【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX070『七夕まつりとラムネ考』

　今日は『七夕ゆかた祭り』というお祭りで、人間たちは『浴衣』っていう涼し気な着物で歩いているにゃ。
　街のあっちこっちに笹が飾られたり、神社に続く参道に食べ物屋さんがいっぱいいたりしているにゃ。
　いい匂いにゃ～。甘い匂いはりんご飴、かつぶしの匂いはお好み焼きかにゃ。
　にゃにゃ。
　境内のベンチに座っているのは月守輝夜ちゃんにゃ。お隣にいるのは青木慎之介くんかにゃ？

「慎之介くんは何買ったの？」

「俺？　俺はラムネとフランクフルト。両方とも２本買ったから２人で分けようぜ」

　ラムネ！　面長な顔みたいなかたちの青い瓶！
　吾輩はずっとあれが謎だったにゃ！
　慎之介くんはハンカチの上に瓶を置くと、突起がついた蓋を、てっぺんのビー玉の部分に押し当てたにゃ。
　まっすぐ押すように力を込めると、しゅぽっとビー玉が中に落ちて、しゅわしゅわ泡が出てきたにゃ。
「おっとっと」
　慎之介くんは泡が零れる前に吸い付いて中身を飲んだにゃ。
「月守、開けられる？」
「うーん、上手くできない。なんだか怖くて」
「貸せよ」
　慎之介くんは颯爽と輝夜ちゃんのラムネ瓶に手を伸ばし、難無くしゅぽっと開けたにゃ。
　吾輩はたまらず二人が座っているベンチに飛び乗ったにゃ。
「うお。Catくん。もしかしてお裾分けがほしいのか？」
「あげようよ。いっぱい買っちゃったもの」
　そう吾輩は見ていたにゃ。輝夜ちゃんはいっぱい食べ物を買いこんでいたにゃ。
　たこ焼きイカ焼き焼きそば焼きとうもろこし綿あめリンゴ飴。
「どれ食べたい？」
　もちろん、吾輩の狙いはイカ焼きにゃ！
　それからラムネ瓶もにゃ。
　からから音がしてキラキラしてて面白いにゃ。おもちゃにひとつ貰っていくにゃ！

「ねこねこ記者が入手したラムネ瓶は、猫集会広場に飾ってあるにゃ」
「ときどき仔猫たちが転がして遊んでるニャー」