this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
あなたを待っている
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
12
つぎへ >>
木天蓼大学の講義室に女性教授の声が響く。壇上で大きな身振りを交えて、用意したキャスター付きのホワイトボードに数式を書き込んでいった。
刻人・F・ミセリア
は中段の窓際の席に座っていた。頬杖を付いた姿勢でぼんやりと講義を受けている。
「微積分に、そんなに熱を入れなくても」
相手の熱意に反して刻人は冷めた声で言った。机上のノートは閉じられたままであった。
何とはなしに刻人は横に目をやる。教室の窓はステンドグラスのように鮮やかな青を映し出した。
「青い海か」
自分の言葉で何かを思い付いたのか。刻人はケータイを手に取る。素早くメールの文章を打ち込んで送信した。
「どんな反応をするかな」
講義が始まって三十分。刻人は初めて溌剌とした表情を見せた。
太陽の勢いが増してきた。海側の道を歩いていた
オーマ・トンノ
は紫紺の帽子を深く被り直す。その動作を向かいの道で目にした男の子が、カウボーイみたい、と声を上げた。
オーマは横手に射るような視線を飛ばす。小さな男の子は人差し指を銃口に見立て、バンバン、と大きな声で撃ってきた。側にいた母親が急場凌ぎの笑顔を浮かべて会釈した。
オーマは海に視線を移した。青いデニムのジャケットのポケットに片手を突っ込んで颯爽と歩く。荒野の色に似た長い髪が風を孕んで左右に広がった。
「あのお姉ちゃん、かっこよくて大きかったね」
男の子のはしゃぐような声が遠ざかる。オーマは、ただ海を見て歩いた。
前触れもなく、その足が止まった。オーマはズボンの後ろに手をやり、ポケットからケータイを取り出した。刻人からメールが届いていた。
『午後の講義で必要な教科書を忘れたから届けてくれると嬉しい』
簡潔な一行にオーマは数分の時間を費やした。ケータイを元に戻すと、シーサイドタウンの一方向に目を据えた。
オーマは海を離れ、建物が密集する街に向かって歩き出した。
講義を終えた大学生がキャンパス内を足早に移動する。刻人は周囲の流れに乗って、ふいに方向を変えた。
「オーマが来るとしたら、こちらかな」
人通りの多い駅前を避けて反対方向に出た。通りには高校生くらいの姿を多く目にした。親子連れは大観覧車が目当てなのだろうか。
目の前の様子に見切りを付けた刻人は左手の道を選んだ。川に掛かる橋を渡ると、適当な木に背中を預けた。人待ち風情を気取って北西の方向に視線を定める。
疎らな人々に混じってオーマの姿が見えた。高い身長は遠目でもかなり目立つ。
「正解だね」
刻人は木の裏に回り込んだ。気付かれないように顔を出して動向を窺う。
オーマの堂々とした歩みは橋の手前で途切れた。直立の姿勢で立ち止まって無言を通した。その背後に刻人が足を忍ばせて近づいた。
刻人を鋭い視線が捉えた。オーマが唐突に振り向いたのだ。
「悪かったね。お使いみたいなことをさせて」
刻人は気さくに話し掛ける。オーマは手にした革製のアタッシュケースを片腕に乗せた状態で開いた。三冊の教科書を重ねて取り出し、刻人の鼻先に突き付けた。
「本当のことをいうと、それらの教科書は明日の講義に使うものなんだよね。その様子だと、ばれてたみたい。ごめんね、ははは」
握った部分に万力と等しい力が加わっているのか。重ねた教科書は中程で緩やかに曲がっていた。受け取った刻人は平らに戻し、肩から提げたバッグの中に収めた。
「今日は天気が良いよね。折角だから少しこの辺りを歩いてみようよ」
返事を待たずに刻人が先を行く。オーマは三歩の間隔を空けて付いてきた。
「横に並んで歩いた方が話しやすいと思うんだけど」
刻人は歩きながら顔を後ろに向けた。声を掛けられた本人は前を見据えたまま、一定の速度で歩いている。仕方がないね、と呆れたように笑った刻人が引き返して隣に並んだ。
瞬間、オーマが横に飛び退いた。二人の間に一歩の距離が生じた。
「三歩よりは近いから、その一歩は君の譲歩と受け取るよ」
刻人は笑って海を目指した。オーマは黙して答えない。
二人は寝子電スタジアムに突き当たり、海の方へと回り込む。向かいから五人の女子大生風の若者が現れた。立ち寄った店の印象を口々に話しては、そうだよねぇ、と声を出して笑った。
オーマは帽子の正面に手を当てた姿で通り過ぎた。横目で見ていた刻人は言った。
「大丈夫だよ。この間、君と一緒に歩いているところを同じ学部の学生に見つかったんだ」
その時のことを思い出しているのか。刻人は薄ら笑いを浮かべた。
「妻の知り合いが日本に観光に来たから、僕が島を案内しているんだよ、って説明したら簡単に信じてくれたよ。日本の学生は緩いね。ほら、海はすぐそこだよ」
じっとしていられない子供のように刻人は駆け出した。一望できる大海原を前にして胸を張る。
「君と二人で海を見るのは初めてだね。今日は眺めがとてもいい」
刻人の隣にオーマが立った。その距離は一歩も離れてはいなかった。
「仕事の時以外でも、この島は素敵なところだよ」
刻人が微笑む。オーマは飛んでいるカモメを目で追った。
「もう少し歩こうか。ここには荒くれ者の漁師はいないけど、まだまだ見所はたくさんあるからね」
二人は海を傍らに気ままな散歩を続けるのだった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
あなたを待っている
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月04日
参加申し込みの期限
2014年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!