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夏のマヨイガ
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菰野 椛
の場合
目が覚めた瞬間、
菰野 椛
の瞳に映り込んだのは、薄汚れた木の天井だった。
「えっ……?」
見えた光景に違和感を覚え、すぐに体を起こして周囲を見回す。見知らぬ部屋。それほどの大きさはなく、床には畳が敷かれ、部屋の隅には古い箪笥や本棚、文机のようなものが置かれていた。
「ここは……どこだ?」
なぜ自分はこんなところにいるのだろう。さっきまで探偵事務所にいたはずなのに。事務所で仕事をしていて、夜も更けてきたので少し仮眠をとろうと思って……。
「夢……なのか?」
しかし、夢にしてはリアルだった。妙に現実感があって、自分の意識もはっきりしている。もしかして明晰夢というやつだろうか。
そう考えた時、ふと思い出したことがあった。
「そういえば、夢の中で見知らぬ古い屋敷に迷い込むという噂が最近流行っていたな。まさかここが……?」
古い屋敷。今の状況と合致している。
「噂では、その家の中では自分の欲しい物が手に入ると言うことだったが……まあ、まだ断定はできないか」
たとえここが噂の屋敷で、本当に欲しい物が手に入るのだとしても、特に望みたい物はなかった。噂を聞いた時も、特に興味は持たずほとんど聞き流していた。
それでも自分が今、その噂のただ中にいるのだとしたら面白くはあった。
「いろいろと探ってみよう。きょうび、こんな古い家にはなかなかお目にかかれないしね」
立ち上がり、まずは今いる、この部屋の中を調べてみることにした。しかし開けてみた箪笥は空で、本棚に置かれていた古い書物も文字が薄れてしまっていて、てんで読めない。
「……文字から伝わる色もひどく薄いな」
音や文字、他人の感情などから色を感じる、自分の特異な感覚。その感覚を通しても、この本、そしてこの部屋から伝わるものは何もない。
「……まあ、とりあえず別の部屋も調べてみるか」
染みのついた障子を開けて、部屋を出る。その先は木張りの廊下になっていて、ところどころに行燈の光が見えた。人の姿は見当たらない。
廊下を歩き、その先にある部屋を調べていく。見つけたのは着物や甲冑、琴や手毬といった物。どれも古く、埃をかぶっていた。
「なかなかに珍しい物が置かれてるな。それにしても広い屋敷だ。いったいどれだけの部屋数が……」
出した言葉が途中で止まる。視界の端で何かが動いたからだった。
それでも焦ったり慌てたりはしなかった。ここに来るまでの間ずっと、誰かの視線を感じ続けていたから。
「コソコソと後をつけてないで、そろそろ出てきたらどうだい?」
開けたままの障子の方向。そこに向かって呼びかける。
すると、しばらくの間があった後で障子の隙間から誰かが顔を覗かせた。
少女だった。長い黒髪と赤色の瞳が印象的で、その特徴には見覚えがあった。
「なんだ。誰かと思えば、いつだか事務所の前で迷子になってた君か。たしか名は……」
「……哀坂……
哀坂 子夜
……」
彼女の口が動いて、自分の名を告げてくる。とはいっても、音は何も聞こえない。自分の壊れた耳が音を拾うことはもうないから。だけど、唇の動きで相手の言葉は通じる。
「見たところ、そっちもこの屋敷に迷い込んだって感じだな」
「……じゃあ君も……?」
「ああ、目が覚めたらこの屋敷にいた。面白そうだから探検してたところさ。君は、最近流行ってるマヨイガの噂を知ってるか?」
「マヨイガ……夢で見知らぬ古い屋敷に迷い込むって話かい……?」
「知ってるなら話は早い。断定はできないが、おそらくここはその噂の屋敷なんじゃないかと思う。僕と君は今、噂を実体験してるってわけさ」
「……そう……やっぱりここは噂のマヨイガなんだね……」
「それにしても、こんなところで君と再会するなんてね。驚いたよ」
「……私も君を見つけた時は驚いた……とても……不思議な縁……」
「縁か。たしかにね。なら、ここはその縁を大切にして、一緒に家の中を探ってみるかい?」
「……いいのかい……?」
「もちろん。このままコソコソと尾行されるのも勘弁願いたいしね」
「……わかった……それじゃあついていくよ……」
「そうか。なら決まりだ」
子夜の細面の顔立ちを見つめながら、軽く笑ってそう告げる。
しかしそうしても、彼女の顔には特になんの感情も浮かびはしなかった。
・
哀坂 子夜
の場合
「君はここで何か欲しい物でもあるのか?」
部屋を出て廊下を歩いていると、隣を歩く椛からそう尋ねられた。
「噂によると、この家は迷い込んだ人間に欲しい物を与えてくれる。うまくいけば、君も何か手に入れられるかもしれないぞ」
「……さて、どうだろう……そういう君は……?」
「僕はこれといってない。だから、君が何か欲しいなら探すのを手伝ってあげてもいいぞ」
そう言われ、考えてみる。答えは、すぐに浮かんだ。
「ある……欲しい物……。私は……感情が欲しい……」
「感情?」
椛に向かって、こくりと頷く。
「なるほど。出会ってからまだそれほど時間が経っていないけど、たしかに君はひどく感情表現に乏しい。でも、失っているわけではないと思うけどね。君の心にはたしかに感情はある。表に出すのが苦手なだけだ」
「君には……私の心が『視える』んだよね……。私だけでなく……他の人の心も……」
この青年の目は普通と違う。最初に会った時からそれはわかっていた。普通の人には見えないものが、彼には見えている。
少し、興味があった。だからこの屋敷で目覚めたあと、ウロウロとさまよっているうちに彼の姿を見つけると、なんとなく後を追っていた。
「……視えるわけじゃない。共感覚と言ってね。僕は、周囲の音や文字、他人の性格や感情に色を感じとれるんだ」
「……性格や感情に色を……なら君は、人の心がある程度読めるということになるのかな……?」
「いや、心を読むなんて、そんな大層なものじゃない。僕はただ近くにいる人間の感情になんとなく、本当になんとなく色を感じられるだけだ。その人が何を考えているかなんてわかりはしない」
「そうかい……。じゃあ私の性格や感情は……君には何色に見えているのかな……?」
「君のは……黒だ。真っ黒に塗りつぶされている」
「黒か……ふふ……なるほど……」
その色は間違いなく正しい、と子夜は思った。自分の心はたしかに真っ黒だ。明るさなんて欠片もない、暗いだけの色。
「……だけど」
「えっ……?」
「だけど、今は少し違う気もする」
「違う……?」
「事務所であった時はまさに真っ黒だった。でも今は少しだけ黒が薄まっている気がする。それでも、黒であることに変わりはないけどね」
言われている意味がよくわからなかった。黒が薄まっているとはどういうことだろう。
「ん、あれは?」
その時、急に椛が声を上げた。と思うと、彼はすぐそばにあった障子が開いたままの部屋へと入っていき、中にあった机のそばで足を止めた。机の上には、饅頭らしきものが1つ置かれている。
「これはこれは。どうやら、この屋敷は人の心を奥底まで読めるようだね」
「どういうことだい……?」
「何も欲しくないと思ってはいたが、目覚めたら饅頭か何か食べたいなと思っていたんだ。気が利くね」
「……君は……菓子が好きなのかい…?」
「ああ、実は甘党で、菓子には目がなくてね。1個しかないけれど、僕がもらっていいかい?」
「……構わないよ……」
「ありがとう。いや、いい土産ができた」
嬉しそうな顔をしている。本当にお菓子が好きなのだな、とそれを見て思った。
菓子なら、自分も作れる。もし作って彼の事務所にでも持っていってあげたら、喜んでくれるだろうか。
その時、いきなり周囲の景色が揺らぎ始めた。
「……これは……?」
「たぶん、夢が終わるんだろう。どうやら無事に目覚めることができそうだ」
「そうか……君との探検もこれで終わりというわけだね……」
「話し足りないのなら、また事務所にでも来るといいさ。狭いから探検はできないが、話し相手くらいにはなれる。忙しい時は無理だがね」
「……そうだね……考えておくよ……」
しゃべっている間に、景色はさらに揺らいだ。やがて、椛の姿もよく見えなくなる。
「それじゃあ、また」
最後に、そういう椛の声が聞こえた。
※
それから子夜は、手作りの菓子を持って、よく椛の探偵事務所に行くようになった。
彼はあまり表情には出さないけれど、喜んでくれているようだ。その証拠に、持っていったお菓子は残さず食べてくれる。
自分がなぜこんな事をしているのか、子夜にはよくわからなかった。
だけど椛が自分の作ったお菓子を食べている姿を見ていると、またそのうち作って持ってこようと、そんな気持ちになってしまうのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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