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闇ありて棲み処は澱む<2>
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●みっつめの分かれ道
細くうねって先の見えない道行きは実際以上に長く感じられるものだ。見晴らしのよい地上の草原であればもしかしたら、ほんのそこまでと感じられる距離であったかもしれない。しかし暗い地下の左右から押し迫ってくるような陰鬱な岩壁に挟まれて、しかもいつヌシの使いのような敵に襲われるやもしれぬという緊張と戦いながら幾度も分かれ道を経てきた一行の精神的な疲労は相当なものとなっていた。先がわからない、というのは本当に疲れる。
そんななかマリエッタの<アーキテクト・アナリシス>の能力はありがたかった。闇深い地下洞窟で、ぼんやりと薄明かりくらいであっても先を見通せるということが、こんなに心の支えになるとは思わなった。
上の道を調べてきた紫たちが分かれ道まで戻ると、休息していた夏夜たちが待っていた。下の道へ向かった仲間が戻って来ていないところを見ると、先の分れ道はやはり下へ行くのが正解だったようだ。
道を変えて歩き出すと、幸い、下へ向かった仲間にすぐに追いついた。下への道を進んだ先にはさらに分かれ道があり、そこで待っていてくれたからだ。
今度の分れ道は三つ。
左への穴は歪んだピーナッツ型、真ん中の穴は円に近く、右への穴は角ばっている。
「きなこ、においは?」
道哉が尋ねる。
「まんなかがつよい……でも、みぎとひだりのみちも、きになる」
「私のろっこんで見ても、真ん中の道が先まで続いていそうだけれど、それ以外の道の先にも何かあるかもしれないわね」
マリエッタが告げると修がすべての道の調査を提案した。
「三手に分かれよう。俺は真ん中に行く」
修に続いて、夏夜と豪、パンダと茂も真ん中の道を選ぶ。
学、紫、道哉が左の道。
小次郎、真白、マリエッタ、きなこが右への道を調べることとなった。
◇
「なにこれ。座敷牢?」
左の道を進んだ先に現れた木製の格子戸のまえで学は立ち止まる。カメラにつけた照明でぐるりを照らすと格子戸の向こうは狭い空間で、行き止まりだ。
格子戸の上部に千切れた古びた細い縄がぶら下がっている。紫手にしていた槍の先でそれを突いた。
「しめ縄だ」
しめ縄は何かを祀る場所や聖域に張られる一種の結界だ。
すなわちここが神事に纏わる場所であったということだろう。
その瞬間ふわりと春風のような爽やかな気配がした。格子戸の向こうにぼんやりと浮かび上がったのは、黄色い服を着た少年の霊。
「……ヒカルくん?」
彼は部屋の隅を指さしたかと思うと現れた時と同じようにふわりと消えた。
「部屋のすみに何かあるね」
戸をガタつかせてみたが錠が頑丈で簡単には開きそうにない。壊しても良かったのだが、幸い格子の幅が広かったので、道哉が猫に変じて中に入って落ちていたそれを咥えてきた。
「櫛か」
半月型をした木製のもので、小さくて可愛らしいサイズの櫛だ。子ども用だろうか。
古びて黒ずんでいたが、袖で拭ってみれば高貴な人が持つような桃の花の細工が現れる。
「桃の木の櫛か。魔除けだね」
そういいつつ、鬼の紫は嫌悪の表情で鼻のわきに皺を寄せた。
「おっと、こっちに近づけないでくれ。鬼にとって桃は忌むべきもののひとつだよ。だがそれを持っていた人間にとっては厄を払うものだったろうね。子ども用みたいだから、親の願いが込められてるかもしれない」
「ここに閉じ込められていた人のものかな」
学はなんとなく心がざわつくのを感じた。
この櫛の持ち主はいったいどうなってしまったのだろう。
◇
右の道は、小次郎が<幻術・七宝行者>で作り出した幻影の灯りで明るかった。
こう明るければ、闇の中から突然蛇もどきに襲われるという危険はほとんどない。こちらが敵を見つけるほうが断然早く、その都度小次郎の釘ロッドや、真白の硬化傘や、マリエッタのハンマーで打ち付けるという対応が取れるからだ。きなこがふわふわとその後をついてくる。だが、彼女の顔はどうも浮かない。
道はそう長くなく、行き止まりには6畳ほどの広さの空間があった。
そこは他の場所と明らかに違っていた。
年月こそ経ているが神棚を思わせる祭壇があった。手前には厚く埃をかぶった瓶子や皿が置かれており、その奥には1メートルより少し長い長方形の石棺らしきものがある。
「あ……あ…、……」
きなこが声にならぬ声をあげた。
「どうした、きなこ?」
小次郎の問いかけにも答えられず、きなこは口元を手で覆って震え続ける。
そのときふわりとヒカルくんの霊が石棺の隣に立った。
彼はそっと石棺を指さして消える。
「……あの中を改めろってことかな?」
真白と小次郎とマリエッタは互いに顔を見合わせる。
こんなことは本当は罰当たりかもしれない。けれどヒカルくんが何かを伝えようとしているのも確かだ。
ここまで来たのだ。知らずには帰れない。
三人は力をあわせて、石棺の上に乗っていた平らな石の蓋をゆっくりと押し開けた。
小次郎の幻影の灯りに照らされて、まず見えてきたのは花嫁衣裳を思わせるような真っ白な着物。
さらに蓋を押す。
すべてが晒されたそのとき。
純白の花嫁衣裳に包まれるように現れたのは、明らかに子どもの、小さな木乃伊であった。
「ああっ……!」
木乃伊を見た途端、きなこは空中で雷に打たれでもしたかのように痙攣する。
うっすらとした幽霊の身体が、明滅するように濃度を変える。
しばらくして明滅は落ち着いたときには、きなこの様子はそれまでと違っていた。
「――おもいだしたの。これは、わたし」
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闇ありて棲み処は澱む<2>
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
闇ありて棲み処は澱む<1>
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月09日
参加申し込みの期限
2022年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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