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山でレンジャー!
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木々が伸ばした枝が重なって天然の屋根を作り上げた。それでいて薄暗くはなく、光の粒が下草に落ちて淡い輝きを放った。
大気はひんやりとしている。獣道の脇に転がる大小の岩には鮮やかな緑の苔が密集して天然の絨毯を思わせた。
小ぶりの岩に座っていた
新井 すばる
が大きく息を吸い込んだ。
「空気が美味しいね。あ、ボクの弁当も美味しいよ。ちくわが最高だよね」
「新井くんは見晴らしのいいところを主張したよね」
近くの岩に座った
神野 美野梨
がサンドイッチを持った手で指摘した。赤い眼鏡のフレームを指で正して観察するような目付きになった。
「それと新井くん、山にTシャツや短パンの格好でくるのはどうなのかしら。虫よけスプレーを持ってきたから、あとでちゃんと噴霧してね」
美野梨は白い帽子を被って同色の上着にパンツルックという格好をしていた。肌の露出がほとんどない。
「うん、そうさせてもらうよ。あ、それ手作りサンドイッチだよね。ボクのちくわと交換しようよ」
「いいですが、私、料理は得意じゃないからね」
「神野さん、私にも虫よけスプレーを貸して欲しいです」
二人の遣り取りを聞いていた
屋敷野 梢
が控え目な声で言った。
「んー、アルナイルは大丈夫っぽいよね。上は長袖だし、ショートパンツの下はロングソックスだよね」
「いえいえ、新井君。山の脅威はスズメバチだけではありません。私は個人的に蚊の方が苦手なんですよね」
「私も部長と同じで苦手ね。虫よけスプレーは生物部の皆で使えばいいわ」
「ありがとうー。神野さん、出汁巻玉子はいりませんか。肉じゃがもありますよー」
梢は岩から降りて大きめの弁当箱を差し出した。覗き込んだすばるが中身を指差す。
「あ、ボクは出汁巻玉子がいいかな。もちろん、貰うだけじゃないよ」
「ちくわですね」
「先に言わないでよー、アルナイル」
「そんなの誰でもわかりますよ」
美野梨は表情を緩めて聞いていた。
山の奥深いところで三人は楽しい一時を過ごした。
昼食を済ませた三人は一通りの準備を終えた。
「これからが本番ですよー。皆さん、気を引き締めて行きましょう」
こずえは虫捕り網を構えて周囲を見回した。木の種類を見定めているようだった。
「あちらに行ってみましょう」
指を示した方向に歩き出す。美野梨とすばるは横に並んで後に続いた。
少し歩いたところで美野梨が口にした。
「こんな明るい時間に、カブトやクワガタを捕ることができるのかしら」
「ここくらいの山の中なら、カブトやクワガタはいますよー。今回の私の目当てはカブトではなくてクワガタですけどねー」
「アルナイルはどんなクワガタを狙ってるのかな」
すばるの声に梢は歩きながら少し顔を上に向けた。
「そうですねー。ノコギリやミヤマよりは、ネブトクワガタのように可愛い子が好きです。ヒラタやコクワのドルクス属も好きで」
梢は話を途中で切って一本のクヌギに駆け寄った。
「皆さん、この子ですよ。このヨツボシケシキスイも地味に可愛いですよね~。この背中の四つの模様がいいんです!」
美野梨は木肌で動いている一センチ程度の虫に視線を落とした。
「この虫がいるということはカブトムシやクワガタも期待できるわね」
「その通りですよ! ピークは過ぎていますが、期待大ですね。そこで新井君の出番です。このクヌギを思いっきり蹴っちゃってください」
「まー、結果はわからないけど、試しにやってみるか」
すばるはクヌギの前に進み出て、腰の回転を活かした蹴りを幹に叩き込んだ。近くで物が落下したような音が重なって聞こえた。梢と美野梨は素早く動いた。
「やりましたよー。ヒラタクワガタの雌が捕れました! 少し小さいですが。神野さんはどうですか」
美野梨は下草を手で掻き分けるようにして探していた。隅々にまで目を向けていると、地面の近くの草に腹を上に向けて暴れる虫を見つけた。鉄を熱したような赤みが特徴的であった。
「こちらはアカアシクワガタの雄だわ。体長は三センチくらいかしら」
「やりましたね! このくらいの標高でもいるのですね~。情報もまた、収穫の一つとして頭に入れて置きましょう」
梢は袈裟がけにした腰の虫かごに二匹のクワガタを収めた。役目を無事に果たしたすばるは、ほっとした顔で言った。
「うん、収穫があるのはいいことだね」
「出だしは好調です。この調子で行きますよー」
期待に満ちた表情で梢は歩き出した。続く美野梨は注意深く周囲を窺う。
「あ、もしかして」
すばるは道を外れて陽だまりとなった地面に顔を近づけていく。金属のような光沢に赤や緑の色が目に映える。
「ハンミョウを発見!」
「案内人と呼ばれているわね。人の前を飛んで離れては振り返るのよね。どこかに導いてくれるみたいにね」
「その通りだよ、神野さん。ハンミョウを見ると子供の頃を思い出すねぇ」
美野梨は足を止めてすばるの方を見た。話の先を促すような視線を送る。
「ボクが小さい時、父さんに言われたことがあるんだよ。ハンミョウに付いていくと、宝物の場所まで案内してくれるってさ」
「合理的な話ではないわ。夢はあると思うけどね」
「まー、そう言われたら。ん、ハンミョウは?」
すばるは屈んで細かく目を動かした。一歩、二歩と進んでは同じようにして視線を飛ばす。先に行くわよ、と美野梨は声を掛けた。
「くー、見失った……残念っていうか、霧が出てきた?」
薄いピンクの霧が行く手に漂っていた。梢は躊躇うことなく踏み込んで立ち止まる。小動物のような落ち着きのない動きで方々の木に目をやった。
「樹液の出てる木はどれでしょうか。こんな時は鼻を頼りになりますね。息を深く吸い込んで……うーん……レ、レンジャー!」
梢は虫捕り網を両手に握る。親の仇を探すかのような目で声を上げた。
「クヌギの巨木はどこですか! ヒラタ、ヒラタクワガタは速やかに出てくるのです!」
「あのー、アルナイル?」
すばるの声が聞こえていないのか。梢は下草を蹴散らして歩いた。
「レンジャー!」
言葉が感染したかのように美野梨が叫んだ。
「どうしたの、神野さんまで。あ、もしかしてキレンジャク?」
「キレンジャクよりもカブトよ。新井君、急いで」
美野梨は木々の密集した場所に足を速めた。すばるが走って向かうと、待って、と声を出した。
「スズメバチの羽音がするわ。新井君、ちくわになるのよ」
「え、被り物は持ってきてるけど、今ここで?」
早く、と美野梨は白い帽子を深めに被った。すばるは大人しく背中の荷物を下ろすとロール状の物を広げて頭から被った。
美野梨は大きなクヌギの近くにいて様子を窺うような格好で待機していた。ちくわの格好をしたすばるが加わった。
「カブトムシがいるね。あれはノコギリクワガタ。青い翅はオオムラサキだね」
「スズメバチもいるわ」
「六センチ越えのヒラタクワガタはどこですか!」
いつの間にか側にいた梢の大きな声に反応してスズメバチが飛んだ。重低音を響かせて三人の方に近づいてきた。
「二人ともしゃがんで」
すばるは両手を広げて二人を地面に押し倒した。俯せになった三人の頭上を重々しい羽音が旋回して、どこかへと飛び去っていった。
「行ったみたいだね。あ、ハンミョウ」
すばるの声を受けて梢が虫取り網を被せた。
「宝物はヒラタクワガタの六センチで!」
「網の中に黒い虫がいるわよ」
美野梨の指摘で三人は網に顔を寄せた。クワガタのように見える。
「確かめましょう!」
梢は四つん這いの姿勢で網を持ち上げた。好機とばかりにハンミョウが飛び出した。残った一匹に三人の目が集まる。
「大きなコクワガタなのかな」
「お、おお」
梢が上ずった声を出した。美野梨は眼鏡の位置を何度も正して、おお、と震えるような声を絞り出す。
「あのー、どうしたの二人とも?」
「オオコクワガタじゃないですか!」
「オオコクワガタよ!」
梢と美野梨は互いの両手を握って喜んだ。自然界で稀に見つかる希少種でオオクワガタとコクワガタの特徴を兼ね揃えていた。
生物部の代表として梢が震える指先で虫かごに収めた。その雄々しい姿を改めて見つめると、収まり掛けた興奮が沸々と戻ってくる。
「大顎の形はオオクワガタに似てますね!」
「開き具合はコクワガタのものだわ!」
「ええ、そうですね! 体長六センチはありますよ、神野さん!」
「生物部の宝だわ、屋敷野さん!」
二人の目の輝きが尋常ではない。すばるは控え目に口を挟んだ。
「ハンミョウがくれた宝物だね」
「生物部の宝です!」
「生物部の宝だわ!」
梢と美野梨は再び手を握る。すばるも強引に仲間に入れられ、輪になった状態で回り始めた。
スキップや足を上げる仕草で踊っているようにも見える。三人は山の中で歓喜の声を上げた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
動物・自然
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月19日
参加申し込みの期限
2014年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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