【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX073『巻頭グラビア～真境名アリサちゃん』

　夏にゃ！　水着にゃ！　巻頭グラビアは旧市街に住む真境名アリサちゃん。
　ガールズバーっていうところで水着のお仕事をしているにゃ。

　お仕事は夜らしくて、昼間は吾輩たち猫と遊んでくれたりもするにゃ。そういうときは人間には言えないお仕事のグチとかもお話ししているにゃ。吾輩たち、なんのことかよくわからない話がほどんどにゃけど、アリサちゃんにとってはそれがいいらしいにゃ。
「あー、気晴らしに競馬行こうかな」
　けいば？　って知らにゃいけど、もっとアリサちゃんのことを知るチャンスかもしれないにゃ。
　連れてって、とアリサちゃんの脚にカリカリしておねだり。
「一緒に行きたいの？　そっか、じゃああたしの幸運の猫になってね」

　そうして連れて行ってもらったところは、人を乗せた馬がいっぱい走ってるところだったにゃ。
「まくれ、まくれー！！」
　アリサちゃんは大声で応援していたにゃ。
　周りの人達も同じ言葉を叫んでいるにゃ。
「そこよっ、させッ！　いけーーーーッ！！」
　馬は、乗ってる人間にピシピシされながら必死に走っていたニャ。
　先頭の馬がおっきい看板の前を通り過ぎると、地響きが起きたにゃ。
　なんにゃ、なんにゃ？　天変地異かにゃ？　と思ったら、人間たちの歓声と悲鳴だったにゃ。
　人間たちが一斉に手に握りしめていた紙を投げて、吹雪みたいに空に舞ったにゃ。
「うそだろー！」
「負けたッ！」
　そんな声が溢れる中、アリサちゃんは吾輩を抱きしめて飛び跳ねたにゃ。
「やった！　万馬券よ！　ありがとう幸運の猫ちゃん！」
　よくわからにゃいけどアリサちゃんはお金持ちになったらしいにゃ。
　吾輩、そのあとアリサちゃんの職場の『ジュエル』ってところで高級猫缶をご馳走になったにゃ。
　それから水着のお姉さんたちに囲まれて、
「幸運にあやからせて」
　って言われていっぱい撫でられたにゃ。
　にゃにゃー。人間は相変わらずなぞにゃ。

「馬が競うから競馬。猫が競ったら……？」
「け、け、……けいにゃ？」