【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX077『五月ちゃんお嫁入り！？　お相手はアルパカ王子、か！？』

　突然だがみにゃさんに問いかけたい。
　蕎麦屋すすきのの看板娘、薄野五月ちゃんが愛してやまないものは！？
　お蕎麦？
　それもあるが、白くてふわふわで首のながーい『アルパカ』にゃ！
　
　週刊かぎしっぽでは、そんな五月ちゃんが、いよいよアルパカへの輿入りが近いのではないかという独自スクープを入手したにゃ！

　ある秋の日のことにゃ。吾輩は見てしまったのにゃ。物陰に隠れた五月ちゃんが白くて長くてもこもこなアルパカ首をすぽっと頭から被ったところを！　体ももこもこの四つ足。首にはハートマークがついていたにゃ。
「フェー」
　五月ちゃんは鳴いたにゃ。吾輩よくわからにゃいが、きっとアルパカがお相手を求めるときの鳴き声にゃ。
　すっかりアルパカになった五月ちゃんは、赤毛で三つ編みの女の子に「魔法でこんな姿に変えられてしまいました」って話してるにゃ。
　魔法！　吾輩知っているにゃ。魔法で変身させられた人間は、結婚するものにゃ。きっとお相手はアルパカの王子にゃ。寝子島では動物園にしかアルパカがいないから、きっと動物園のだれかがアルパカ王子なのにゃ。
　そう考えた吾輩はさっそく動物園へ急行し、アルパカ舎へ行ったにゃ。
「五月ちゃんをお嫁さんにするアルパカ王子はだれにゃ！？」
「フェー」
「フェー」
「もぐもぐ」
「隠しだてするとためにならないにゃ！」
「フェー」
「フェー」
「そんなに前歯をむき出すのはやめるにゃ！　にゃにゃ！　よだれが吾輩の頭の上に！　溺れるにゃ！」
　残念ながら吾輩は身の危険を感じて退散したにゃ。
　こうなったら、五月ちゃん本人に突撃にゃ。
　そう思って戻った吾輩が見たのは、街中へんちくりんな恰好をした人間たちの群れだった。
　五月ちゃんは花嫁じゃなく、アルパカ海賊団ってのになってたにゃ。
「やあ、ハロウィン楽しいですねー。ふっふ」

　吾輩、わけがわからないにゃ。

「とりあえず、アルパカの鳴き声は『フェー』なのかにゃ？」
「そのへんつっこんだらいけないニャ」
「とりあえずこの記事は、『ねこしっぽ砲』ならぬ『ねこしっぽ誤報』。タイトルに偽りアリにゃ」