this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
あなたを待っている
1
2
3
4
5
…
12
つぎへ >>
寝子島神社の薄暗い境内で一人、
御剣 刀
は黙々と木刀を振るっていた。切っ先はぶれず、見えない中空の線を幾度もなぞる。一振りごとに大気は低く唸った。
刀は僅かに両目を細めた。東の空に朝陽の筋が幾本も走る。木刀の鋭い一閃が空を断ち割ったかのような光景に動きを止めた。おもむろに熱い息を吐き出す。首から下げていたタオルを汗に塗れた頭に被せ、片手で掻き毟った。
「良い朝だ」
程良い風を受けて白いTシャツの裾がはためく。刀は湿ったタオルを折り畳み、黒い七分丈のパンツのポケットに収めた。
帰る準備は整った。愛用の竹刀袋を肩に担ぎ、刀は石段を見下ろした。徐々に視線を上げると参道商店街が見えてくる。
「帰るには早いか」
変化を求めるような視線が横手に逸れた。刀は耳福池の方向へとランニングを開始した。
緩やかに足は止まり、刀は池の畔に佇んだ。無風状態で水面は磨き上げられた鏡となっていた。周囲の自然が鮮明に映り込む。
「水が無いみたいだ」
池の形に縁どられた穴の向こうに、こちらと似たような風景が見えている。そのような錯覚から抜け出す為なのか。刀は意識して目を瞬かせた。
「この時間帯の特別な風景か。俺だけではもったいない」
刀はポケットからケータイを取り出した。時刻を目にして、どうするかな、と口にした。
その時、朝陽が存在感を強めた。刀が顔を上げると木天蓼湾に溜まった光の粒子が零れ落ち、目の前の池に一層の輝きを与えた。
「送ってみるか」
迷いながらも刀はメールの文章を打ち始めた。
小山内 海
は自然に目が覚めた。微かな寝息が聞こえてくる。
海は同室の者を起こさないように、そっとベッドから抜け出した。速やかにカーテンの合わせ目に顔を入れて外の様子を窺う。
空は大海を思わせた。浮かぶ雲は小島である。冒険心をくすぐられた海は急いで着替えた。
藍色のワンピースに抹茶色の表紙のスケッチブックを小脇に抱える。撥ねた髪は青いリボンで纏めて括ると目立たなくなった。
『ぶらりスケッチひとりたび』
スケッチブックに書き入れた文字に海はにっこりと微笑んだ。
寝子島全体が浅い眠りに就いていた。急ぐ人もいない通りを海が伸びやかに歩く。
民家の塀の窪みにカタツムリを見つけた。海はスケッチブックを開いて瞬く間に描き出す。塀の質感まで表現されて、出来上がりは太古の化石を思わせた。
道幅の狭い通路に入ると、今度は道端にしゃがみ込んだ。密集した草の上にテントウムシが止まっていた。スケッチブックに向かって海は素早く手を動かした。
何度か羽を開閉して、テントウムシが飛び立った。微笑みで見送ったあと、海はゆっくりと立ち上がる。スケッチブックには悠然と羽を広げた一瞬が切り取られていた。
調子が上がってきたのか。海の足取りは軽くなる。通路を先に進んでいくと、左前方に暗い空間が見えてきた。そこは今まで以上に細い道で奥の方まで続いているようだった。
海は暗がりに足を踏み入れた。進む程に力強さを増していく。青い瞳が未知への期待で大きく広がった。
足の運びが遅くなる。道は緩やかな坂になっていた。先の方が明るい。海は上体を斜めにして頭から光に突っ込んだ。
息を整えてから周囲を窺う。道は終わりではなかった。右手の急勾配の石段に続いていた。怯える目が道なりに追っていく。先の方は雑草に阻まれて見えなくなっていた。海は安堵の表情で長々と息を吐いた。
石段の中央にはパイプを溶接したような手摺が設置されていた。海は左手で手摺を掴む。頑丈な作りに安心したのか。しっかりと顔を上げて登り始めた。
二度三度と道は折れて尚も上へと続く。顎先から汗が滴って石段に黒い染み痕を作った。
その時、ケータイにメールが届いた。海の虚ろな目が瞬時に活気を取り戻す。相手は刀であった。
『寝子島神社近くの池にいる。今の時間帯、とても綺麗なんだ。よかったら見に来ないか』
文面に目を通した海はケータイの画面に向かって何度も頷いた。即座に文字を打ち込み、途中で全てを消した。儚げな顔で文章を入れ直す。
『誘ってくれてありがとう。でも、今は無理。こっちは階段と格闘中。ここで戻ったら負けた気になりそう』
海はケータイを遠ざけるようにして送信ボタンを押した。少し後悔が滲んだ表情で石段を見上げる。再び、メールが届いた。
『参戦希望。俺とタッグを組めば勝てるよな』
先程よりも文面は短い。海は満面の笑みを浮かべ、刀に場所を伝えるのだった。
刀が駆け付ける前に海は石段を登り切った。現実を目の前にして項垂れた。
小さな更地であった。周囲には剪定の施されていない木々が生えている。抜け道はどこにも見つからず、行き止まりとなっていた。
『ここまできて、それはないよ~』
スケッチブックに書かれた文字が不安定に波打って見える。落胆の色を隠せない。海は来た道に振り返った。
表情が一変した。強制的に目は開かれ、口が半開きで固まった。市街を一望できる絶景に見惚れたのだ。
射し込む陽光が街に絶え間ない変化を与える。海は急いでスケッチブックを開いた。瞬間の美しさを閉じ込める勢いで鉛筆を動かす。
眼下の街に紛れて刀が姿を現した。残りの石段を一気に駆け上がると海の隣に立った。
「単独でも勝てたようだな」
手を止めずに照れ臭い顔で海は頷いた。
「綺麗な場所だな」
刀の漏らした声を聞いて、海はスケッチの余白に小さく文字を書き添えた。
『ここからのながめは、いっしょうのおもいでになる』
「そうかもしれないな」
刀は遠い街並みに目を向けた。海は続きの文字を流れで書き入れ、慌てて鉛筆を駆使して塗り潰す。
「どうかしたのか?」
刀の問いに海は、なんでもない、と過剰に頭を振った。スケッチブックに顔を埋めるように近づけて街並みを描いていく。
『かたなくんがいるから』
塗り潰した文字を海は胸に、そっと仕舞い込んだ。
1
2
3
4
5
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
あなたを待っている
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月04日
参加申し込みの期限
2014年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!