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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街の無邪気な子どもたち
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【空猫物語(1)】
「ああっ。あぶない!」
一匹の猫を案ずる
綾辻 綾花
の優しき心は尊ばれるべきものだが、そうとばかりも言っていられまい。なにしろ彼女が
早川 珪
とともにどうにかバランスを保ち立っているのは、青空のさなかへぷかりと浮かぶ、破損したボートの上であったので。
「綾辻さん、あまり乗り出すと危ない……!」
「で、でもにゃんこが! 落ちちゃいそうです~!」
あわてて綾辻をささえる早川ともども、一瞬の油断で眼下へ転落するだろう。
『空猫物語』というのが綾辻らの取り込まれたゲームのタイトルであるようだが、彼女ら自身が空猫ではなく、主人公は目の前を跳ね飛ぶメスのシャム猫だ。なかなかに美しい毛並みをした美猫だ、まあペンシルの高貴なそれには一段落ちるが、猫好きの綾辻の心をとらえるには十分といったところだろう。
シャム猫は恐れを知らないのか、小舟から浮き輪へ、浮き輪からオールへと身軽に飛び移ってゆく。しかしその身のこなしはけっして完璧なものとは言えず、
「あっ……!」
ときに足を踏み外す。シャムはコミックのように空中で数度足をばたつかせた後、直下へめがけ落下してゆく。そんなときこそが、綾辻らの出番というわけだ。
「"変質"の魔法で……!」
振るう杖が変質をおよぼしたのは、シャムの落下する先に浮かぶ流木だ。その枝ぶりを豊かに繁らせ大きく広げると、猫の身体をふわりと受け止めた。枝葉に咲き乱れる花々もまた美しく、綾辻の芸達者な魔法だな。見事だ。
しかしシャムは綾辻らを気にするそぶりもなく、脇目もふらず上へ上へと跳ね、のぼってゆく。
「ふう、良かった。可愛いにゃんこですね♪」
「うん、そうだね。それにしても……頂上には、なにがあるんだろう?」
早川の疑問も問いももっともだ。空は澄んでいる。青く、途方もなく、どこまでも続いている。浮かびたゆたう物々の道に果ては見えないが、頂点はあろう。
シャム猫はその確信があるかのようにひとつ、またひとつと跳ね、飛び移る。時おり失敗し、綾辻や早川の魔法に助けられながらも着実に、少しずつ。
綾辻も首をひねるが、
「珪さん。これって、"Lore"なんですよね?」
「ああ、うん。そうだね、なんだか忘れそうになってしまうけれど」
「はい。だから、もしかしたら……いちばん上にのぼることで、Loreやその弱点に近づくことになるのかも? って」
なるほど、道理だな。ゲームの攻略条件がLoreの性質に紐づいている可能性は高い。突くべき弱点もあるいはそうだろう。
いずれにせよ、頂点へとたどりつき"解析"することで、このくもりなき空の真の姿をつまびらかとすることができるかもしれない。
「ところで、下はどうだい? 彼らはついてきているかな」
「大丈夫です、あそこにいます。稲積さん~、犬塚さん~? 大丈夫ですか~?」
「はーい。大丈夫でーす」
手を振り、
稲積 柚春
は回転するスワンボートをよじのぼると、羽の部分を蹴って三段浮き輪へと飛び移る。浮かぶあれこれはどうやら一定の高度ごとにテーマが定められているように思えた。現在の周囲一帯は海や川、湖畔などで水遊びにまつわる物品が集う。
「はあ。もうっ、ワットとはぐれちゃうなんて……」
柚春はいささかおかんむりであるようだ。今回は
ウォルター・B
と一時離れることとなったようだな。Loreに仲睦まじいふたりを慮る意思などなかろうから、そのような無情な成り行きもあり得る。
「うわあ、高い……! 落っこちちゃったらどうしよう……」
「……そうはならねえよ。おれがいる」
「あ、犬塚さん。って、うわ!」
彼はどこかバツが悪そうに眉を寄せながらも、よろめいた柚春の足元を魔法で変質補強し、サポートに余念がない。
あの日
の後、犬塚はまたしばし居候する土産屋の部屋にこもりきりだったが、どうやら吹っ切れたか。そこへいたったのはネコジマの者たちの尽力と、そして目の前の稲積の献身あってこそだろう。
「あ、ありがとう。助かったあ」
「別に。礼はいらねえ。あー、なんつうかよ。その」
「?」
怪訝そうに目をまたたかせた稲積へ、犬塚は煮え切らぬ様子でぽつりと告げた。
「この前は、醜態さらしたな……すまねえ。あ、あ。あ」
「うん。うん?」
「ありがとよ」
絞り出すように言ってふいと顔をそむけた。まるで幼子のようだな、剣呑な牙持つあやかしが。くすりと笑った稲積のほうがよほどに大人びて見える。
稲積は軽く首を振った。
「ううん、別に気にしてないよ」
「しかし……お前の相棒は、おれを警戒してるだろうよ」
「ワット? そうかなあ。口ではそんなこと、言ってたけどねー」
切れ者、ブラックウッドは稲積の庇護者であろうから、犬塚を警戒しているのも間違いではないだろう。例の
噛みつきグセ
は今のところなりをひそめてはいるが、再び顔を出さぬとも言い切れまい。
それでいて、稲積は軽やかに笑む。なんと強い娘だろうか。
「実はね。犬塚さんにはすこーし、感謝してたりもする……かも?」
「あ?」
「ぼんやりとだけど、覚えてるんだ。あの時ワットは、言ったんだ」
「なにをだよ」
「
僕のだ
、って。その子は僕のだ、ってワットは言ってくれた。そのきっかけはたぶん犬塚さんだったから。だから……よいしょっ、と!」
ぽうんと跳ねて浮かぶブイにつかまり、
「だから、僕こそ犬塚さんに、ありがとう」
「……つまんねえ屁理屈こねやがって」
照れたか? ふふん、犬塚め。なんとも珍しい顔をするではないか。
しかし、やはりな。これなのだ。ネコジマの者たちを我が街が、そこに住まうものたちがまぶしく思うのは。Loreを魔法戦の末に撃退するばかりではない。稲積のようなものの気質に、我らがどれほどに救われてきただろう。
「稲積。っつったな」
「うん。ってまだ名前覚えてくれてなかったの?」
「霊界でなんかありゃ、おれに言え。くだらねえヤローは全部、喰いちぎってやるからよ」
そっぽを向いたままの犬塚の言葉に、稲積はついに吹きだした。まったく、ほかに言い様のないものかね、この不器用な男ときたら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月06日
参加申し込みの期限
2024年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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