欲しいのは、これまでと同じ日常。そして……今のままでいたいっていう望みをかなえるたための力ってところだな」
だけど、それは自分で手に入れるべきもの。与えられるものじゃない。
「なんていうか、こんなふうに改めて自分を振り返る機会なんてこれまであんまりなかったな……」
もしかしたらこの屋敷は、その機会を自分に与えてくれたのかもしれない。本当に欲しい物を改めて考えてみる機会が、自分は欲しかったのかもしれない。何が欲しいのか、自分は何を大切に思っているのかを考える、そんな機会。
それなら、もう欲しい物は手に入れた。この屋敷が、それを与えてくれた。
「……一応、お礼を言っといたほうがいいのかな」
その場で屋敷を見回しながら、どうも、と心の中で礼を言う。はたして伝わったのかわからなかったが、まあ別によかった。
「さて……それじゃあ目覚めるまで暇だし、適当にぶらつくとするかな」
言いながら、再び足を踏み出す。
「きゃあっ!」
その時、いきなり悲鳴が聞こえてきた。
「人の声……? あっちか……!」
言うと同時に、ほとんど無意識に、刀は走り出していた。
・
十文字 若菜
の場合
扉を開けた途端、目の前に広がった光景に、
十文字 若菜
は腰を抜かしそうなほど驚いた。
「これ……なんでこんなに……」
恐怖のあまり、思わず服のポケットに手をやった。そこには鏡が入っている。それがあればろっこんを使える。鏡の破片で、防御結界を作れる。
だけど、寸前で思いとどまった。今は何かに襲われているわけじゃない。ただたくさんの人形を見て驚いているだけで、何も危険はない。
「どうした!?」
「きゃあっ!」
いきなり声が聞こえて、また悲鳴を上げてしまう。最初、人形がしゃべったのかと思った。だけど、声は別の方向から聞こえていて。
「あ……」
見ると、廊下の先から男の人が走ってきていた。高校生くらいの顔立ちの、ボサボサ髪の少年。
「何かあったのか?」
「あ、あなたは……?」
「俺は
御剣 刀
。寝子高生だ。この屋敷をさまよってたんだが、急に悲鳴が聞こえたから何事かと思って」
「あっ……ご、ごめん。別になんでもないの。ただ、人形に驚いて……」
「人形?」
御剣 刀
という少年が、人形が居並ぶ部屋の中に視線を移す。
「ずいぶんと不気味な部屋だな……」
「でしょ……? 扉開けていきなりこれだったから、つい……」
「まあ、無理ない。誰だって、こんなの見たら驚く」
そう言うと、刀は開いたままの扉に手を伸ばして、閉めた。
人形の視線がなくなったことで、若菜はようやく落ち着きを取り戻すことができた気がした。
「大丈夫か?」
「う、うん、ありがと。それにしてもよかった、私以外に人がいて。私も、わけもわからずさまよってて、すごく不安だったの」
「わけもわからずってことは……噂のことを知らないのか?」
「噂……?」
「俺も友達に聞いただけなんだが、最近、マヨイガって都市伝説が流行ってるらしいんだ。夜寝てたら見知らぬ屋敷で目覚めるんだが、実はそれは夢で、その夢を見た人はしばらく屋敷に囚われるらしい」
「じゃあ、この屋敷がそのマヨイガ……?」
「たぶんな」
それなら、今は夢を見てるだけなのか。たしかにそれなら状況の異様さも納得できる。
「どうやってここから出るの?」
「別に無理に出ようとしなくても、しばらくしたら目が覚めて、現実に戻れるらしい」
「そうなんだ……よかった」
ほっとする。もしずっと出られないなんてことになったらどうしようと思っていたから。
「あ、あの、これから目が覚めるまで一緒に行動しない?」
「えっ?」
「なんていうか、夢だってわかっても、やっぱり気味が悪くて。できれば誰かと一緒にいたいな……なんて」
正直、男子にこういうことを言うのは少し照れみたいなものがあった。だけど背に腹は代えられない。
「そうか……いいよ、別に」
「本当に?」
「断る理由ないから」
「ありがとう。私、
十文字 若菜
。刀君……でいいよね? よろしく」
「ああ、よろしく」
笑みを見せず、刀が言葉を返してくる。あまり感情が見えない男の子だけど、どことなく柔らかい雰囲気も感じられて、安心できた。
「それじゃあ、動き回ってさっきみたいな目に遭うのもなんだし、どこかで休んで時間を潰すか」
「うん」
相手の言葉に頷き、それから、二人並んで廊下を歩く。
それからすぐ、休むのにちょうどよさそうな部屋を見つける。着物がたくさん飾られた部屋で、数々の着物の美しさに、思わずため息が漏れるほどだった。ここなら、あまり怖くない。
「ほんと、すごく綺麗……あれ?」
部屋に入って着物に見とれていると、ふと鏡台のそばに紐のついた鈴が置かれているのが見えた。
「わ、可愛い……」
なぜか不思議と惹きつけられて、手に取る。慣らしてみると、チリン、とこれまた可愛い音が聞こえた。
「その鈴、気に入ったなら持ってたらどうだ?」
「えっ?」
「噂によると、この夢を見た人は、一つだけ欲しい物を現実に持ち帰れるんだ。だからもしかしたらその鈴、持って帰れるかもしれない」
「でも、この家の鈴なんだろうし……」
「誰もいない屋敷なんだ。構わないだろ。むしろ、持っていってもらったほうが喜ぶかもしれない。たぶんだけど、この屋敷は人に何かを手に入れてほしくて、その人を誘い込むんだろうし」
「手に入れてほしくてか……。じゃあ、貰っていいのかな?」
「いいと思う」
貰えるなら、嬉しかった。その嬉しいという思いを込めて、ありがとうございます、と屋敷に向かって心の中でつぶやいた。
「刀君は、何か手に入れたの?」
「ああ、手に入れた」
「何を?」
「言葉にするのは難しいけど、強いて言うなら、心を整理する機会かな」
「心を整理する機会……?」
意味がよくわからなかった。だけど、なんだか満足そうな様子だし、たしかにそれは彼の欲しい物だったんだと思う。だから、それ以上は何も聞かなかった。
それから、二人で話をしながら過ごした。学校のこととか趣味とか、他愛のない話。それでも十分楽しかった。
二人でいるとあまり不安も感じないし、彼に会えてよかったと、しゃべりながら若菜は思っていた。
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あとがき
担当マスター:
北見直弥
ファンレターはマスターページから!
皆様、お疲れ様でした。ゲームマスターの北見です。
「夏のマヨイガ」シナリオ、おかげさまで無事完結することができました。いかがでしたでしょうか?
望んでいた物を手に入れられた方、おめでとうございます。
そうでない方も、この屋敷の中での時間になんらかの価値を見い出せていただいていたら幸いです。
(ちなみに、現実で目覚めた後の描写がない方も、手に入れた物はちゃんと持ち帰っていますのでご安心ください)
それでは、またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
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担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
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