this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夏のマヨイガ
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
9
つぎへ >>
・
新井 すばる
の場合
「いやぁ……なんというか、こいつはファンタスティックな展開だね」
いかにも日本家屋といった古い台所を見回しながら、
新井 すばる
は一人、そうつぶやいた。
「まさか噂に聞いた屋敷の夢を本当に見ちゃうなんて。まあ、まだそうと決まったわけじゃないけど、可能性は高い気がする。こんな奇妙な夢見たの初めてだしね」
本当に、奇妙な夢だった。意識がとても鮮明だし、寝る時は外している眼鏡もちゃんとかけている。夢が配慮してくれたのだろうか。
「噂によると、ここでは欲しい物が手に入るみたいだけど。欲しい物か……やっぱギターかな。父さんが持ってるような、良いアコギないかなぁ……ん?」
ふと視線を移した、台所の隅。そこに置かれた小さな戸棚に、ある物が見えた。
「あ、あれはまさか……!」
戸棚に近付いてみる。すると中には一枚の皿があって、その上には一本のちくわが置かれていた。
「なぜこんなところにちくわが……。それも他に食材らしきものはないのに、なぜちくわだけが……」
ちくわは腐ったりはしていないようで、見る限り新鮮そのものだった。まるで今、誰かがここに置いていったみたいに。
「……もしかしてこれは、探偵になって、お前の欲しい物を見つけ出してみろっていう屋敷からの挑戦状なのか? だとしたらロマンのあることしてくれるじゃないか。なんにせよ、面白くなってきた」
ちくわを取りだし、口にくわえる。気分はシャーロックホームズ。まあ、ホームズはちくわじゃなくてパイプだけど。でも、自分にはパイプよりもちくわのほうが似合うはずだ。
「よし、じゃあ探索開始といこっか。問題はどこから探すかだけど……」
ギターが置かれているような場所を考えてみる。湿気のある場所は駄目だから、地下は除外するとして……。
「日焼けする物だから光の届かない所が怪しい感じが……となると屋根裏辺りかな? よし、とりあえずは上から攻めてみよう」
そう決めて台所を出る。
しかし、屋根裏に行く道はなかなか見つからなかった。台所のそばに階段があり、二階へは上がれたものの、屋根裏へと入れるような場所がなかなかない。二階の天井を外そうとも考えたが、素手ではとても無理そうだった。
「この部屋も駄目か……。ちょっと、これは骨が折れそうだね……」
ちょうど十部屋目を調べ終えた時、思わずそんな言葉が漏れる。いったい、屋根裏にはどこから入れるのだろうか。
ジャン……。
「えっ……?」
その時、どこかからかすかな音が聞こえてきた。
この音は……。
「今の、アコギの音……?」
はっきりとはわからなかったが、そんな気がした。
耳を澄ます。するとまた、かすかに聞こえてきた。今度は断続的にいくつか。
「あっちだな……!」
音は聞こえ続けている。その音を頼りに探すと、ある一つの部屋にたどり着いた。そして、見つけた。
開いたままのふすま。そこに梯子がかかっていた。おそらく、屋根裏に上がるためのものだろう。
梯子に近付き、登る。屋根裏へ続く天井はすでに外されていた。この先に誰かがいるのだろうか。
梯子を上りきり、屋根裏へと足を踏み入れる。ひどく薄暗かったが、奥の方に小さな明かりが見えた。
そしてその明かりのそばに、誰かがいた。
・
獅子島 市子
の場合
「……ん?」
視界の端で何かが動いた気がして、
獅子島 市子
はギターを弾く手を止めた。
目をやった先、そこに人影が見えた。でも薄暗いので、顔がよく見えない。
「誰だ?」
「あ、いや……なんていうか、演奏の邪魔してごめんね。別に怪しい者じゃなくて、実はボク、ここで欲しい物を探しててさ。んで、ギターの音が聞こえたから」
「……あんたも、この夢の屋敷に迷い込んだのか?」
「あんたも……ってことは、そっか、どうやら同じ境遇みたいだね」
どこか安心したような口調のあとで、影が近付いてきた。
思わず、そばに置いていた手持ちの行燈を照らす。見えたのは、少年の顔だった。眼鏡をかけていて、なぜかちくわをくわえている。
「あっ、それ……!」
突然声を上げたかと思うと、いきなり少年が駆け寄ってくる。それから、市子が手に持ったギターを見つめてきた。
「やっぱアコギだ……それもすごい良いやつ。あの、このギターって……?」
「……ここに置かれてあったもんだよ。なんとなく、試しに弾いてた」
「そうなの? ボク、実はアコギを探してたんだけど……」
「そーか……。なら、あんたのなんだろう。ほら」
「えっ、いいの?」
「あたしは別にいらないし。あんたが欲しい物なら夢から覚めても枕元にあるはずだ。噂ではそーゆーことになってるんだから」
「うわ、ありがとう」
ギターを受け取ると、少年は本当に嬉しそうな顔をした。
「そんじゃ、あたしは行くから」
「あっ、ちょっと待って」
「なんだよ?」
「せっかく会えたんだし、同行してもいいかな。あなたも何か探してるんでしょ? ギターの音でボクをここに導いてくれたお礼に、手伝うよ」
「……あたしは特に欲しい物があるってわけじゃない」
「じゃあ、適当に探検しようよ。目が覚めるまで退屈でしょ?」
「……」
ずいぶんと社交的で、明るい性格の少年みたいだった。ちくわのせいか、どこかマヌケっぽくも見えるけれど。
「……まあ、別についてくるのは構わんよ」
「ありがと。ボクは、
新井 すばる
。15で、寝子高で1年生やってる」
「あたしは
獅子島 市子
。18で、フリーターだ」
「へえ、3つも年上なんだ。よろしくね、いっちゃん」
「いっちゃん……?」
年上に対する呼び方にしては、いささか馴れ馴れしすぎる。そう思ったが、やめろとは言わなかった。夢の中で他人と喧嘩したって、面倒で無意味だと思ったから。
「よろしく……新井」
「うん。それじゃ、行こっか。朝になって目覚めるまでの探検に」
そう言って、すばるという少年がギターを手に屋根裏を出て行く。市子も行燈を持って、梯子へと歩いた。
「本当に広い屋敷だよね。どれだけ大きいんだろう」
屋根裏から下りて廊下を歩いていると、すばるが言った。
「かなりの規模だろーな。地下もあるようだし。それに普通の部屋だけじゃなくて、座敷牢なんてモンもあったし」
「えっ、座敷牢なんてあるの?」
「あたしが目覚めたのが座敷牢だった。誰を閉じ込めていたのかしんないけど、ずいぶんと窮屈な場所だったよ」
誰がいたのか知りたくて、牢の中にあった書物を調べてみたが、現代に通用する文字じゃなかったので読めやしなかった。
同じような動機で書庫も調べてみたが、こちらも同じだった。たぶん昔のくずし字だと思うが、汚れが目立つせいもあり、解読は相当の知識がない限りは無理だろう。
それでも、なんとか知りたいという思いがあった。超常というものは、時にとんでもない災いを引き起こす。ここは人に幸運を与える屋敷のようだけど、本当にそうなのかはわからないのだ。どこかに危険があるかもしれない。それを探りたい。
もともと、超常なんてのは簡単に信用するべきものじゃないんだ。常に人はそれと一線を引いておくべきで、安易に触れたりするべきものじゃない。
「ねえ、いっちゃん、本当に探したい物、何もないの?」
「……ないよ。さっきそう言っただろ。なんで何度も聞くんだ」
「いや、せっかくこの屋敷に来れたのにもったいないと思ってさ」
「……いーんだよ、あたしは」
本当は、欲しい物があった。それは以前、祖母に貰った着物で、でも祖母が亡くなった後に起きた火事で、家共々焼失した。
赤地に桜樹散華の柄で、本当に美しい着物だった。失った時はショックで、だけどこの屋敷で見つける気はなかった。
たとえ焼けた物でも、この屋敷なら見つけられるかもしれない。でも……もしあったところでそれはもう自分の物じゃない。
あの着物はもう、『この世には存在しない』んだから。
未練がないと言えば嘘になる。だけどないはずの物を見つけるのは、無を有とするのは、やっぱり違うと思う。
だから……だから、あたしはいいんだ。
それから、すばると他愛ない会話をしたりしながら、一緒に屋敷の中を歩いた。
古い家のせいか、どの部屋にも着物がありそうな雰囲気がして。
早く目が覚めてしまえばいいのにと、新しい部屋を見つけるたびに市子はそう思った。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夏のマヨイガ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!