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◆
初めて上がった女性の部屋。
ジニー・劉
は、ついじろじろと見回してしまう。
(……女の部屋って感じだな。当たり前だけど)
さて一方、部屋の主である
鹿嶋 洋美
はといえば。
(部屋の掃除はちゃんとしたから、変なものはないよね、うん……何だか緊張するなぁ)
思えば、この部屋に誰かを呼んだのははじめてな気がする。緊張してしまうのは、そのせいだろうか。
「……なぁ」
部屋を見回していた劉の視線が、すっと洋美に向けられる。
「どうかしました?」
「誕生日って言ってたけど、お前何歳になるんだ。改まって聞くのも変だけど」
多分自分よりは年下だろう、と思っていた劉だが――
「年齢ですか? 二十五歳になります」
年下は年下でも、思ったよりもずっと近い年下で内心少し驚いた。
そういえば、と洋美。
「劉さんの年齢って、聞いたことない気がします」
「……わざわざ教えるようなことでもないしな」
――知り合って、まだほんの数ヶ月。お互い知らない事は、まだまだ沢山ある。
でも、と洋美はのんびりとした笑顔を浮かべる。
「もっと長く付き合ってる気がしてました。何だか不思議ですよね」
何と返せばいいかわからず、誤魔化すように次の煙草に火をつける。元々チェーンスモーカーだが、今日は一段とペースが早い。
(ああくそ、うまく会話できねえ)
七夕の一件から、どうしても意識してしまう。
「ケーキとコーヒー、用意しますね」
「あ、ああ」
こんなちょっとした返答も、ぎこちなくなってしまって。
(……劉さん様子が変?)
ケーキとコーヒーを用意しながら、そんな考えを巡らせる。それは、決して間違いではないのだが。
「はい、どうぞ」
小皿に乗った苺のショートケーキと、マグに注がれたコーヒーを差し出す。
うちは誕生日と言えばこれです、と洋美は笑った。
受け取ったケーキを食べながら、劉は思考をぐるぐると巡らせる。
(てゆーか、女が男を部屋に上げるってそーゆー……)
何馬鹿なことを考えているのか、自分は。
脱童貞のチャンス? ――いい加減にしろ。そんなことを考えているから童貞なんだ。
――越えたいのか、一線を?
(俺と洋美は、そんなんじゃ……)
心に去来するのは、七夕の夜の出来事。
あれは夢だと言い聞かせる。それでも、あの時噛んだうなじに目が行ってしまうのは止められない。
やがて、ちらちらと走らせていた視線が。
(――え)
そこに歯型を見つけてしまった。どれだけ自分に言い聞かせても、決して消えないあの日の痕跡。
(嘘だろ……夢じゃなかったのかよアレ)
劉はひどく狼狽し、ケーキを食べながら非常に険しい表情をしてしまっていることにも気付かない。
しかし当然、それは洋美からは見えているわけで。
劉の様子がおかしいのはどうしてだろう、とマグの中のコーヒーをくるくるとかきませながら考える。
(変といえば……七夕の頃からかな?)
七夕の、雲を抜けて空を見たあの晩から。あの日から、劉の様子はおかし――
ピタッ、と。洋美の手の動きが止まる。
今の状況を整理してみよう。
――今日は洋美の誕生日。
――ここは洋美の自室。
――目の前に居るのは。あの日、自分を好きだと言ってくれた男性。
――そして、二人っきり。
……………………。
……流石の洋美も、気付かないわけにはいかなかった。
(……ま、まぁ変に意識して、ギクシャクするのも悪いからね、うん)
努めて平静を装いながら、ケーキを口に運ぶ洋美。
(……でもそうか、まだ数ヶ月かぁ)
まさか自分に、しかもほんの数ヶ月でそういう人ができるとは思ってもみなかった。
――母が大事な人と出会ったこの島に来たら、何か変わるかも。
そんな風に漠然と思っていたが、本当にそうなるとは。
(……いつか、お母さんに教えてあげたいな)
「……おい」
劉の声に、洋美の思考は中断された。
「なんですか?」
見ると、彼の手にはバンドエイド。――バンドエイド?
「怪我してるぞ」
言うが早いか、うなじにぺたり。
「あ、ありがとうございます?」
きょとんとした顔で、お礼を言う洋美。
しかし実際にそこにあるのは、怪我ではなくあの日の名残り。
自分がつけた噛み痕を、他の奴に見せたくなくて。独り占めしたくて。
劉がついた、小さな嘘。
嗚呼、そんな些細な事すら独占したいのなら。
越えてしまえれば、いいのに。
プレゼントがあるが、その前に連れて行きたい場所があると劉。
向かった先は、この間行った九夜山の麓。
一面に広がるのは、大地を埋め尽くす鮮やかな黄色の花弁。――そう、ひまわり畑だ。
夏の青空とのコントラストが、目に鮮やか。
「わぁ……!」
目の前に広がる光景に、心奪われ笑みをこぼす洋美。その様子に劉は満足げに、
「綺麗だろ。お前に見せたかったんだ」
そう言って、笑った。
「劉さん、今日初めて笑ってくれましたね!」
不意の言葉に、面食らう劉。
「そ、そう……か?」
「はい。ずっと、難しそうな顔してました」
自分がくだらないことを考えていたばっかりにと思ってしまった劉は、
「誕生日なのに、悪かったな」
と済まなさそうに。しかし、洋美も原因はわかってはいたわけで。「私の方こそ」と、劉からすると何の事だかではあるものの謝罪。
そして、あどけなく笑う。
「でもよかったです、こうして劉さんの笑顔が見られて」
そんな彼女を見て、劉は自然と笑いがこみ上げてくるのを感じた。
それに抗うことなく、笑って。いつかのようにつられて笑い出した彼女を見て、また笑う。
「……やっぱお前、すげーな」
ひとしきり笑った後、劉はプレゼントを取り出した。
片羽の蝶のペンダント。
「綺麗……あれ、でも羽は片方だけなんですねこの蝶」
不思議そうに首を傾げる洋美に、劉はもう一つの片羽の蝶のペンダントを取り出してみせた。
「俺のと合わせて一羽の蝶になる、ペアアクセだ」
後ろに回り、洋美にペンダントをかけてやる。
しばらくペンダントをじっと見つめていた洋美は、やがて劉の方へと振り向いて。
「凄く嬉しいです! 大事にします、本当にありがとう」
陽だまりのような笑みを浮かべた。
その耳元に、囁くように。
祝弥生日快楽――誕生日おめでとう、と。
比翼の蝶か、それともあくまで蜘蛛と蝶か。
二人がそのどちらだとしても、きっとそんなに違いはない。
こうして、同じ陽だまりの中に居るのだから。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月22日
参加申し込みの期限
2014年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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