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夕闇橋のその向こう
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狸寝入りを決め込んでいた猩々面がむっつりと顔を持ち上げる。視線の先には、電車の内外の異変も何のその、窓枠に頭をもたせかけて太平楽に寝入る
伊予 祐
。
「こりゃ、起きんかい」
「……お使いなんか聞いてねーよ全く、人使い荒い上司だぜー……愛車も調子悪くて動かねぇしよ、……あー、仕事疲れた」
声を掛けられても寝言を零すだけの黒髪の青年に、猩々面はのっそりと立ち上がる。祐の頭に無言の手刀をくれる。
「ってうわ! 何だ? え、あんた誰!?」
真っ赤な変な面の男は、寝起き祐の後襟を猫のように掴む。車外にぽいと放り出される。
「事情は外の人に聞き」
「なんだ酔っ払いかよ」
猩々面の酒臭さに祐は蒲公英色した瞳を明るく顰め、――そうして漸く、外の異変に気付いた。
祐は戸口に立つ猩々面を見遣る。悪い酔っ払いではなさそうだ。
(言われたとおりにしてみっか)
「落ち武者って刀とか持ってるのですか」
小さな買い物袋と鞄を提げ、
綾辻 綾花
がホームよりも一段高い位置にある列車の戸口に近寄る。祐を放り出し座席に戻ろうとした猩々面を呼び止める。
「刀も弓もな。精々気ィつけて行き」
着物の肩越しにひらひらと手を振り、男は元の座席に戻る。
「月詠ちゃんとアリーセちゃん……刀ちゃんも。無事で良かったのだ」
瓦屋根の軒から提灯を提げた見たことのない奇妙な駅で、柔らかな栗色の短髪を弾ませ、
後木 真央
は友達を見つけては声を掛ける。
「真央ちゃんは走るとシューが潰れると思って電車を選んだだけなのだ……たった一駅を電車に乗った天誅なのだ!?」
八神 修
を見つけ、元気印な真央は賑やかに頭を抱える。かと思えば不気味に暗い空を仰ぎ、不機嫌に黒煙を洩らす汽車を見上げる。
「現世と隠世か幽界の境だろうとか妖の者の神隠しの類だろうと想像は付くけどな」
無差別広範囲に渡って脳内に納めた知識を検索する修の傍ら、真央はとあるマダムの見舞いのために用意したシュークリーム入りの紙袋を抱きしめてしゃがみこむ。
「潰さないための電車だったのだ、でも今から潰さず移動は無理なのだ」
束の間、小首を傾げるように考えて、跳ねるように立ち上がる。一度は降りた電車に再び飛び乗る。
(生きながら流すのだから隠世か幽界だったかな。冥界なら戻れないだろ)
「真央」
修は脳内の知識の海へ潜らせていた意識を目前に戻す。座席に座ろうとする猩々面の男に躊躇いなく近付く親友の後を追う。
「教えてくれてありがとうなのだ」
真央は屈託ない笑みを満面に浮かべ、猩々面の男の膝に紙袋と小袋入りのカツブシ粉と木天蓼粉を置く。
「おじさんもこれから電車に乗るならおやつぐらい持っていっても良いと思うのだお礼なのだ」
問答無用の勢いに押され、無言で頷く猩々面の男に元気に手を振り、真央は電車を降りる。
真央と入れ替わりに、修は戸口から猩々面の男を見詰める。面を掛けている以外に、見た目は人間と変わらない。
「貴方は」
何者か、と問おうとした修を、男は朱の面の奥から見る。
「わしはお節介で親切なただの通行人や。何ぞ、知りたいんか」
「列車の正体と行き先を。ここが何処かを」
「知ったとこでどないなるもんでもないやろ」
「それでも」
「さてなんだろうなこの世界は」
言い募ろうとした修の傍ら、白く長い髪を揺らし、
旅鴉 月詠
がひょいと車内を覗き込む。
「妖怪や神獣の類がいる世界には違いない」
常と変わらぬマイペースな口調で言いつつ、夕日よりも赤い眼を興味深げに瞬かせ、
「最近世界が歪んでいるからね。こういうこともある」
くすり、どこか妖艶に笑む。
「普段みえないだけで神も妖怪も身近なところにいるものだよ」
知っているだろう、と大人びた瞳に目配せされて、修は物事に動じぬ友人をカラーコンタクトで色を隠した眼で見下ろす。
「さて、それでも詳しく教えてもらいたい気持ちはある。教えてはもらえないか」
「なあ、この電車どこへ行くんや?」
提灯の明かりに赤く照らされるホームから、よく響く声が投げかけられた。ホームに背中を向ける格好で座していた猩々面が面倒くさそうに首を捻る。
「このまま乗ってたら、どこ行くんや?」
茶色に染めた短髪の頭を掻き、
浅沼 柳司
は軽い口調で尋ねる。
「あの世ってやつ? それともあんたみたいなのがたくさんおる所?」
「行きたいんか」
「……別に行きたいわけやないんや!」
猩々面の静かな問いかけに、柳司は慌てて首を横に振る。ふと眼を伏せる。
「ただ、もうお盆やから、会ったこともない死んだ婆ちゃんに会えるんかなと思って」
「今から行くんはそういうとこやない」
酔っ払いは言葉少なに黙り込み、暫くして柳司を見る。
「あないなとこでお前の婆ちゃんには会えれへん。今は元のとこに帰っとき」
戸口に立つ月詠と修を見遣る。
「知りたい言うんは悪いこっちゃないんやろけどな。今見なあかんのはこっちやない。それにそんな時間もあらへん。ほれ、発車のベル」
男がついと指を上げる。途端、駅員の居ない構内にけたたましくベルが鳴り響く。
「わっ」
携帯電話のカメラで周囲を撮ろうとしていた
宮祀 智瑜
が黒の眼を大きく見開く。ケータイを握り締めた両手で、どきどきと震える胸を押さえ、智瑜は目前の汽車を見上げる。
見知らぬ暗い森の中を列車が走っていることに気付いてから、ずっと収まらない胸騒ぎをどうにか収めようと深呼吸する。
此処は、テオが切り分ける世界とも違う、
(常世の国の入り口?)
客車の中、一人きりで座席に着いている猩々面の男の背中に眼を向ける。あの声と語り口に、聞き覚えがあった。
「この前神社で出会いませんでしたか」
男の座す窓の真下から、智瑜は必死の声をあげる。
煤けた硝子越し、男がちらりと振り返る。それを返事と取って、智瑜は深く頭を下げる。
「あの時はありがとうございました!」
朱色の面を小さく傾け、男は何でもないように肩越しに手をひらひらと振る。あの人は何処まで行くのだろう。何処まで行きたいのだろう。あの時のお礼に、私は何かの役に立てないだろうか。
そう願った、瞬間。
ふわり、頭の内に不思議な風景が広がった。
何処までも透き通って青く広がる空と、緩やかに弧を描く地平にまで伸びる緑の草原、所々に群生する色鮮やかな花々、草原の央に聳え立つ森にさえ見える巨木と、――その元にひっそりと立つ、一人の女。
瞬いた途端、心に浮かんだ景色は吹き飛ぶ。
汽車が黒煙を勢いよく吐き出し、重たい軋み音を立てて動き出す。客車の戸口付近に居た月詠と修が慌てて離れる。
ぼうやりと光る汽車の窓の向こう、猩々面の男が此方に背を向け、今度こそ完全な狸寝入りの姿勢に入る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月26日
参加申し込みの期限
2014年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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