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眠れない夜に
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唇から息が洩れて、息をしていることに思い至って、
大天使 天吏
は目覚めたことに気付く。
空調が鈍い音を立てている。眠りに落ちて、然程時間は経ていないのだろう。
身を起こす。
一人暮らしのマンションの暗い部屋に動いているのは、当然のことながら自分ひとり。
頬に触れる緩く波打つ金の髪を耳に掛ける。ぼんやりと瞬く。
枕元に置いたスマフォを取る。電源を入れた途端、人工の眩しい光に色素の薄い灰の眼を射られた。柔和な瞳が不快に歪む。
画面が示す夜明け前の時間を確かめ、睡魔に飛び去られた身体をベッドから滑り落とす。無言のまま、カーテンの向こうの夜を見詰める。
山にでも出かけようか。
人間の居ない夜の森で鳥と過ごそうか。
考えて、華奢な首をそっと横に振る。
(彼らが寝ているのを邪魔する権利など私にはない、から)
スマフォに灯っていた光が消える。ひとりきりの部屋が再び夜の暗闇に沈む。
溜息を吐くに似て、空調の電源が自動タイマーによって切れる。
(……そうだわ)
もう一度、スマフォを起動させる。瞳に何の感情も閃かせぬまま、光る画面を操作する。ふわり、体重を感じさせずに立ち上がる。
夜風に当たる身支度をする天吏の傍ら、スマフォに起動させた星座早見盤のアプリが白い光を放つ。
(夜にいる鳥、見に行こう)
息苦しさが胸にまで及んで、
霧島 有祈
は細身の体を起こす。寝乱れた髪を片手で掻きあげる。部屋に留まる夜の闇よりも深く黒い眼を顰め、胸に重く蹲る息を吐き出す。
己が吐息の思いがけないほどの熱に、白い頬に不快気な力が籠もる。
酷く、不愉快な夢を見た。
鎮まらぬ息苦しさに蒼白い瞼を閉ざして、瞬間、悪夢の残滓が瞼の裏を過ぎた。
胸の奥から吐き気が競り上がる。
(……違う)
胸を焼く吐き気に思えて、これは違う。細長い指で唇を押さえ、有祈は瞼をこじ開ける。
粘膜を溶かす酸に似た、嫌悪感。
どんな夢を見たのかももう思い出せないその癖、胸の悪くなる思いだけが容赦なく襲いかかって来る。
唇を押さえ、背中を丸め、身の内を焼きながら込み上げる嫌悪感を抑え込む。
額を汚す汗が冷たくなるまま、息を繰り返す。気持ちを紛らわそうと時計を見遣る。いつもの起床時間よりもかなり早い。
(あいつもまだ寝ているだろう)
そう思って、あの犬のような従者を思った途端、ふと引き結んだ唇が緩んだ。
思いがけず唇に浮かぶ笑みを怪訝に思うて、静かに瞬く。そうして、胸に澱んでいた息苦しさと嫌悪感が漸く去ったことに、顔色ひとつ変えず安堵する。
心身に安定を取り戻す。それでも、再度眠りに就けば悪夢の続きを見てしまう気がしてベッドから降りる。素足を冷たい床に付ける。
身を鎧に固めるように、スーツを纏う。
物音をほとんど立てずに身支度を整え、誰にも見つからぬよう、マンションを脱け出す。
血に濡れた手が空を掻く。
友人の名を、私は呼んだのだろうか。
地を蹴る。
黒依 アリーセ
は転がるように倒れた友人の傍に駆け寄る。
自身の血に治癒の力を宿すべく、願いを込めて歌おうと唇を開いて、――歌えなかった。声が出なかった。
友人が傷の痛みに喘ぐ。血に汚れた指先が地面を掻く。
アリーセは手を伸ばす。血と泥に汚れるのも構わず友人の左手を握る。友人に呼びかけて、けれどそれも声にならない。
必死に開く唇から洩れるのは、喉を滑る息ばかり。声にならない声が、ひゅう、と唇を掠めて落ちる。
握り締めた手から急速に温もりが引いていく。
友人の命が溢れ出す血と共に失われてしまう。
ろっこんを発動させることができない。
歌うことも、友人の名を呼ぶことすらも、出来ない。
私は、何も出来ない。
友人の名を叫ぶ。喉が痛むほどに声を振り絞る。
声が、出ない。
叫んで叫んで、それでも吐息しか出てこない己に絶望する。
どれだけ泣いても友人の傷を癒すことは出来ないのに、涙だけが声の代わりに溢れる。頬が冷たく濡れる。
冷たい頬に、僅かな温もりが触れた。友人の右手が、頬を流れる涙を堰きとめてくれる。友人の細い指先が睫毛に触れる。視界を歪ませる涙を拭い去ってくれる。
光を消しつつある友人の瞳に、長い黒髪を乱し、空色の眼を涙で歪ませた己が映る。
友人の瞳が淡く微笑む。友人の掌が頬を撫で、力を失う。涙の雫を止めてくれた友人の手が、血に染まった地面に落ちる。
叫ぶ。
叫んでも叫んでも、けれど決して声には成らない。
ひゅ、と喉が鳴った。
空色の眼が暗い天井を映して見開く。開いた眦から涙が幾筋も零れて落ちる。
声を出すには勇気が要った。
「……朝?」
掠れてはいるものの、声は、出る。
声が出ることに、夢が夢であったことに、安堵の息を吐いて起き上がる。
いつもの私のベッド。
いつもの私の紺色パジャマ。
飾り気のないパジャマの袖で、涙に濡れた眼を拭う。黒い睫毛に縁取られた青く大きな瞳が幾度か瞬く。カーテンの向こうを占める夜の気配に、小さく息を吐く。
朝はまだ遠いのに、すっかり眼が覚めてしまった。
(寝れそうにないし、久しぶりに行ってみようかしら?)
「ぬあぁぁっ!」
夜の桜花寮の一室に
八城 昌也
の悲鳴が響く。
「わっ、あッ、うわっ?!」
身体にしがみ付く何かを追い払うように暗闇に両腕を振り回して跳ね起きた途端、ベッドから落ちた。
冷たい床に頭から落ちて、寝覚めは最悪。
不自然な格好で床に肩と額を押し付けたまま、昌也は肩で荒く息を繰り返す。
(嫌な夢をみちゃったよ……)
ベッドに残った下半身を引き摺り落とす。寝癖のついた茶髪を片手でがしがしと掻き毟る。身体中に重く圧し掛かる憂鬱な気分と、ついでに夢の中にまで出てきた苦手な姉と妹を追い払おうと、頭を激しく左右に振る。
(夢の中でまで俺をからかうことないじゃんかよー……)
鬱々とした気分は、でも、大きく息を吐いて追い出す。両の頬を両手で叩いて、身軽に立ち上がる。
ぐるりを見回せば、部屋の中はまだ暗い。カーテン越しの外も、まだまだ暗い。変な時間に起きちゃったな~、と昌也は軽い調子で腰に手をやる。
ちらりと首を傾げて、
「このままもう一回眠れるような気分じゃないし、」
自分で自分を茶化すように笑う。
「外の空気でも吸ってくるか~」
寮の皆を起こしちゃ悪いし、ゆっくり出て行かないとねぇ。
歌うような調子で言いながら、枕元に置いていた携帯電話だけをポケットに入れて、こっそりと部屋を出る。非常口を示す緑の光が灯るだけの暗い廊下を足音潜めて通り抜ける。
(せっかくだし、海の風でも感じてこようかな?)
そう思いつけば、ふわり、憂鬱だった心が軽くなった。そうしよう、と一人頷く。
(寝子ヶ浜海浜公園まで行けば散歩としても良い感じじゃん?)
ポケットに入れた携帯電話を確かめる。時々開いていることのある非常口のドアノブに手を掛ければ、
(よっし、)
今日は鍵が開いている。
なるべく音を立てないよう、重たい非常ドアを開ける。ひんやりとした夜明け前の外気が頬を撫でる。東の空はまだ真っ暗なものの、携帯電話の時計が示すのは、朝に近い時間。歩いているうちにきっと朝がやってくる。
桜花寮の外に出る。寮の側を流れる桜川から、いつもなら蝉の声や生活音に紛れてほどんど聞こえない、涼しげなせせらぎが聞こえてくる。
夏の夜明け前の、少し湿った空気を胸に満たす。
川音を背に、寮の前の道路に出る。夏の星空に、携帯のカメラを向ける。携帯のカメラ性能で上手く撮れるかどうかは分からないけれど、夜の夏空を一枚撮って、朝を目指して散歩を始める。
「お?」
赤点滅の信号機の前で昌也は立ち止まる。車の通らない道の真中、白猫が尻尾をしゃなり揺らして歩いている。
「猫ちゃんも早起きだねぇ」
泣き黒子のある眼を明るく笑ませ、昌也はその場にしゃがみこむ。そっと手を出せば、白猫は青い眼でちらりと流し目をくれた。
「これからお仕事ですか?」
丁寧な口調で話しかける昌也に、お愛想のように近付く。差し出された掌に艶やかな白の毛皮の身体を押し付け、素知らぬ顔で夜明けの町に去ってゆく。
「お疲れ様で~す」
ゆらゆら揺れる猫の尻尾に手を振って、立ち上がる。ぐーっと空に向けて伸びをして、くすり、笑みを零す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月28日
参加申し込みの期限
2014年05月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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