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暗い空に黒煙を吐き、トンネルとは反対の方角へ汽車が走り去る。
(……あの時の方、でしょうか)
遠くなる窓辺で狸寝入りする猩々面の男を見送り、
薄野 五月
はホームの端で一礼する。
「何だか困ったことになったなあ」
言葉の割りにそんなに困ってなさそうな声の主を振り返り、五月は眼鏡の奥の黒い眼を淡く細める。
「出口がないと言われれば少々不安にはなりますが、出口はあると教えて頂きました」
「そうだね、言われたとおりにすれば何とかなりそう?」
マイペースに話しかければ、短い赤髪で背の高いその人は、藍色の眼を明るく和らげてくれた。
「まっすぐ進めば良いだけですね、よし」
「びっくりしたけど……とりあえず、行ってみるしかないんじゃない?」
その人の言葉に力を得て、五月は大きく頷く。暗い森の先に更に暗い口を空けるトンネルへと視線を伸ばし、難しい顔になる。
「何ともおっかない場所へ来てしまいましたねー」
「気持ちを落ち着かせるためには甘いものがいいよ」
神野 マキナ
は手にした紙袋を開け、行きつけのお菓子屋の新作キャラメルを五月の手に乗せる。
「ぼくはこれ買った帰りだったんだ」
「私も用事の帰りでした。これは?」
「しゅわしゅわキャラメルヨーグルト味」
びっくりしたなあ、とあまり怖がる風でもなく言いながら、自分の口にもキャラメルを放り込む。得体の知れない暗い森も、骸骨の落ち武者の出るというトンネルも、怖いと言えば怖かったが、実際のところ、不思議な事件に巻き込まれたことに対する驚きの方が強かった。
「お、割と当たりの味」
「しゅわしゅわします」
口の中で甘酸っぱい泡に変わるキャラメルの味に、二人は小さな笑みを交わし、
「一緒に行く?」
「一人で行くのはそれこそ少々おっかないので、お願いします」
同行者となる。
トンネルへ向かう人々の手にした提灯が赤く揺れる。
黴臭く湿った風に白い髪を好きに遊ばせ、月詠はホームを常と変わらぬクールな視線のままに眺める。
「さて、」
呟いて、鞄の中からメモ帳とスケッチブックを取り出す。月詠の手で一枚一枚魔方陣を描いたメモ紙を何枚か剥がし、取り出しやすいポケットに入れる。スケッチブックは己が絵を表に出して脇に挟む。
トンネル内で襲われた際に使うろっこんの準備をしながら、月詠はちらりと眉を顰める。
(されどろっこんを使う為に接近するのはあまりしたくないところ)
戦わずにトンネルを通れるのなら、それに越したことはない。であるのならば、
(戦闘力高い者と組みたい訳だが)
ホームに集う人々を見遣る。見知った顔も少なからずある。頼りになると月詠が見る者も、見るからに喧嘩慣れしているように見える者も居るが、
(しかし非力な者にこそついてやってほしい)
私はなんとかするから、と思い定める月詠に、
「旅鴉さんも食べるかな?」
マキナがキャラメルを差し出す。
「神野か。頂こう」
顔見知りの文房具屋から受け取ったキャラメルを口に含み、
「……相変わらず妙な味の菓子を所持しているな」
素直な感想を洩らす月詠に、マキナは屈託無く笑う。
「当たり外れがあって冒険的で楽しいよね」
「そのようなものか」
夕日の赤色した眼を瞬かせる月詠の視界の端、提灯の赤い光が映る。
「猩々面の方のお言葉に甘えて提灯をお借りしてきました」
五月が両手にそれぞれ持った提灯を掲げ、光の無い線路を照らす。暗い中を明かりもなしに進むのは流石に心もとない。
マキナは暗闇を見詰める五月の横顔をちらりと見る。
(誰かが先頭立って行けば)
この子も恐る恐るでも続きやすいのではないか。
「いつまでもここにいるわけにもいかないね」
身軽な動作でホームから線路に飛び降りる。凛々しい瞳でトンネルを軽く睨み、柔らかく笑ませた眼でホームに立つ少女二人を仰ぐ。
「ここにずっと居る方が危なそうだ」
手を伸ばし、五月と月詠に向けて線路に下りるよう促す。
「さて、出ようか」
「そうしましょう」
月詠が言い、五月が頷く。
線路に下りた五月から提灯をひとつ受け取り、マキナは先を照らすように提灯を差し伸ばす。線路を辿り、歩き出す。
「君」
「あ、私は薄野五月と申しますー」
「では薄野、これを」
マキナに先導してもらいながら、月詠は魔方陣を描いたメモを数枚、五月に渡す。
「襲い掛かる者があれば、それに触れさせると良い。私がそれを見ていれば封印することが出来るから、触れた事を私に教えてほしい」
トンネルの前で立ち止まるマキナにもメモを渡す。
(落武者、つまり『生きていないもの』)
そうであれば、元生物であっても月詠のろっこんは作用する。己が描いた絵の中に絵として封印することが出来る。
月詠はメモを片手に数枚持ち、もう片手に開いたスケッチブックを盾のように構える。
「突っ切る」
「ぼくも喧嘩に強いわけでもないし、正面切って相手するより振り切った方が早そうだ」
てことで、とマキナは月詠の小柄な体をひょいとお姫様抱っこに抱え上げる。
「旅鴉さんはそのスケッチブック、しっかり持ってて。薄野さん、ぼくから離れないでね」
「では、頼む」
「私、落ち武者さんにお会いするの、初めてですー」
抱き上げられても然程動揺せずに月詠が煉瓦造りのトンネルを見据え、どこまでもマイペースな五月がトンネル内を覗き込む。
提灯二つ分だけの光が、真っ暗闇にぼうやりとした輪を作って揺れる。湿った土と樹と鉄の匂いが地面から立ち昇る。
「あ、落ち武者さん」
不意に、五月が焦るでもなく指を持ち上げる。同行の二人に発見報告をする。揺らぐ提灯の赤い光に、赤錆を血のようにこびり付かせた刀を手にした骸骨の兵が数体、照らし出される。
「おー……」
こちらを襲う気満々な彼らを眺めて、けれど落ち武者と初対面した五月は少々感動する。
「今後お化け屋敷に行くたびに思い出しそうです」
「違いないね」
正面から歩み寄る落ち武者達の虚ろな眼窩を睨み据え、マキナは口にキャラメルを含む。月詠を片腕で抱きかかえ、指を鳴らす。
弧を描く煉瓦の天井にその音が響いた途端、マキナの視界に捉えていた骸骨の兵達が前触れも無く転んだ。
「行くよ」
ろっこんを時間稼ぎに使い、マキナはスケッチブックを構える月詠を抱え直し、駆ける。起き上がろうと落武者がもがく。錆びた刀がマキナの行く手を塞ぐように持ち上がり、――月詠が咄嗟に掲げたスケッチブックの絵に触れる。
瞬間、刀を掴んでいた骸骨の兵は絵の中に吸い込まれて消えた。
「足元にお気をつけて」
五月が走りながら提灯の光を差し伸ばす。光の中、月詠がばら撒くメモ数枚が光の欠片にように散らばる。マキナの首に両腕を掛け、月詠が背後に視線を投げる。月詠の意図を理解して、五月が貰ったメモを足元に撒く。
起き上がり追い縋ろうとした兵の足が、魔方陣の描かれた小さな紙切れを踏みつける。
「旅鴉さん、」
月詠の視線を導こうとして、五月は此方に向けて弓を引く落武者の姿に気付いた。体ごと後ろを振り返る。提灯を落とさないよう脇に挟み、素早く両手を合わせる。
「猩々面の方、ありがとうございます」
感謝の言葉を口にすれば、放たれた矢を防いで、水を販売する自販機が現れた。機体に矢尻が当たり弾かれ、耳障りな金属音が跳ねる。矢を防ぎ、自販機は現れたと同じ唐突に消える。
「もう一回!」
マキナが振り返り指を鳴らす。紙が白く散らばる地面に落武者達が転ぶ。月詠のろっこんの力を受け、メモの魔方陣に封印される。
追手の足音が尽きたことを確かめ、月詠は提灯の光でスケッチブックの絵をちらりと見る。
「……これはこれで、と言ったところかな」
太陽が産声を上げるように鮮やかな朝日の風景を描いた絵に、生に執着する骸の兵が封じられている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月26日
参加申し込みの期限
2014年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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