シナリオ「【七夕】ミルキーウェイに愛を叫べ 屋台も楽し～い♪」

【七夕】ミルキーウェイに愛を叫べ　屋台も楽し～い♪

　寝子島神社の参道から旧市街の商店街にかけて、ずらりと屋台が建ち並んでいる。今日は七夕。織姫と彦星が会えるこのロマンチックな日に、寝子島では今年も『七夕ゆかた祭り』が行われるのだ。
　神社に続く長い道には、思い思いの浴衣を着た人々で賑わっていた。

　参道を軽やかな足取りで歩くのは薄野九月だ。彼女が纏っているのは爽やかな水色地に朝顔の柄を染め抜いた浴衣。合わせたカンカン帽がとても粋だ。九月は神社の大きな鳥居の前でふと足を止めた。
「わぁ、大きな笹！」
　鳥居の両脇には大きな笹が立てかけられ、人々が思い思いに短冊を飾っている。どうやら短冊を書くと巫女さんから金平糖も貰えるらしい。

「……よし、わたしも書いてみよう！」
　九月は手元の綿飴を１口パクリ。その甘さにむふふと微笑むと、また軽やかな足取りで短冊を配る巫女さんのもとに歩き出した。

＊

　神社の中は結構な人だかりだった。そこで行われているのは。

「『天の川を越えろ！　愛を叫ぶラブラブミルキーウェイ』？」
　人混みの横の立て看板を見て、津島直治はその眉を少し寄せた。彼は桃の花を裾にあしらった薄墨色の浴衣を涼やかに纏っている。
　どうやら好きなものを大声で叫ぶイベントらしい。先程から境内にしつらえた壇に人が上がっては、様々に見物人達に向かって大きな声で叫んでいる。中には告白めいた事もする参加者もいて、盛り上がっていた。
（好きなもの、ですか……）
　叫び終わった参加者達は一様にスッキリと楽しそうだ。ふむと顎に手を当て考える直治の横に、いつの間にかスラリとした青年が立っていた。
　黒地に鮮やかな青と黒のバラを染め上げた粋な浴衣を見事に着こなすその姿に、直治は一時目を奪われてしまう。と、青年とバチリと目が合った。
「あ、あの」
　口ごもった直治の前で、青年……アケーチ・タッマーキは突如ぱあっと頬を薔薇色に染めた。

「愛を叫ぶ……？！　そうですよね、世界は愛で溢れていますから！」
　アケーチはきらきらとそう言うと、くるりと向きを変え、るんたったと歩き出した。

（綺麗な人、でしたが……）
　直治は青年のスキップを呆然と見送る。けれどもその何だか楽しそうな背中に、思わずくすりと笑ってしまった。
　イベントに出てた人も、みんなとても楽しそうだった。愛とはそんなに楽しいものなのだろうか、うーむ。
（あ、そういえば……）
　思案していた直治はふと思いだし、袂を探った。そこから出てきたのは、金平糖。
（短冊を書いたら貰ったんでした）
　直治は透明な包みを開け金平糖を口に放り込む。その甘い味が口いっぱいに広がると。
（あ、あれ？）
　何だか心がうずうずしてきたのだ。突然の変化に直治は戸惑う。けれども。
（何だか、楽しいな）
　そうなのだ。せっかくのお祭りだから楽しめばいいのだ。七夕というこの１日を。

　直治は賑やかな境内を眺め、微笑んだ。

運営部より

七夕ゆかた祭りの１日を描くシナリオは２つあります。

　　　　★ 昼の部　※このシナリオです！
　　　　　９月１５日公開／ＫＡＮマスター

　　　　★ 夜の部
　　　　　９月２２日ごろ公開／蒼色クレヨンマスター

１人のＰＣさんが２つのシナリオ両方に参加することは大歓迎です。
１つずつ独立したシナリオのため、シナリオをまたいでの行動はできませんが、
昼の部でミス織姫になって、夜の部で○○○を楽しむ、といった行動もできます！

★ おまけルール：あとからイラスト

　　　アクション投稿期限までに注文した「対象イラスト」に限り、
　　　アクション投稿時にイラストを指定しなくても、リアクション本文中で挿絵として採用される特別ルールです。

　　　シナリオにあったイラストがない、シナリオにあわせて改めて用意したい、という時に
　　　イラストとシナリオをダブルで楽しむことができます。

　　　＜ステップ１＞アクション投稿期限までに、対象イラストを注文する。（対象イラストは、シナリオによって異なります）
　　　　　　　　　　※今回の対象イラストは「全身イラストＳ」と「フリーイラストＳ」です。
　　　　　　　　　　※今回は、すでに注文していて公開前のイラストも「あとからイラスト」として指定できます。
　　　　　　　　　　　この場合、すべてのイラストタイプが対象です。

　　　＜ステップ２＞アクションの「キャラクターの行動」欄の冒頭に【イラスト：×××（ここに発注番号）】と記入する。
　　　　　　　　　　（例：発注番号が12345の場合【イラスト：12345】）
　　　　　　　　　　※通常の「指定イラスト」は、登録しないままアクションを投稿してください。

　　　※担当マスターはイラストの発注文やイラストを見ずに執筆します。
　　　　イラストとの齟齬が生じる可能性がありますので、必要なことはアクションに記載してください。

　　　※リアクションがイラストより先に公開される場合、
　　　　その時点ではイラストは表示されず、イラスト公開後（数日以内）に本文に挿入されます。

　　　※アクションに記入した注文イラストが、アクション投稿期限後にキャンセルとなった場合は、
　　　　再注文することで、そのイラストが「アクションに記入されたイラスト」と見做されます。
　　　　イラストの内容やイラストレーターは前回の注文と同じでなくても問題ありません。
　　　　なお、再注文の時期はキャンセルから１週間以内です。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

ＫＡＮ

マスターコメント

　こんにちは、ＫＡＮです！
　今回は七夕ゆかた祭り（昼）をお届けにあがりました。

　薄野九月さん、津島直治さん、アケーチ・タッマーキさん、ガイド登場ありがとうございます！
　もしご参加頂ける場合は、ガイドにかかわらず自由にアクションをかけて下さいね。

　織姫と彦星の１年に１度の逢瀬。その幸せのお裾分けを貰って、七夕を楽しもう～♪

　このシナリオでできること

　こちらのシナリオでは夕方までの七夕の時間を自由に過ごす事が出来ます。
　なお、寝子島神社では『七夕ゆかた祭り』として、屋台や催しも行われているようです。

　※アクションは１～２個程度に絞って下さると嬉しいです。
　　多岐にわたる場合は描写が薄くなりますのでご了承下さい。

　寝子島神社での「七夕ゆかた祭り」

【屋台】

　参道商店街から寝子島神社まで、たくさんの屋台が軒を連ねています。綿飴やヨーヨーなど、大体の屋台は揃っています。

　ＰＣさんも屋台を出す事ができます。その際コメントページで『こんな屋台を出すよ～』と宣伝して頂くと、他のＰＣさんもアクションが書きやすくなります。是非ご利用下さいね。

【短冊】

　寝子島神社の鳥居の両脇に、大きな笹がたてかけられています。鳥居では巫女さんが短冊とこよりを配っているので、是非お願い事を書いて飾って下さい。
　なお、短冊を貰う時、巫女さんから金平糖も貰えます。この金平糖には神魂の影響で、不思議な力が宿っています。

　　・青……誰かに会いたくなる
　　・赤……少し惚れっぽくなる
　　・黄……お腹が空いて食べ物が美味しくなる
　　・白……愛を叫びたくなる
　　・紫……人肌恋しくなる

　短冊は１枚だけ、金平糖もその時１粒しか貰えません。（透明な袋で個包装です）
　金平糖はいつ食べても自由ですが、不思議な力の効果はこの日の夕方まで（このシナリオ内）です。

【愛を叫ぶラブラブミルキーウェイ】

　大声イベントです。境内に壇が作られています。イベント参加者はそこに上がり、見物人の前で愛を叫んで下さい。
　愛は何でもいいです。愛情、友情、恋、趣味、性癖……。ありがとうの気持ちでも大丈夫。大きく取って下さい。

　　・何に対する愛なのか
　　・どうしてそれを愛するのか（どういうところが好きなのか）

　以上を叫んで頂きます。持ち時間は１分です。ＰＣさんの名前を叫ぶ時には必ずＧＡを組んで下さい。
　両人が壇上に上がってそれぞれ叫ぶなんてのも勿論ＯＫ。天の川に熱い思いを叫んで下さい。
　（恥ずかしがり屋さんは、主催者が無理矢理壇上に上げたなんてアクションでもいいですよ～）
　
　なお、イベント参加者は、ミス織姫、ミスター彦星として夕方、寝子島神社から旧市街に続く参道を山車に乗ってパレードして頂きます。その際はイベント主催者から織姫か彦星の衣装を渡されますので着替えて下さいね。
　男だけど織姫、女だけど彦星もＯＫ。アクションに書かれた場合、そのように手配します。（主催者側のミスで……なんていうのもＯＫ）

　自宅やお店など、神社以外での行動

　特に神社のお祭りには参加せず、別の場所で過ごす事も出来ます。
　ただし寝子島内です。

　ＮＰＣ

　特定のマスターさんのＮＰＣ以外は登場できます。以下の点をご確認下さい。

　　　・ＮＰＣの自宅や、ＮＰＣを自分の家に呼ぶ事は出来ません
　　　・偶然出会った描写となります
　　　・時間は１～２時間程度です

　ロマンチックに過ごすもよし、わいわいと過ごすもよし。
　七夕を目一杯楽しんで下さいね♪