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夏のマヨイガ
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御巫 時子
の場合
「まあ……」
扉を開けた先に見えた光景に、
御巫 時子
は思わず声を上げた。
「これは……座敷牢でしょうか?」
見た途端、なんとなく懐かしい思いにとらわれた。自分の実家に同じようなものがあったからだ。でも実際に使われているところは見たことない。
「こういう古い屋敷には普通に備えられているものなのでしょうか。でも一体、何に使われていたんでしょう」
自分の家にあったものだけど、使い道は知らない。牢というくらいだから人を閉じ込めるものなのだろうが、いったいどういう人を閉じ込めたのか。悪戯をした子供へのお仕置きに、とかだろうか。
「興味深いですが、ずっと見ているわけにもいきませんし……そろそろ次の部屋へ行きましょうか。探し物もまだ見つけてませんしね」
この屋敷の中の見知らぬ部屋で目覚めて、もう2、30分は経っただろうか。その間に色々な部屋を見つけた。着物が飾られた部屋、人形がたくさんいる部屋、他にも客間や台所のような部屋も。
ここがどんな屋敷であるかは、おおよそ見当がついていた。数日前に、不思議な夢の噂を聞いていたから。
自分の好きな物が手に入る、マヨイガ。たぶん自分はそこに迷い込んだのだと思う。
「あっ……!」
その時突然、背後から驚いたような声が聞こえた。
「あら、あなたは……?」
振り返ると人の姿が見えて、思わず声をかけていた。自分と同じ年齢くらいの、可愛らしい印象の少女。
「あっ……えっと、私、
宮祀 智瑜
っていいます。この屋敷で欲しい物を探してる途中で。えっと……」
「そうですか、私と同じですね」
「あっ、じゃあ、あなたもこの夢に誘われたんですね。探し物、見つかりました?」
「いえ、まだです。そちらは?」
「私もまだ……いろいろな部屋を回ってるんですけど、屋敷が大きすぎて……」
「どんな物を探してるか聞いてもいいですか? もしかしたら、どこかで見かけてるかもしれませんし」
「えっと……ぬいぐるみなんです。ウサギのぬいぐるみ……」
「ぬいぐるみ……」
「どこかで見てませんか?」
「いえ……あっ、でも人形がたくさん置かれた場所がありました。ほとんどが日本人形でしたけど、もしかしたらぬいぐるみもあるのかも。この道をしばらく進んで、右へ曲がった付近です」
「そんな部屋があるんですか。じゃあ、行ってみます。ありがとうございます」
「いえ、どういたしまして」
「あなたは何を探してるんですか?」
「私は、図鑑です。鳥の図鑑が欲しいなと思っています」
「それなら、本がたくさん集められた部屋がありました。えっと、ここからだと……」
智瑜という少女が、その部屋への行き方を丁寧に教えてくれる。
「本当に本がたくさんあって、図鑑なんかもあったかもしれません」
「そうですか。では私もその場所に行ってみます。ありがとうございます」
お礼とともに小さく微笑みかけると、智瑜もその顔に、はにかんだような笑みを浮かべた。
「あの……お名前聞いてもいいですか?」
「もちろん。私は、
御巫 時子
です」
「時子さんの探し物、見つかるといいですね」
「ええ、智瑜さんの探し物も」
そこでまた互いに笑い合う。その後で、それじゃあと言い交わし、智瑜と別れた。
それから時子は、智瑜に教えられた通りに廊下を進んだ。すると。
「……ここでしょうか?」
教えられた付近に来ると、扉が見えた。この先が書庫なのだろう。座敷牢と同じく書庫は実家にもあったが、あまり立ち入った覚えはない。
中に入ると、智瑜の言葉通り、たくさんの本が棚に並べられていた。手に取って読んでみたが、文字の古さと汚れのせいで、てんで読めない。
だけどそれから、目当ての物をしばらく探し続けていると。
「あっ……」
ふと本棚の中に、鳥類という文字が見えた。古い文字ではなく、現代文字。
「これは、鳥の図鑑……」
開いてみると、様々な鳥たちの可愛らしいイラストと、その生態の説明が書かれていた。
それは、こういう図鑑が欲しいなと思っていたものとぴったり同じだった。まるで心が読まれたかのように。
「あれ……?」
その時、不意に鳥の姿がぼやけた。なんだろうと思っていると、だんだんと意識も薄くなっていって……。
※
目覚めると、時子は星ヶ丘寮の自分の部屋にいた。体はベッドに横たわっていて、そして枕元には。
「あっ……」
夢の中で手にした図鑑が、ちゃんと置かれていた。
「よかった……ありがとうございます、マヨイガさん」
本を手にし、胸に抱く。そうしながら改めて、自分を誘ってくれたあの家へとお礼を言った。
いただいたこの本……ずっと大切にしますね。
・
宮祀 智瑜
の場合
先ほど会った少女、
御巫 時子
に教えたもらった通りに、
宮祀 智瑜
は屋敷の中を進んでいた。
「ぬいぐるみ、見つかるかな……」
それを見つけるために、目覚めてからもう1時間以上この屋敷を歩き続けている。小さい頃になくしたぬいぐるみを見つけるために。
大切な、あのぬいぐるみを取り戻したくて……。
童話に出てくる、懐中時計を持ったウサギのぬいぐるみ。両親に誕生日に買ってもらったもので、なくす前はいつもそばに置いて、寝る時も一緒だった。そうしながら、いつかこのウサギが自分を不思議の世界に連れて行ってくれると信じていた。
でもある日、ウサギは智瑜の前からいなくなった。いや、違う。いなくなったのではなく、ただ自分がなくしてしまっただけ。
それからはショックでふさぎこんで、新しいぬいぐるみを買ってもらっても、うさたんがいいの、と泣いて両親を困らせるばかりで。
だけどそのうち、母が言ってくれた。
『きっとウサギさんは今頃お城に向かって走ってるわ。遅刻しないように慌てていて、智瑜にさよならが言えなかったのかも。ううん、さよならじゃない。ウサギさんはきっと、また会えるからって智瑜に言いたかったんだと思う』
優しく頭を撫でてくれながら言われたその言葉で、智瑜はようやく涙をおさえることができた。
また会えるから。ウサギはその言葉を言いたかったんだと、信じることができた。
だけど、あれから長い時間が経っても会えはしなかった。当然だ。なくしたものは戻らない。ある程度成長した今の自分の心はそう思って、なかばあきらめていた。
だけど……。
だけど、この屋敷の噂が本当なら……。
やがて、教えられた付近にたどり着く。そして智瑜は、そこにあった扉を開けた。
扉の向こうには、たくさんの人形があった。本当に数えきれないほど多く、部屋を埋め尽くすほどに。
「この中に……あの子が……」
高鳴り始める気持ちを抑え、床や棚に並んでいる人形を見つめ、慎重に探していく。人形の陰にまた人形があったりして、すぐには全てを調べることができなかった。
それでもやがて、部屋のほぼ全体を調べ尽くして。
「ない……」
ウサギは見つからない。あるのは和人形を始めとした人型のものだけで、ぬいぐるみなんてどこにもない。
「やっぱり、なくした物は戻ってこないんだ……もうあの子は、どこにもいないんだ……」
涙が浮かびそうになる。だけどなんとかこらえて、人形たちに背を向けた。
仕方ない。この屋敷で見つからないのなら、あきらめがつく。
だからもう……忘れてしまおう。
扉に手をかける。そして開いて、部屋を出ようとした。
コトッ……。
でも出る寸前、背後で音がした。
反射的に振り向く。最初は、音の正体がわからなかった。だけど、部屋を見回しているうちに。
「あっ……!」
見えた。部屋の奥。和人形の陰になって、ウサギの顔が。
その瞬間、なぜか視界が歪んだ。ウサギの顔が、よく見えなくなる。
「えっ……」
なんだろうこれ。もしかして、夢が終わってしまうのだろうか。
「駄目……!」
まだ駄目。まだあのぬいぐるみを手にしてない。この手に掴まないと、きっと手に入れられない気がする。そんな気がする。
智瑜は駆け出し、必死に手を伸ばした。歪む視界の先にある物。大切な物。
届いてと、強く、強く願いながら。
※
ベッドの上で目が覚めた瞬間、智瑜の目に白い物が映り込んだ。
「え……あ……」
目の前に、懐かしいウサギの顔が見えていた。手も、足も。そしてその手に握られた懐中時計も。
慌ててベッドから体を起こす。そして、それを両手に抱いた。
「うそ……本当に……本当に戻ってきたの……?」
信じられなかった。だけど、たしかにここにある。手から、柔らかい白い毛の感触が使わってくる。そして、瞳がこっちを見ている。
ただいま。
なんだか、声が聞こえた気がした。そんなはずない。人形がしゃべるわけない。
だけど。
「おかえりなさい……」
だけどウサギの顔を見つめて、智瑜は言葉を返した。
本当に……おかえりなさい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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