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闇ありて棲み処は澱む<2>
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●エピローグ
ギュルギュルとドリルの音が響く。
一行はマンションYに戻っていた。
マリエッタがドリルで地下へと続く黒いドアを封鎖し終えると、仲間たちは中庭に集まった。
吹き抜けの中庭には、雲間から差し込む光が届いている。
それを見たとき、一行はようやく息をつくことができた。
豪が、ん、と咳払いして事件をまとめる。
「このマンションが幽霊マンションになったのは、夜刀神が原因だったんだな。餅々が感じていたにおいも、夜刀神のものだった。生贄にされたとき嗅いだにおいだったから、当時のことは思い出せなくてもイヤだと思ったし、苦しいとも思ったってとこか」
きなこも、その点は腑に落ちたようだ。
「なんびゃくねんもかかったけれど……わかってよかった。もう、おそれなくてすむもの」
「それに霊界も救われた」
紫がウィンクして付け加える。
「あんなヤツが足の下にいたとは驚きだが、眉間に刃を突き立ててやったんだ。力あるものだからあれで討てたかはわからんが、力を取り戻すにしろ、次のヌシが生まれるにしろ、数百年はかかるだろうさ」
「ところでさ、まだいくつか分からないこともあるんだけど」
ビデオを見返していた学が皆の顔を見回す。
「ひとつは、ふたつめの分かれ道の先で見つけた、折れた棒のこと」
それはマリエッタが持っていた。相当古くて真ん中からぽっきりと折れている。地上の光の元でよく調べてみるとそれは杖だったようで、持ち手の側に蛇の頭らしき彫り物があった。
「標の梲(しるしのつえ)だったものかもしれないな」修が言った。「ヒカルくんは自分が社から矛先を持ち出したことが、夜刀神の封印を解いてしまったと考えていたようだけれど、こちらが折れて地下にあった境が無くなったことが先だったのかもしれない」
「とりあえず直して、ここに立てておく、っていうのはどう?」
真白の提案で、矛と同じように布で折れたところを巻いた杖を<鋼の如く>で硬化する。
社があったあたりの地面に杖を立てると、矛もそこに並べ立てた。
「これ以上祟るのは勘弁してくれよ、夜刀神。ここで祀ってやるからさ」
豪が手を合わせたので、皆も倣った。きっと古代の麻多智も同じ気持ちだったろう。
これで一つ解決した。
学はポケットをまさぐると、
「もうひとつはこれなんだけど」
と、最後の分かれ道の先で見つけた桃の木の櫛を差し出した。
身を乗り出したのはきなこだ。
「かあさまにもらった、わたしのくし!」
このときはじめて、きなこの大きな瞳から、涙の大粒が零れ落ちた。
「かあさま……かあさま……っ!」
あとから聞いたところによると、きなこは座敷牢での精進潔斎を経てから儀式に臨んだという。
我が子が生贄に選ばれた母の想いは如何ばかりだったろうかと思うと、学は胸が張り裂けそうになる。
思えばこの事件は、どこをとっても勧善懲悪とは行かなかった。
夜刀神が悪かったのか。
それとも神の領域を犯した人間が悪かったのか。
きなこを生贄を出すことに決めた人たちは罪びとか。
現代に至っては、犯人は自分だと告白したヒカルくんは、死してなお悔い続けるほどの罪はあったのか。
誰も彼もそのときそのときを、ただ生きていただけではないのか。
掛け違ったボタン。不運の連鎖。
ただひとつ言えるのは。
「こんなことは、ここでおしまい。そうだよね?」
学は櫛をきなこに渡した。きなこはそれを手に取り――幽霊でも強く意識すれば物に触れることができる場合もある――胸に掻き抱いて泣いた。
「それで君はこれからどうする?」
しばらくきなこを見守っていた道哉は、ヒカルくんの方に向き直る。
「幽霊として霊界で暮らすなら力になるよ。望むなら、幽霊でも食べられる美味しいたい焼きのことも教えてあげよう」
しかしヒカルくんはその申し出には首を振った。
「ぼく、もう行くよ。みんなが夜刀神をたおしてくれたおかげで、パパもママもお姉ちゃんもすくわれたから」
そういって天を仰いだヒカルくんの視線の先、五角形の建物の吹き抜けの上には、谷守家の人々の霊が浮いていて、ヒカルくんを呼ぶように手を振っているのが見えた。ヒカルくんはすうっと浮いて家族の元へ向かう。
「さようなら。ほんとうのことを見つけてくれて、ありがとう」
「君が悪かったんじゃないよ」
道哉は手を振って見送る。
ひとつになった谷守家の家族たちはどんどん上昇し、やがて光の粒となって天に消えた。
すべてを終えて、一行はマンションYを後にする。
去りかけて振り返り、修は最後の疑問を口にする。
「マンションYの『Y』とはつまり……」
「夜刀神のY。幽霊のY。あるいは標の梲のかたち? ――さあ、どれだろう。その真実は……わからない方がいいような気が、俺はするよ」
茂に肩を叩かれ、憑きものを払われたかのような思いがして修は顔を上げる。
「そうですね。――帰りますか。俺達の世界に」
<了>
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。笈地です。
闇ありて棲み処は澱む、第2話をお届けしました。
続けてご参加いただいた方も今回からご参加いただいた方も
ありがとうございます。
【今回の正気度判定】
★分かれ道1
青木 学さん ( 5―1=4 )
恵御納 夏夜さん ( 3―4=
0
)
鏨 紫さん ( 10―2=8 )
龍目 豪さん ( 9―2=7 )
笹川 帆太 ( 3―3=
0
)
海原 茂 ( 5―2=3 )
★分かれ道2
青木 学さん ( 4―1=3 )
鏨 紫さん ( 8―4=4 )
白 真白さん ( 12―1=11 )
マリエッタ・ラシュリエさん ( 7―1=6 )
三毛谷 道哉さん ( 5―1=4 )
餅々 きなこ ( 7―4=3 )
★分かれ道3
青木 学さん ( 3―2=1 )
化神 小次郎さん ( 9―3=6 )
鏨 紫さん ( 4―1=3 )
白 真白さん ( 11―2=9 )
マリエッタ・ラシュリエさん ( 6―1=5 )
三毛谷 道哉さん ( 4―1=3 )
餅々 きなこ ( 3―2=1 )
お名前のない方は正気度が怪しくなる危険に遭遇しませんでした。
かなしい過去もあったのですが
真相のほとんどを解いてくださった方もいて
おかげさまで完結することができました。
見届けていただきありがとうございました。
それではまた別のシナリオでお会いしましょう。笈地でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
闇ありて棲み処は澱む<1>
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月09日
参加申し込みの期限
2022年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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