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夏のマヨイガ
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椿 美咲紀
の場合
「はー……綺麗ですねぇ……」
目の前に咲き乱れた色とりどりの花々を見つめながら、
椿 美咲紀
は声を漏らした。
見知らぬ屋敷の玄関前に作られた花壇。そのすぐそばで目覚めてから、まもなく見つけたこの花々に、かれこれもう数分も心を奪われてしまっている。
「……それにしても、誰がお手入れしてるんでしょう? 以前に本で読んだ記憶では、マヨイガと呼ばれる屋敷には人がいないはずなのに。最近聞いた噂でも、夢の中で屋敷の住人に会うなんて話はなかったような……」
欲しい物が手に入るという屋敷の夢。絶対とは言えないけど、たぶんここはその屋敷なんだと思う。なんとなく。
「まあ、気にしても仕方ないのです。それより、そろそろ屋敷を探検しましょう。頑張って図鑑を見つけるのです! ……あれ?」
そこでふと、美咲紀は花壇の中にある何かに気付いた。
「なんでしょう? 花の間に何か落ちて……」
花を折らないように気を付けながら手を伸ばし、拾う。それは、天使の形をしたシルバーアクセサリーだった。
「なぜこんな物が花壇に……? 屋敷に住んでいたどなたかの落とし物でしょうか? でもでも、こんな現代風なアクセサリーを昔の人がつけるでしょうか……?」
ふむぅ、としばし悩む。でも考えていても仕方ないので、とりあえず持っていくことにした。探索のついでに、どこか適当な場所に返しておこうと思った。
「よし。それでは、いざ出発です」
そう声をあげ、屋敷の中へと入る。
それからは見つけたふすまや扉を次々と開けて、部屋の中を調べていった。
「どの部屋も和風満開ですねぇ。なんだか平安時代を思い出します。あの頃はどこもこんな家ばかりでした。まあ私、生まれてないですけど」
そんな一人ボケツッコミをしつつ、次は客間のような部屋へ。
「うーん、各部屋に本棚はあれど、読めない本ばかりです。図鑑のようなものもないようですし。これは見つけるのはなかなか難しそうです……」
ここまで歩いた限りでも、屋敷は相当に広いことがわかって、いったいどれだけの部屋があるのか見当もつかない。
「いやいや、落ち込んでる時間はないのです。なんとしても、目が覚めてしまうまでに見つけてやるのですよ! ……はっ、そういえば、こういう古い屋敷には書物などをまとめて保管してる所があるのではないでしょうか」
たとえば書庫のような場所。そこを見つけることができれば。
「きっとそうなのです。これからは書庫を見つけることを最優先にするのですよ」
そうして客間を出て、お目当ての書庫探索を開始。するとその数分後、その部屋はあっさりと見つかった。
「わわっ、すごい数の本なのです。これだけあれば、きっと中にはお花について書かれた本もあるはず」
美咲紀が探しているのは、変化朝顔の図鑑だった。変化朝顔とは、突然変異して見た目や色の変わった朝顔のことで、以前聞いた話によると、江戸時代にその変化朝顔の栽培がブームになったらしかった。
変化朝顔は自分で作るのはとても難しいから、何と何を掛け合わせたらこんなのができるみたいな、そんなことが書かれた図鑑を手にできたら嬉しかった。
「お花の図鑑……朝顔……。むぅ……やっぱりないんでしようか……あっ!」
本棚を眺め回しているうち、不意に目に飛び込んできた文字があった。
『朝顔百景』
「はうわ、これ、間違いないのです。変化朝顔の図鑑なのです」
中身は図解入りで、色もついて、文字もちゃんと読めた。見る限りとても丁寧な、親切な図鑑だ。これだけのものは、書店でも見たことがない。
もしかしたら、この屋敷が自分のために用意してくれたものなのだろうか。
「ありがとうございます、お屋敷さん。これで、お花さん達の色々な姿を堪能できるのです。本当に嬉しいのですよ」
ぺこり、と頭を下げながら、屋敷にお礼を言う。この屋敷に来られてよかったと、本当にそう思った。
「これで目的達成……あっ、でもこの綺麗なアクセサリーはどうするべきでしょう? 適当にそこらに置いておくのもどうかと思いますし……どこか装飾品がたくさん置かれた場所とかあれば、そこにお返しするのですが」
はたしてそんな場所があるだろうか。
「とりあえず、そういう場所を探してみるのです」
・
花風 冴来
の場合
部屋を埋め尽くす数えきれないほどの人形たちを、
花風 冴来
は見つめていた。
「……」
人形もじっとこちらを見つめ返している。物に意志があるはずはないけれど、彼女たちも自分を見ていると、冴来にはなんだかそんなふうに思えた。
それから、人形の一つをそっと抱き上げてみる。赤い綺麗な着物をまとった、黒髪の和人形。
「貴女はいつからここにいるの……?」
人形の顔を見つめ、話しかける。
「貴女はいつか、ここから出られるの……? いつか誰かが貴女をここから連れ出してくれる日が来るの……?」
言葉は何も返ってこない。当たり前のこと。だけど、冴来は目の前の女の子へ話しかけ続けた。
「ねぇ……貴女はここを出たいと思う?」
彼女にとって、ここにいる人形たちにとって、この屋敷は居心地がいいのだろうか。幸せを感じられる場所なのだろうか。
だとしたら羨ましい。できるのなら私も、そんな場所が……。
「……」
なんだか少し暗い気持ちになって、人形を棚に戻す。それから、彼女たちにさよならと告げて、部屋を出た。
「どこへ……行こう……?」
ここがどこだかはある程度わかっている。噂で聞いた、欲しい物が手に入る屋敷の夢。マヨイガの夢。
「せっかくだから……少し探検しようかな」
そうつぶやいて、ゆっくりと歩き出す。人形部屋の先にあった廊下を一人、静かに。あてもなくただ歩いて、でもやがてとても印象深い場所にたどりついた。
「牢屋……なのかな?」
そこにあったのは、いわゆる座敷牢というもの。そこはなんだか、自分が昔いた場所に似ている雰囲気がした。天使と呼ばれていたあの頃にいた、檻の中の雰囲気に。
気付くと、牢の中に足を踏み入れていた。そうすると、なんだか気持ちが落ち着いた。ずっとここにいたいと、そんな気分になる。
夢から覚めず、ずっとここにいられたら。
「はわっ!」
急に、声が聞こえた。顔を上げて目を向けると、いつのまにか誰かがそばにいた。
「ど、どうしたのですか、こんなところに座り込んで? もしかして気分が悪いのですか?」
いたのは少女で、彼女は心配そうにこっちを見つめている。
「……平気。なんともない」
そう答えて、少女から視線を外しかける。でもその時ふと、目に入った物があった。
少女が手に握っている、銀色の何か。あの形は……。
「それ……何?」
「えっ? ああ、これですか? この家の花壇に落ちてたのです。返そうと思っているのですが、どこに置いておけばいいかわからなくて」
「天使……?」
「そうです。天使の形のアクセサリーです。はっ、もしかして、これはあなたの欲しい物なのですか?」
「欲しい物……?」
「なるほど。それならこんな現代物のアクセサリーが落ちてたのも納得ですね。持ってきてよかったのです。はい、どうぞ」
思わぬ方向に話が進んで、戸惑う。でもなんだか妙に惹かれるものがあって、思わず手を伸ばしていた。
そのアクセサリーは、美しい銀色の天使の形をしていた。
(これが私の欲しい物……? 本当に、私はこれが欲しかったんだろうか……?)
「これで一件落着です。えっと、せっかく会えたのですし、よかったらもう少しお話してていいですか? どうせなら屋敷を探検しながらでも」
「私はこのままでいい……ここは居心地がいいから……」
「でもそのままだと、なんだか閉じ込められてるみたいな感じですよ……? こんな場所にいたら、きっと気持ちも暗くなっちゃうのです」
「いいの、それでも。……外はつらいことが多いから、閉じ込められたままでもいい」
いっそ、ずっと閉じ込められていたい。ここに、ずっと。
「つらい?」
「……」
少女が困ったような顔をする。きっと意味がわからないのだろう。当然だ。こんな言葉で伝わるはずがない。
だけど次に彼女が返してきたのは、意外な言葉だった。
「……うーんと、よくわからないのですが、つらい時は助けてもらえばいいのですよ」
「えっ……?」
「誰かに助けてもらえばいいのです。つらいときに助けてって言えば、誰かが助けてくれます」
「誰かって……?」
「周りにいる人たちです。中には意地悪な人もいるかもしれませんけど……少なくとも、私は助けてあげますですよ」
「貴女が私を……どうして……?」
「だって、人を助けるのは当たり前のことですから」
当たり前。その言葉が、強く耳に残った。
「貴女は……優しいのね……」
「そうですか? 自分ではよくわかりませんです」
微笑みながら少女は言う。その笑みに、少し心が揺れるような感覚があった。そして思う。
(……ここはたしかに居心地がいい。だけど、ずっといてはいけない場所でもある。ここにいれば私は一人きりでいられる。だけど、一人きりでしかいられない)
「そうだね……。出なきゃ駄目だよね……」
そうだ……優しい悪夢は、今の私にはいらないんだ。
現実は辛いけど、夢にまどろんでばかりはいられない……。
差し出された少女の手を取って、座敷牢を出る。改めてそばで顔を見ると、彼女の顔は安心したように微笑んでいた。
それから、少女と屋敷の中を歩いた。彼女は
椿 美咲紀
という名前らしく、自分と同じ寝子島高校に通っているらしかった。
冴来も名乗って、でもまもなく目覚めてしまったのであまり話はできなかった。
けれど彼女と話している時間は、決して嫌だとは感じなかった。
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担当ゲームマスター
北見直弥
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
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