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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街の無邪気な子どもたち
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【EDGE DRIVE 2088(2)】
AIを名乗る端末はせわしなく明滅しながら、騒がしく震えた。とりとめなくとめどなく、休日の外出にはしゃぐ幼子のように。
『フロートトレインに乗りましょうか? カーショップでマイカーを購入するのもイイですね! お金が足りないならフィクサーをたずねましょう、割のいい仕事を紹介してくれるはず! この街はとにかくトラブルがあふれていて、それを解決する人手がいつでも求められていて』
「ちょっと待って。僕たちにはそんな時間はないんだ」
ヒューバートの冷静は頼もしく、矛盾を突く。先ほどこの光る板はなんと言っていたか?
「そうよ、メインクエスト? っていうのをクリアーしなきゃ。それにあなた、もうすぐ消えちゃうとか言ってなかった?」
『えーっと、ああそうやったっけ? でもまー急いで進めてまうのももったいないですよ! ねっ♪』
究極のなんとやらがなければ己が失われるとまで言っていたはずだが、城山の突っ込みにも繕うそぶりがない。
しかし時が足りぬというのは本当のことだ。これはどうやら良く出来た一級品のゲームであるようだが、残念ながらすべてを味わい尽くしている暇はない。この精緻で美麗な世界には確かに興味が湧くし、なんだな。そっけなく終わらせてしまうのもいささか、惜しく思えてしまうが……いや、すでに術中にはまっているということか? ゲーム脳などという言葉も耳にしたことがある。ふむ、諸君の脳への影響が心配だな。
結局AIに丸め込まれ、フロートトレインとやらへ乗り込んだ。とはいえ途中下車も寄り道もなし、目的地は物語の主軸を追う地点へと定めた。
車窓へ映る積層都市は積み重なった光の帯となり流れてゆく。空が見えんな。雲か、砂埃なのか、垂れこめる厚い煙がふたをし、そこへまばゆく強い光条が時おり走り抜けた。ビルたちは七色のネオンサインに彩られ、薄布をまとうみだらな女の巨大な幻像が踊り行き交う人々を誘う。彼らの多くは身体の部位を大なり小なり機械へ置き換え、ネットワークというものに常時繋がれているのだそうだ。インターネット、というやつか。
『あちらに見えるのが、大企業ネコサカの本社ビル! 目的のデータタワーはその中枢に位置しておりましてー』
「ええっ。じゃあ今からあそこに潜入しなきゃいけないってこと? ぜったい警備厳重じゃない」
「そのようだね。なかなか骨が折れそうだけど……水樹は僕が守るよ。心配しないで」
『ひゅーひゅー、お熱いねえ! ええなー恋人って☆』
そんな会話へ、志波は耳をかたむけていた。
「ネー、エレキちゃん。あのAIって、話し方とか声とかさ。なんか、エレキちゃんと……」
「ゆうな」
山田の億劫そうにゆがめた仏頂面は常からだが、今は少々趣きが違った。深く沈み、耐えるようなそぶりを見せた。志波は軽薄に見えて思慮深く聡いから、それに気づいているだろう。もっとも城山とヒューバートも察しているから、ひとたび距離を置いているのやもしれないが。
「ゆわんでくれ。分かっとる。わかっとるんや、志波。ウチは……」
「うん」
「あいつらの顔を……まだ、見られん……」
端末は音声を吐き出すのみ、誰の表情も映し出してはいないが、それは仮の姿だろう。Loreはいかようにも姿を変質させる。
山田とLoreの関連は想像に難くない。此度は彼女の番というわけだ。それを悟るからこそ、沈むのだろう。
「ウチはな、志波。ウチは」
「ダーイジョウブ☆ だいじょぶだって、エレキちゃん!」
うつろな瞳をまたたかせて、山田は志波の軽妙を見上げた。
「俺たちがいる。みんながいる。心配しなくていい。大丈夫、なんとかなる!」
「……せやな」
志波は、おそらく思い出していたのではないか。
あのとき
、山田の怒りをかったあの瞬間を。彼女の部屋の奥へ鎮座する、一台のパソコンだ。
「あれがきっと……関係してるんだろうな」
「ん? なんかゆうたか、志波」
「いんやー、ナンでもナーイ☆」
なんにせよ、ほどなく、明らかとなるだろう。
『来たきたきたー! ネコサカの武装警備部隊です! ヤツらを倒さないとデータタワーにはたどりつけんで!』
列車を降りるなり、やれやれ慌ただしいことだ。着ぶくれしたカエルのように分厚い装甲を備えた鎧に兜、銃やら砲やらを構えた一団がそこへ布陣していた。一片の隙も見い出せぬ敵どもだが、
「いくわよ、ヒュー!」
「うん、水樹……!」
ネコジマの者らはやはり場慣れしている。完全武装の兵隊どもを前に退くそぶりもないのだから、頼もしいことだ。
「私が先読みするわ、ヒューは攻撃して!」
彼らはいずれものみこみが早いが、城山は"予言"の魔法をことに深く修めたようだ。敵の陣形がどのように変化するか、いずこからどのような攻撃が放たれるのか。増援部隊の到着するタイミングと位置。杖一本で把握できる情報は限りない。
「僕は、"致命"の魔法を……!」
魔法戦において担う役割を明確にすることは有利に働くものだ。ヒューバートが放つ火球は鎧ごと劫火で包みこみ、的確に撃ち抜いた。城山の言い当てる予言のとおりに、寸分たがわずに。
「俺も手伝いマッス!」
志波と山田も役割へ自らを当てはめた。山田の"解析"が敵どもを暴く……ゲームというものにはしばしば、登場人物に属性といったものが割り振られているようだな。たとえば氷を操る力を持つものが火に弱かったり、水棲生物に雷が効力を発揮したりといったところだが、志波はそれらを自由に操った。
「"変質"の魔法で、こいつらの弱点を炎に変質させる……!」
なるほど、これがチートというやつか。プレイヤーがふれることのないはずのデータへふれ、都合よく変質させるのだ。このような電脳遊戯を愛するものには唾棄すべき行いであろうが、志波はよく本質を見とおしている。敵はサイエンス・フィクションの形をした眼前のこれらではなく、Loreなのだ。鎧も武器も見せかけにすぎず、魔法をもって対応するのが正道であろう。
「ついでに雷にも弱くしてっと。エレキちゃん、やっちゃって☆」
「ああ……まかせとき」
雷鳴轟き炎は舞い散り、我らが魔法が科学を打ち砕いてゆく。
『すごいすごい、大活躍やな! データタワーまで一直線や! しかし、ふっふっふ。最後の敵を打ち倒すことがはたして、できるかなっ?』
……哀れなものだ。Loreというのもな。そうと定められて出現したなら、違えることはかなわない。定められるまま、決められたことを成すばかり。思いつくことすらない。志波のチートなどまるで気づかぬのだからな。
現れた瞬間から、ただ役割をまっとうすべく敷かれたレールを突き進むのみ。それしかできないのだ、彼らには。己がいかなる存在か、悟ることなどきっと……ないのだろうなあ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月06日
参加申し込みの期限
2024年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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