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- 00月00日生 00歳
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LUCK COMING ～いつもそばに猫がいた～
【冴木 竜司と相原 まゆの場合】
冴木 竜司にとって、どちらかといえばラッキーキャット探しは口実だった。
「まゆ先生！ 俺達の幸せな結婚のためにラッキーキャットを探しに行きましょう！」
その日、竜司は、白昼の校舎で、教師である相原 まゆに対し、堂々と求婚じみた台詞をのたまい寝子ヶ浜海岸に誘ったが、別段誰も気にも留めていなかった。いつものことだったからである。
そして、
「却下」
「却下」
「どいひー！？」
コンマゼロ一秒とかからずに即決でフラれるのもまたいつものことだった。
ただ、今回は少しだけ相原の様子が違った。
「……と言いたいところだけど、ラッキーキャット探しは興味あるわね」
「本当ですか！？ じゃあ結婚――」
「結婚は却下」
「どいひー！？（二回目）」
というわけで、竜司はウキウキルンルン気分で相原と夕暮れの寝子ヶ浜海岸にやってきたのだった。もちろん水着はいつもの（？）ふんどしである。
（今日こそはまゆ先生に（ロリコン的な意味で）結婚指輪を受け取ってもらう！ ちゃんと水着（褌）の中に指輪のケースも入れてきたぜ！）
今日も今日とて竜司は明るい変態だった。
しかし、変態とはいえ、ラッキーキャット探しに誘った以上、ちゃんとそれを探そうとするのもまた竜司である。彼は変態でロリコンだったが、同時に妙に紳士なところもある男だった。
「まゆ先生！ あそこにも猫がいますよ！ ほら、あそこにも！ もしかしたら、あのなかにラッキーキャットがいるかも！」
竜司は海岸に散らばるシーグラスと同じぐらいに瞳をキラキラと輝かせて言う。
竜司は明るく陽気な変態だ。だから、これも平常進行といえば平常進行だったが、いつも以上に大車輪のようにも見えた。愛するまゆ先生との海岸デートに自分でも思っている以上にテンションが上がっているのかもしれない。
「もー、竜司君。そんなに余所見しながら歩いたら危ないったら」
海岸を肩を並べて歩く相原もむろん水着姿である。子供っぽい見た目に対抗するように、セクシーな黒のビキニスタイルの水着であった。とはいえ、少女体型の相原は一般的な観点でいえば見るべきところは少ない。
が、ロリコンの竜司にとっては、それはむしろご褒美である。
いつも学校で見ているとはいえ、プライベートであるというその状況こそがＫＥＮＺＥＮな男子高校生には重要なのだ。
（俺はもうまゆ先生とここに来ただけで幸せだからな！ あとはまゆ先生のためにラッキーキャットを見つけるぜ！）
すでに陽は傾き、少し見えづらくなる景色の中、目を細めて竜司は懸命に幸せ猫を探す。探すフリではない。本気でラッキーキャットを探している。
それぐらいは、二年以上、教師として彼を見てきた相原にもわかる。
（まったくもう……。本当に変態なのに、変なところで紳士なんだから……）
相原はそんな一生懸命な教え子の姿を見て、内心で苦笑した。
どれほど見た目が子どもっぽくて実際に中身もだいぶ子供じみていても、相原も３６歳のオトナの女性だ。
自分に並々ならぬ好意（たとえそれがロリコン的な意味であっても）をぶつけてくる竜司がラッキーキャットを口実に、夕暮れの寝子ヶ浜海岸に誘いたかったことも気づいている。
（仕方ないわねぇ……。もうちょっとだけ「デート」に付き合ってあげるか）
子供っぽい見た目をしているとはいえ、相原も伊達に教師ではなかったのだ。
「ねぇ、竜司君。あたし、疲れちゃった……。ちょっとそこのチェアで休んでいかない？」
「え？ はい！ 喜んで！ ていうか、まゆ先生がお疲れなのに気づかなかったとは……！ 一生の不覚……！」
ぐぬぬ……と本気で後悔しているらしい竜司の手を掴んで、相原はチェアのもとに引っ張っていく。生徒を指導し、ときに導いていくのも教師の務めである。
「え？ ま、まゆ先生？」
いつもすげなくプロポーズを却下しているせいか、竜司は逆に戸惑っている。
もっとも、チェアに並んで腰かけてしばし談笑しているうちに、すっかりいつもの竜司に戻ってしまったのではあるが。
「まゆ先生、夕陽が綺麗ですね！ でもまゆ先生の方がもっと綺麗ですよ！」
「はいはい。わかったからもう少し音量落として、ね」
夕暮れの海岸はいつになくムーディーでロマンティックな雰囲気に満ちていた。それをぶち壊しにしない程度の配慮はすべきだろう。だって自分はオトナの女性なのだから。
（ふふ。あたしって罪な大人のオンナ……）
ひそかに悦に浸る相原の表情は、しかしお気に入りの人形を愛でる少女のそれである。
と、そこに「にゃあ」と鳴いて、猫が一匹、相原のもとにやってきた。
「あら？ 可愛い子ね。ほら、竜司君見て」
「まゆ先生の方が可愛いです！ だから結婚――」
「却下」
またも結婚を迫る竜司を相原に抱かれた猫のネコパンチが阻止する。
（まったく本当に仕方ない子ねぇ……）
なんだかんだ言いつつ悪い気はせずにこのじゃれ合いを楽しんでいる相原は、
（意外とこの猫がラッキーキャットなのかもしれないわね）
ふとそんなことを思ったりしないわけでもなかった。
冴木 竜司にとって、どちらかといえばラッキーキャット探しは口実だった。
その日、竜司は、白昼の校舎で、教師である相原 まゆに対し、堂々と求婚じみた台詞をのたまい寝子ヶ浜海岸に誘ったが、別段誰も気にも留めていなかった。いつものことだったからである。
そして、
「却下」
「どいひー！？」
コンマゼロ一秒とかからずに即決でフラれるのもまたいつものことだった。
ただ、今回は少しだけ相原の様子が違った。
「……と言いたいところだけど、ラッキーキャット探しは興味あるわね」
「本当ですか！？ じゃあ結婚――」
「結婚は却下」
「どいひー！？（二回目）」
というわけで、竜司はウキウキルンルン気分で相原と夕暮れの寝子ヶ浜海岸にやってきたのだった。もちろん水着はいつもの（？）ふんどしである。
（今日こそはまゆ先生に（ロリコン的な意味で）結婚指輪を受け取ってもらう！ ちゃんと水着（褌）の中に指輪のケースも入れてきたぜ！）
今日も今日とて竜司は明るい変態だった。
しかし、変態とはいえ、ラッキーキャット探しに誘った以上、ちゃんとそれを探そうとするのもまた竜司である。彼は変態でロリコンだったが、同時に妙に紳士なところもある男だった。
「まゆ先生！ あそこにも猫がいますよ！ ほら、あそこにも！ もしかしたら、あのなかにラッキーキャットがいるかも！」
竜司は海岸に散らばるシーグラスと同じぐらいに瞳をキラキラと輝かせて言う。
竜司は明るく陽気な変態だ。だから、これも平常進行といえば平常進行だったが、いつも以上に大車輪のようにも見えた。愛するまゆ先生との海岸デートに自分でも思っている以上にテンションが上がっているのかもしれない。
「もー、竜司君。そんなに余所見しながら歩いたら危ないったら」
海岸を肩を並べて歩く相原もむろん水着姿である。子供っぽい見た目に対抗するように、セクシーな黒のビキニスタイルの水着であった。とはいえ、少女体型の相原は一般的な観点でいえば見るべきところは少ない。
が、ロリコンの竜司にとっては、それはむしろご褒美である。
いつも学校で見ているとはいえ、プライベートであるというその状況こそがＫＥＮＺＥＮな男子高校生には重要なのだ。
（俺はもうまゆ先生とここに来ただけで幸せだからな！ あとはまゆ先生のためにラッキーキャットを見つけるぜ！）
すでに陽は傾き、少し見えづらくなる景色の中、目を細めて竜司は懸命に幸せ猫を探す。探すフリではない。本気でラッキーキャットを探している。
それぐらいは、二年以上、教師として彼を見てきた相原にもわかる。
（まったくもう……。本当に変態なのに、変なところで紳士なんだから……）
相原はそんな一生懸命な教え子の姿を見て、内心で苦笑した。
どれほど見た目が子どもっぽくて実際に中身もだいぶ子供じみていても、相原も３６歳のオトナの女性だ。
自分に並々ならぬ好意（たとえそれがロリコン的な意味であっても）をぶつけてくる竜司がラッキーキャットを口実に、夕暮れの寝子ヶ浜海岸に誘いたかったことも気づいている。
（仕方ないわねぇ……。もうちょっとだけ「デート」に付き合ってあげるか）
子供っぽい見た目をしているとはいえ、相原も伊達に教師ではなかったのだ。
「ねぇ、竜司君。あたし、疲れちゃった……。ちょっとそこのチェアで休んでいかない？」
「え？ はい！ 喜んで！ ていうか、まゆ先生がお疲れなのに気づかなかったとは……！ 一生の不覚……！」
ぐぬぬ……と本気で後悔しているらしい竜司の手を掴んで、相原はチェアのもとに引っ張っていく。生徒を指導し、ときに導いていくのも教師の務めである。
「え？ ま、まゆ先生？」
いつもすげなくプロポーズを却下しているせいか、竜司は逆に戸惑っている。
もっとも、チェアに並んで腰かけてしばし談笑しているうちに、すっかりいつもの竜司に戻ってしまったのではあるが。
「まゆ先生、夕陽が綺麗ですね！ でもまゆ先生の方がもっと綺麗ですよ！」
「はいはい。わかったからもう少し音量落として、ね」
夕暮れの海岸はいつになくムーディーでロマンティックな雰囲気に満ちていた。それをぶち壊しにしない程度の配慮はすべきだろう。だって自分はオトナの女性なのだから。
（ふふ。あたしって罪な大人のオンナ……）
ひそかに悦に浸る相原の表情は、しかしお気に入りの人形を愛でる少女のそれである。
と、そこに「にゃあ」と鳴いて、猫が一匹、相原のもとにやってきた。
「あら？ 可愛い子ね。ほら、竜司君見て」
「まゆ先生の方が可愛いです！ だから結婚――」
「却下」
またも結婚を迫る竜司を相原に抱かれた猫のネコパンチが阻止する。
（まったく本当に仕方ない子ねぇ……）
なんだかんだ言いつつ悪い気はせずにこのじゃれ合いを楽しんでいる相原は、
（意外とこの猫がラッキーキャットなのかもしれないわね）
ふとそんなことを思ったりしないわけでもなかった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2022年07月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年07月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年07月30日 11時00分
