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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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むかしむかしあるところに ～お姫様の願い事～
【結末】
その場に倒れこんだ狂騎士を警戒しつつ、黒依 アリーセは尾鎌 蛇那伊の切り刻まれていた手甲から滲み出す手を治していた。
「こんなの舐めておけば治るわよ～」
「こんな世界の怪我です。どれだけ病原菌が残るか分かりません！」
ブレスレットは粉々に破壊された。狂騎士──フィナンは倒れ、意識が戻らない。
しかし、周囲の用心を集めながら、アリーセは、親指の皮を噛み切り貫かれた手首に向かって差し出した。
「全ての魔女が、人を惑わすなんて思わないで下さい…ね？」
過去、現代の魔女の歴史には、否この世界においても、薬草を煎じ人の役に立つ為に自然の力を行使する存在も、魔女と呼ばれた。
魔女狩りの全盛期を越え、それでも生き延びる事の出来た。例えろっこんが無かろうとも“人を癒すその血筋”を誇りに思う。
しかし、彼を助ける事への心苦しさが消えない。どこからくるのだろう。
しかしそれについて、悩んでいる時間も無い。
見えぬ糸 手繰り寄せ 暗い道 進みゆく
その先で 待っている 人がいる そう信じ
振り払え災い 秘めた愛を信じて 強い想いが剣 黒い鎖を断つ
泣かないで想い人よ きっと生きて戻るから
零れ落ちる涙は 宝石に変えてみせる
二人の想い 繋いだ Ｂｒａｃｅｌｅｔ
二人の進む 未来に Ｂｌｅｓｓ ｙｏｕ
ハイトーンの透き通った歌声。これが彼女のろっこん“セイレーンの血”歌を歌っている間、自分の血液に治癒の力を授かるものだ。
数滴の血が彼の左腕を見る間に治していく。
「……ここ、は……城下町、か」
フィナンがゆっくりと瞳を開ける。
夜明けに差し込む朝焼けの光に、八神 修はほっとした様に声を掛けた。
「無事ですか」
「………被害は」
「仲間が、……二人………」
「本当に…済まなかった」
修の言葉に、立ち上がり、ただひたすらに謝罪を繰り返すフィナン。
「お前がどれだけ悔いて反省しても殺した人達は生き返らない。
生きて償うか、俺に斬り殺されるか、選べよ」
仲間を殺された、その中にあって、否、その中だからこそ無感情に響き渡る御剣 刀の声。
「──その必要は、ありません」
その言葉に。
いつ鳴子は鳴ったのだろう。そこには一人の少女が立っていた。
フード帽は既に脱げ落ち、長いウェーブの入った金の髪が広がる。
そして、刀からフィナンを守る様に間に割り込む様にその場に立った。
──通った鼻筋、エメラルドグリーンの瞳。
「そこの貴方……魔女は、一瞬“揺らいだ”彼の心をきっかけにして、本来の魔法を発動させました。きっかけと魔法は別物なのです。
魔女にとって発現させる為の心の隙は……呪いを発動させる種を植える苗床の様な物。植えられてしまった種と苗床に因果関係はありません。
恋心などで揺れる思いと、兵士と王国関連者ではなく、街の住人達を殺し続けた事に何の因果関係も無いように」
静かな声音で修に告げる少女。
そして、それだけ告げると少女──王女は、その視線をブレスレットが破壊されたフィナンの元へと向けた。
刀が向ける冷徹な瞳に真っ向から向き直る。
「──貴方……これはこの国の……フィナンを愛した私の責務。
彼を殺して……私も死にます。
継承権の三位とはいえ、王族の中から昔からさざめかれていた妾の子が消え、そのお姫さまと恋仲だった殺戮魔が消えるのです。
これで王国も、少しは幸せになるというもの。
ご迷惑を……お掛けしました」
王女は背後を振り返ってフィナンを見た。
一度ゆっくりと瞳を閉じて、ゆっくり開いた瞳には場違いなまでの微笑……フィナンも、王女もその瞬間を待ち焦がれたように微笑んでいた。
時が止まったかのように、静かな世界。しかし、王女の手に持った恐らく毒でも塗ってある短剣は、通常と同じ速度でフィナンの腹部に──
「駄目ーーーっ！！」
それを真っ先に見つけた黒依 アリーセの悲鳴が聞こえた。それに我に返った米太郎がとっさにろっこんを発動させる。
王女の体が一気に重くなる。かすり傷でもいい、彼女にとってつけなければならない傷が。
振り上げなければならない短剣が地について重たくて持ち上げられない。
遠くから王女を捜していた騎士達の姿が目に入った。
修は思う。
これで、フィナンと王女の安全確保をして、後はもう事実を話せば良い。
仲間が死んだ時点で、修にとって、否、全員にとってのハッピーエンドなど有り得ないのだから。
その場に倒れこんだ狂騎士を警戒しつつ、黒依 アリーセは尾鎌 蛇那伊の切り刻まれていた手甲から滲み出す手を治していた。
「こんなの舐めておけば治るわよ～」
「こんな世界の怪我です。どれだけ病原菌が残るか分かりません！」
ブレスレットは粉々に破壊された。狂騎士──フィナンは倒れ、意識が戻らない。
しかし、周囲の用心を集めながら、アリーセは、親指の皮を噛み切り貫かれた手首に向かって差し出した。
「全ての魔女が、人を惑わすなんて思わないで下さい…ね？」
過去、現代の魔女の歴史には、否この世界においても、薬草を煎じ人の役に立つ為に自然の力を行使する存在も、魔女と呼ばれた。
魔女狩りの全盛期を越え、それでも生き延びる事の出来た。例えろっこんが無かろうとも“人を癒すその血筋”を誇りに思う。
しかし、彼を助ける事への心苦しさが消えない。どこからくるのだろう。
しかしそれについて、悩んでいる時間も無い。
見えぬ糸 手繰り寄せ 暗い道 進みゆく
その先で 待っている 人がいる そう信じ
振り払え災い 秘めた愛を信じて 強い想いが剣 黒い鎖を断つ
泣かないで想い人よ きっと生きて戻るから
零れ落ちる涙は 宝石に変えてみせる
二人の想い 繋いだ Ｂｒａｃｅｌｅｔ
二人の進む 未来に Ｂｌｅｓｓ ｙｏｕ
ハイトーンの透き通った歌声。これが彼女のろっこん“セイレーンの血”歌を歌っている間、自分の血液に治癒の力を授かるものだ。
数滴の血が彼の左腕を見る間に治していく。
「……ここ、は……城下町、か」
フィナンがゆっくりと瞳を開ける。
夜明けに差し込む朝焼けの光に、八神 修はほっとした様に声を掛けた。
「無事ですか」
「………被害は」
「仲間が、……二人………」
「本当に…済まなかった」
修の言葉に、立ち上がり、ただひたすらに謝罪を繰り返すフィナン。
「お前がどれだけ悔いて反省しても殺した人達は生き返らない。
生きて償うか、俺に斬り殺されるか、選べよ」
仲間を殺された、その中にあって、否、その中だからこそ無感情に響き渡る御剣 刀の声。
「──その必要は、ありません」
その言葉に。
いつ鳴子は鳴ったのだろう。そこには一人の少女が立っていた。
フード帽は既に脱げ落ち、長いウェーブの入った金の髪が広がる。
そして、刀からフィナンを守る様に間に割り込む様にその場に立った。
──通った鼻筋、エメラルドグリーンの瞳。
「そこの貴方……魔女は、一瞬“揺らいだ”彼の心をきっかけにして、本来の魔法を発動させました。きっかけと魔法は別物なのです。
魔女にとって発現させる為の心の隙は……呪いを発動させる種を植える苗床の様な物。植えられてしまった種と苗床に因果関係はありません。
恋心などで揺れる思いと、兵士と王国関連者ではなく、街の住人達を殺し続けた事に何の因果関係も無いように」
静かな声音で修に告げる少女。
そして、それだけ告げると少女──王女は、その視線をブレスレットが破壊されたフィナンの元へと向けた。
刀が向ける冷徹な瞳に真っ向から向き直る。
「──貴方……これはこの国の……フィナンを愛した私の責務。
彼を殺して……私も死にます。
継承権の三位とはいえ、王族の中から昔からさざめかれていた妾の子が消え、そのお姫さまと恋仲だった殺戮魔が消えるのです。
これで王国も、少しは幸せになるというもの。
ご迷惑を……お掛けしました」
王女は背後を振り返ってフィナンを見た。
一度ゆっくりと瞳を閉じて、ゆっくり開いた瞳には場違いなまでの微笑……フィナンも、王女もその瞬間を待ち焦がれたように微笑んでいた。
時が止まったかのように、静かな世界。しかし、王女の手に持った恐らく毒でも塗ってある短剣は、通常と同じ速度でフィナンの腹部に──
「駄目ーーーっ！！」
それを真っ先に見つけた黒依 アリーセの悲鳴が聞こえた。それに我に返った米太郎がとっさにろっこんを発動させる。
王女の体が一気に重くなる。かすり傷でもいい、彼女にとってつけなければならない傷が。
振り上げなければならない短剣が地について重たくて持ち上げられない。
遠くから王女を捜していた騎士達の姿が目に入った。
修は思う。
これで、フィナンと王女の安全確保をして、後はもう事実を話せば良い。
仲間が死んだ時点で、修にとって、否、全員にとってのハッピーエンドなど有り得ないのだから。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年02月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年02月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年02月26日 11時00分
