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LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
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◆野良猫たちの夜の集会
煌煌と。
月の大きな夜だった。
兎まで見えそうなほどの大きな月から放たれた光は、風に乗ってひょうひょうと音がするようで、硝子片のように眩く煌めき、夜の街に降り注いでいた。
こんな夜だ。
猫たちの心がそぞろになるのは。
おひげはぴくぴく。
お耳はピン。
月の光を映した瞳は、きらりきらりと輝いて、今宵こそ、と告げ合っている。
猫たちは人知れず路地裏に集まってくる。
「猫ちゃん、猫ちゃん、どこいくの」
橘 明里
はふわんふわんと跳ねるような足取りで真っ白な猫ちゃんを追いかけいた。
本人は「天使候補生」と名乗っているが、実際のところは背中に羽はないし、頭に輪っかはないし、空は飛ばないし、終末の笛も吹けない。けれど誰かの心を明るくすることはきっとできる。そう信じて疑わないのが明里という少女だ。
吹く風はぬるく、明里はご機嫌だった。
薄柿色の長い髪も天使の羽の髪飾りも、月の光でラベンダー色に輝いている。
白猫ちゃんはひょいとブロック塀に飛び上がると、そこで一拍、両手を揃えて月に向かってつんと首を伸ばした。ふわふわなしっぽは、明里をいざなうように揺れている。
「あたしについておいでよ、って言ってるのなの?」
そう解釈した明里は、よいしょっとブロック塀によじ登った。
そうよ、それでいいの。
そんな風に一瞬振り返って、白猫ちゃんはブロック塀を渡って歩いてゆく。屋根と屋根の間を抜け、どこか分からない建物の軒下をぴょんと飛んですり抜けて。
やってきたのはどこかの路地裏。
たぶんキャットロードのあたりな気はするけれど、夜で景色が変わっているのか、見覚えはない。
「わぁ、猫がいっぱいなの」
明里が追いかけてきた白猫ちゃんと同じように、あちらこちらから猫が集ってきて、わが場所と決めたところで体を丸めたり、毛づくろいをはじめたりしている。
「こんばんは」
ふいに近くから声を掛けられ、明里はびっくりしてあたりを見回した。
ごく近く、ブロック塀の上に、大きなローズのカチューシャを付けた和装の少女が腰かけている。
「あなたも招かれたみたいね」
扇子で品よく口元を隠して微笑む少女は
エヴァ・ブランシェ
であった。纏っているのはレース飾りのついたが―リーな着物で、足元の草履の鼻緒と揃いの勿忘草色が冴え冴えとした月の色に映えている。
流暢な日本語なのは、日本贔屓の両親に育てられ、幼少期から日本に住んでいたためだ。見た目こそ金髪碧眼な欧米人であるが、エヴァ自身は心は日本人だと自負していた。
「招かれた、って何になの?」
「こんなふうに月が綺麗な夜に、猫が集まる場所と言えば、もちろん猫の集会よ」
猫の集会とは、ある場所に数匹から数十匹の猫が集まる現象である。どこからともなく現れた猫たちは、とくに喧嘩をすることもなく、思い思いに座ったり寝転んだりしてくつろぐのだという。猫たちの夕涼みだとか、あるいは地域コミュニティの役割があるだとか、諸説あるが、実際のところは人間にはわからない。
謎めいた集いだ。どこか魔術的な香りがする。
そう、こんな夜は、ふだんなら会えないものにも会えたりする。
◇
静まり返った寝子島神社で、
シオ・レイゼルオーク
は、月夜のそぞろ歩きを楽しんでいた。
ふいに視界の端で何か動いた気がして、猫のかたちのランタンをそちらに掲げる。光のあわいに影みたいに潜んでいたのは黒猫だった。くるりといたずらっ子みたいに煌めく紅玉のような瞳と視線が合う。
「あらまあ。その赤い瞳。
お三夜さま
では」
「にゃあ」
名を呼ばれ、寝子島神社のご祭神たる黒猫は、にんまりと口を開けた。
「さすがシオ殿。見つかっちゃうとはにゃー」
月の大きな不思議な夜だ。今宵はお三夜さまも、猫の姿のまま人の言葉が話せるらしい。
「今日は人の姿ではないのですね」
お三夜さまが時折、おかっぱの少女の姿で顕現することを知っているシオは、しゃがみ込んで黒猫のお三夜さまと視線の高さを合わせてそう聞いてみる。
「人の姿ではお忍びにならぬではにゃいか」
「お忍びなのですか」
うむ、とお三夜さまはすまし顔で鼻先をあげた。
「昨今の猫たちがどんな様子か、ちょっとばかり猫集会の様子を覗いてみようと思ってにゃあ。ま、寝子島神社のお三夜大明神としての務めといったところかにゃ」
「一之助さんと二右衛門さんは?」
「あやつらがいては、私がお三夜大明神だとすぐにバレてしまうではにゃいか!」
お三夜さまは妙に焦った様子で声を潜める。
それでシオはピンときた。
「ふうむ、つまりこういうことでしょうか。お務めという名目で、小うるさい一之助さんと二右衛門さんに内緒でふつうの猫のふりをして羽を伸ばそう、と……」
「まったくあやつらときたら小姑みたいで――って何を言わすにゃ!」
「ふふ、大丈夫です。告げ口したりいたしませんから」
くすくす笑いながら、ふたりだけの内緒にしましょうねと口元に人差し指をあてたシオは、それから、いいこと思いついたという顔をした。
「ご相談なんですけれどね。黙っていますから、お三夜さまが行こうとしている猫の集会、私も連れて行っていただけませんか?」
「うむ」
首を横に振るはずもない。話し相手ができるのはむしろ歓迎だ。
こうしてシオも、路地裏の猫集会に参加することとなったのである。
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浅野 悠希
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イラスト企画用(600)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月23日
参加申し込みの期限
2022年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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