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7月の★ハッピーバースデー
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◆
「今日は招待ありがとう、誕生日おめでとう」
そう言って、
御剣 刀
は花束を差し出した。
差し出した相手は、マリンブルーのパーティードレスに身を包んだブリジット。今日は彼女の自宅で、七月生まれの人を集めたホームパーティーなのだ。
くすっと笑って、それを受け取る。
「あら、花束を持ってくるなんて気が利いてるじゃない」
「俺だって手土産くらいは考えるさ」
バイト先で、ケーキとコーヒーも買ってきたし。
「御剣さん、お……はよう」
かけられた声に振り向いた先には、
弘明寺 能美子
。薄紫のシンプルなワンピースにショールを合わせた、落ち着いた出で立ちだ。
「おう、弘明寺おはよう。弘明寺も誕生日七月なのか?」
「違うんだけど、ブリジットさんに声かけてもらったから」
「人は少ないより、多い方が楽しいじゃない?」
ブリジットの言葉に、確かにと頷く刀。パーティーはにぎやかな方が、きっと楽しい。
「そういえば、他誰が来るって聞いてなかったな。俺と弘明寺だけなのか?」
「あとは冬華も来るはずだけど――」
うわさをすればなんとやら、と言うやつか。
「ごめんなさい、遅くなってしまいました」
ちょうどその時、
北条 冬華
がやってきた。
着ているのは、身体の線が出る薄手のワンピースと可愛らしいリボン。冬華は発育が良いために、ワンピースはなかなかけしからんことになっている。
「いらっしゃい。刀もさっき来たばかりだし、気にしなくていいわよ」
(また、冬華は際どいの着てきたわね。刀の鼻の下がまた伸びるわよ)
言いつつそんなことを考えてしまうブリジット。あれで本人は無自覚のようだから、侮れない。
「北条も七月生まれなのか。誕生日おめでとう」
「ありがとうございます、刀さん」
お礼を言う冬華の胸が、微かに揺れて。
案の定というか健全な高校生男子にとっては不可抗力というか、刀の視線は冬華の胸に吸い寄せられてしまう。
能美子の目が、それに連動するように一瞬冷ややかになった。むべなるかな、むっつりポイントマイナス一だ。
まあ、それはそれとして。主役の皆が全員揃ったのだし、一つ言わなければならないことがある。
三人の方を見て、
「皆……誕生日、おめで、とう」
後半声のボリュームが小さくなって、ぎこちなくなってしまったけれど、ちゃんと言うことができた。
ブリジットが、そんな彼女に笑いかけ。
「ふふ、ありがと能美子。じゃ、始めましょうか」
ブリジット宅のテラスの中央にはバーベキューグリルが鎮座ましましていた。傍らには、肉と野菜が山盛りされたお皿と調理器具や油の置かれた皿。
「まずは、テラスで皆でバーベキューよ」
「おお……豪盛だな」
大食らいの刀の目が微かに輝く横で、能美子はちょっと思案気な表情に。
(ちょっと汚れちゃうかもしれないわね……どうせワンシーズンしか着ないしいいか)
そんな自分のはともかく、ブリジットのパーティドレスは――と思ったのが、伝わったのかどうかはわからないが。
「大丈夫よ、焼く人として呼んだ――なんて言わないけど、それでも焼くのは刀にやってもらうわ」
「えっ俺か」
自分を指差す刀に、
「こういうのは男の役割でしょ」
とブリジット。
「刀さんが焼いてくれるんですか?」
若干見上げるようにして、冬華。
実際のところ、刀としても多少汚れるくらいは気にならないし、別段拒否する理由もない。
「わかった。じゃあ焼くのは俺がやるよ」
「なら手伝うわ」
「悪いな弘明寺、ありがとう」
「……きょ、今日の主役は皆だし。それくらいはね」
後半は、小声でごにょごにょ。いざ口に出そうとするとこうなってしまう自分に、ちょっと歯噛みしたり。
でも、聞こえてはいたのか刀は「ありがとな」とそれに返すと、ブリジットの方を向いて、
「これ、火着けてもらってあるみたいだけどもう焼いてって大丈夫か?」
「大丈夫だと思うわ」
「じゃあ早速……っとその前に」
ハケを使って、網にサラダ油をササッと塗っていく。
「何してるの?」
隣で眺める能美子に、刀が説明する。
「こうやってサッとサラダ油とか塗っておくと、食材が網にくっつきにくくなるんだ」
「へー……知らなかったわ」
これで良いかなとハケを戻し、刀は肉を焼き始める。手伝うと言った手前、能美子も野菜を網に並べていく。
ジューっという食欲をそそる音、それから匂いがテラスに広がる。
「匂いと音で、お腹減ってきちゃいますね。あ、そうだ。ブリジットさん、氷貰いますね」
冬華はコップに氷を入れると、買ってきてあったソーダを注いで配っていく。
「はい、弘明寺さんもどうぞ」
「あ、ありがと」
受け取る能美子の顔を少し見つめる冬華。
「そういえば、何度かお目にかかったけど、こうして喋るのははじめてですね」
「言われてみれば……確かにそうね」
なにせ寝子高は結構規模が大きい。学年が同じでも、学科が違えばそれだけで接点は割りと薄くなりかねない。
お互い、これをきっかけに仲良くなれれば――と思う。
(それにしても……北条さん、サイズは私より大きいわね)
服の上から尚存在を主張する冬華の胸に、悲しいかな自然と目が行ってしまう。高身長で細身の能美子とは、別ベクトルのスタイルの良さ。
ちらっと視線をブリジットの方に走らせる。あちらはあちらで、外国人のオーラがあって。
(むむ……)
そういうことが気になってしまうのは、元モデルだからだろうか。
「どうしました?」
どうやら表情に出ていたらしく、冬華が不思議そうな顔をする。こんな話してもいいいのかと思いつつも、つい訊いてしまった。
「えっ? 何を食べたらそんなに……?」
うーんと冬華が考えていると、
「あら、能美子も気になるのねそういうの」
ブリジットが、少し面白そうに。
「そ、そういうわけじゃないわよ」
「ふうん? でも冬華もスタイル良いものね。さっき刀鼻の下伸ばしてたし」
「う、うーん。特に変わったものは食べてませんし……。マッサージでしょうか?」
女三人寄ればなんとやら、というやつだろうか。あるいは、スタイルは女性の永遠の話題ということか。
そんな女性陣の会話は、刀の耳にも届いてはいて。
(……ガールズトークってやつなのかなあ、これ)
なんでバーベキュー焼きながらそんなの聞いているんだろう、俺。
とりあえず、焼いてる音で聞こえないふりをしながら肉と野菜を焼き続ける。こんな時、男一人というのはなかなか辛い。
一人くらい、同性の友人を捕まえてきてもよかったのかもしれない。
あと鼻の下は不可抗力、イッツァ不可抗力。ともかく、いつまでも女性陣話しっぱなしというわけにもいかない。
そろそろ、いい頃になってきたし。
「おーい、大分焼けてきたぞ」
「あ、ごめんなさい手伝うって言ったのに」
「いいよいいよ。あ、でも皿を持ってきてもらえると助かる」
「わかったわ」
能美子と刀の間で、お皿のリレー。いい具合に焼き色のついた肉と野菜が、お皿の上で湯気を立てる。
「なかなか焼くの上手いじゃない」
「とりあえず見た目だけはな。ソースあるか?」
「刀さん、どうぞ」
「おうサンキュ」
「御剣さん、次、もう焼き始めちゃう?」
「火しっかり通さないとマズいやつは……いや、そんなに早くは食えないし焦げるか」
やいのやいのとやりつつ、皆の分の皿が揃ったのを確認すると、ブリジットがソーダの入ったコップを掲げる。
「それじゃあ、今日は特に誰かのってわけじゃないけど――七月生まれにおめでとう、ってことで乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
さて、肝心のバーベキューだが――これがなかなかどうして、よくできていた。
「お肉の焼き加減、ちょうどいいですね」
「あらホント。刀、あなたこういうの得意なの?」
「たまたまだよ、たまたま」
別段そういうのが得意とか、経験豊富とかいうわけではない。あるいは、大食らい故のカンのようなものなのか。
「まあでも、これでますます刀に焼いてもらわないといけなくなったわね」
やっぱりそうなるのか、と刀は頬をかいた。そんなやりとりを聞きつつ、
(……これ、もしかして私手伝わない方が良い?)
なんてことを考えてしまう能美子。あんまり料理したことないし……いやでも、今日の主役の一人である刀ばかりにやらせるのは申し訳ないし。
そう考えていると、元々鋭い眼光が一層鋭くなって。
「弘明寺さん、どうかしました?」
そんな彼女に、冬華が声をかける。
「えっ、あ、なんでもないのよ」
「ならいいんですけど。でも、弘明寺さんせっかく美人なんですから、険しい顔なんてしてると勿体ないですよ」
そう言って微笑む冬華に、能美子は少し面食らう。
面と向かって臆面もなくそういうことを言われると、流石に恥ずかしいというか照れるというか。
「……あ、ありがとう」
小声になってしまわないように気を付けて、能美子は言うのだった。
バーベキューが終わったら、今度は3D映画の鑑賞会。
勿論ブリジット宅のテレビで、だ。
無駄に――少なくとも、家庭に置く分にはそこまで必要ないだろうというくらい――大きな3D対応の液晶テレビ。
「どうせなら、派手なアドベンチャー物にしましょう」
ブリジットが選んだのは、とある考古学者が古代の遺物を巡って大冒険を繰り広げる映画シリーズの最新作。
大画面と3Dの相乗効果で、きっと迫力満点の絵を展開してくれるに違いない。
「刀の持ってきたケーキ、見ながら食べましょ」
「ああ、そうだなそうしよう」
そのやりとりを聞いて、能美子がならこれも一緒にある物を持ちだした。
桐の箱に入った桃である。
「これ、人数分持ってきたの」
「わ、とてもいい香りがしますね」
「なあ、これめちゃくちゃ高いやつじゃないのか……?」
ごくりとつばを飲み込む刀。
「メイドに手配させたから、正確な値段は知らないけど……」
ちなみに、高いものだと余裕で一万いくらに達する。安くても数千円はするので、どっちみちそうそう気軽に買えるものではない。
なお、メイドさんが用意したのは高い方なのは言うまでもない。
さておき、刀のケーキと能美子の桃。それから――
「ピザのないパーティーなんて、あり得ないもの」
というブリジットにより用意されたピザをお供に、四人は3D映画を鑑賞する。
早速、嵐に揺れる船上でのアクションシーンが迫力満点に繰り広げられる。
「へえ、これが3D映画ですか。はじめてみますね」
感心した様子の冬華。
「北条さんはあまりこういうのは見ないの?」
「はい。こういうのはあんまり」
「確かに、アドベンチャー物とか見るタイプじゃなさそうよね」
イメージだけで言えば、ハートフルな動物ものとかの方が好きそうだ。
「迫力があるな~」
画面を食い入るように見ていた刀は、登場人物が画面に向かってナイフを投げるシーンで思わずのけぞって。
「これ凄いな!?」
「刀も3D映画は初めて?」
「見よう見ようと思っても、気がついたら上映終わってることが多くてさ――うおっ!?」
3Dで押し寄せる映像の迫力に、ひたすら圧倒される。
アクションシーンが一段落するまで、ケーキや桃やピザに、意識を向けるタイミングはなかなかなかった。
やがて、映画も見終わった頃。
映画の余韻にひたる中、刀がポツリと口を開いた。
「……誕生日ってさ」
三人が、不思議そうな顔で刀の方へ向ける。それに気付いているのかいないのか、神妙な顔で刀は続ける。
「歳を経る事への祝いだったり、生まれてきてくれて今まで生きてくれてありがとうって感謝をする日だったりするんだよな」
「まあ、それはそうねえ。でも急にどうしたのよ刀」
だからさ、
「俺はアーチャーや北条、弘明寺達に出会えた事に感謝を。ありがとう」
その言葉に、
「こちらこそ、ありがとうございます」
冬華は柔らかく笑い、
「み、御剣さんにあらたまってそういうこと言われると……その、反応に困るわね」
能美子は常に不機嫌そうな目つきを、戸惑いで険しくしながらごにょごにょ。
そしてブリジットが、
「あらありがと。でもそういうことは、もっと違う人に言ってあげるべきじゃない?」
どこかからかうように笑ったのだった。
――パーティーも終わり、帰り道。
刀は、さっき言わなかった言葉を思い出していた。
(誕生日は、自分を生んでくれた親に感謝をする日でもあるんだよな)
自然、思い浮かぶのは実家の両親。
(折り合いがつかないだけで、嫌いなわけじゃないんだよな)
ごそごそとポケットを探って、携帯を取り出す。
こんな時くらい、メールの一つも送ろう。
『俺を生んでくれてありがとう』と、伝えるために。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
誕生月の一時、いかがでしたでしょうか。
大切な思い出の一つとなったのなら、幸いです。
本シナリオに参加して頂きました、全てのプレイヤーさんとキャラクターさんに感謝を。
そして、七月生まれの皆さんにハッピーバースデー!
それでは、失礼致します。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月22日
参加申し込みの期限
2014年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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