this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
闇ありて棲み処は澱む<2>
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
●ヌシとの戦い
最後の分かれ道の真ん中を選んだ先、最奥部の鍾乳洞の広間に、ソイツはいた。
とぐろをまいてぬめる身体は鯨のように巨大で、鎌首を上げたその目は赤く光っている。頭部は冠を被っているかのように苔むし、額からまっすぐ、水晶のように淡く輝く巨大な剣のような角が生えていた。
「水晶の角の蛇……これがヌシなの?」
真白は目を見開く。折り畳み傘を握る手が汗ばむ。これまで見てきた蛇もどきとは段違いの圧だ。
地上ではきなこしか感じられなかった「イヤなにおい」は、今は全員が感じている。
嗅覚で感じるにおいだけではないのだ。ヌシという存在が放つ強烈な悪意のようなものが、においと表現できるようなものとなって、あたりに満ち満ちている。
『人間ドモメ。我ガ領域ニ足ヲ踏ミ入レタコト、後悔サセテヤロウ』
シュウシュウと吐息の合唱のような音が響く。懐中電灯やスマホの灯りを向けてみれば、ヌシの身体は途中で幾又にも枝分かれしているのが見えた。蛇の巨体から人間の腕ほどの触手がいくつも生えていると例えればよいだろうか。それぞれの触手はヌシの使いに似ている。或いは黒い角のある蛇のかたちをしたヌシの使いは、ヌシ本体から産み落とされたものなのかもしれない。
「ううう、ヌシとかいう奴超きめぇ!」
小次郎が吐き捨てる。
ヌシの攻撃をかわしたりするなどのロスタイムなどを考えたらそんなに悠長にしていられない、と考えたマリエッタが、即座に皆に声をかけた。
「短期決戦で一気に突破を図りましょう」
「そうだな」
一手目として修がヌシの真上の鍾乳石を<分解>で落す。
あれがこの空間で好き勝手動き回っては堪らない。
尾の一振りでこちらが一気に薙ぎ払われそうだ。
だから、まず、狙うは尾。
狙った通り、落ちた幾本もの鍾乳石の一本が尾に刺さる。
残りは直撃こそしなかったものの、ヌシの動きを封じる位置に次々刺さった。
その機を逃さず、魁として紫が跳躍する。
硬化した麻多智の矛を振りかぶったその顔には笑みすら浮かんでいる。
「このいかにもな青銅の矛、存分に喰らわせてあげよう!」
こうした金属器は人にとっては魔除けだ。あやかしの類を打ち払うならその形以上の意味があることもある。自分のような鬼に対してもそうだから、わかるのだ。
「怪力乱神!」
紫は持ち前の怪力で矛を振るい、ヌシの水晶の剣を折るつもりで打つ。
しかし敵もさるもの、そう簡単に最大の武器を折らせてはくれない。
「く、堅い、な!」
呻く紫に、身体の途中で枝分かれした蛇たちの反撃。
「鏨さん!」
「こっちは任せろ。雑魚にかまわず鏨は頭を頼む!」
夏夜と豪がフォローに入り、紫に纏わりつこうとする触手のような蛇たちを折り畳み傘や懐中電灯で打ち倒していく。
と、そのとき、少し離れたところでカメラを構えていた学が叫び声をあげた。
「う、わあああ!」
触手のような蛇の一本が、学の首に巻き付いている。カメラを顔の前に構えていたおかげで、咄嗟に左腕を挟んで隙間を作ったから良かったものの、そうでなければ瞬時に首を締められていただろう。真白が駆けつけ、硬化した折り畳み傘で殴打する。おかげで束縛が緩み脱出に成功する。
「ひー。危機一髪、助かった! ありがとう、白」
「気にしないで。けど、1体のくせにあっちこっち身体が分かれてて手数が多いから厄介だよ。学君、離れたところから見て指示してくれない?」
「わかった」
そうは言ったものの、マリエッタが言ったように、長引けばジリ貧だ。
「せめて弱点がわかれば……!」
「そういうことなら」
請け負ったのは道哉であった。
「ヌシにも言い分はあるのかもしれん。だが敏郎たちの未来を奪ったのには変わらない。きなこも手にかけたのなら尚さらだ。はらわたが煮えくり返る……」
私らしくもない、と道哉は自嘲を覚える。血気盛んな昔に戻ったようだと。
分かっているのは、夜刀神にかける情けはない、ということだ。
道哉はあやかしとしての能力<ほころびの光>を使う。この力を使うと、脆いところが光って見えるのだ。
そのとき光って見えたのは、ちょうど目の後ろ側、苔むした後頭部であった。
「頭の丑寅だ」
あやかし同志ならば伝わるかと道哉は方角を干支で伝えたが、よく伝わらない。
は、と道哉は小さく笑って覚悟を決めた。「失礼するよ」と猫になり、巨大な蛇体を駆けのぼると、光の見えた頭部でここだ、と示す。
「あたしに任せな!」
道哉から弱点を聞くや、駆け出したのは小次郎だ。
「みんな、目ェ閉じな!」
<幻術・七宝行者>による幻影でストロボ的な閃光を炊く。
化け物相手にどれほど効くかと案じていた閃光は、大いに効いた。暗がりで生きてきたヌシにとっては激しすぎる光であったのだろう、大きく身を後ろに仰け反らせる。小次郎は目くらましの直後にヌシの後ろに回り込んでいた。その後頭部目掛けて、釘ロッドで強烈な一撃を放つ。その直前、道哉は頭部から飛びおりていたのは言うまでもない。
「食らえ!!」
釘ロッドの一撃は、ヌシに小さくないダメージを与えたようだ。
ゆらあり、不安定に太い首が揺らぐ。
「勝機が見えたね!」
紫の身体がみるみる大きくなる。<大聳えの黒檀>で身体のサイズを二倍まで大きくできるのだ。脈動する二の腕の筋肉。<怪力乱神>による怪力も惜しまず乗せて、全力で麻多智の矛を、夜刀神の水晶の剣の根元に突き立てる!
びきっ、と音がした。
鉱物が死を迎えるかのような音だ。
『欲深キ者ドモヨ……ソナタラガ境ヲ弁エズ蔓延ルコトデ、歪ミ、澱ムコト、努々忘ルル勿レ』
パキパキと音は広がり、音に続いて水晶の剣の表面に罅が走る。
視野を広くもつならば、夜刀神の言うことにも一理あるのかもしれない。自然の摂理を踏みにじったのは人間の側で、加害者と被害者の構図はヌシの側から見たら逆なのかもしれない。
それでも道哉は思わず吼える。
「人が過ちを犯して恨んでいる口か? こちらが悪いと断言できるなら言ってくれ。納得できる材料をおくれ」
夜刀神の口から断末魔の咆哮が上がったのが先だったか。
それとも額の剣が根元から折れて地に落ちるのが先だったか。
いずれにせよ、道哉の問いに答えはない。
「人の命を奪うことを繰り返してきたお前は、やはり在ってはならぬのだよ。こ……」
殺してやる、と口にしかけて、その言葉は使いたくないと頭を横にふる。
「――引導を渡してやろう」
そう言って伸ばされた手にはしかし、いまだ死に対して躊躇いがある。
代わって、折れた水晶の剣を拾って夜刀神の眉間へ突き刺したのは夏夜だった。
赤く光っていた瞳から光が失われる。
そのあと、スローモーションのようにゆっくりと。
不遜にもたげられていた鎌首は地に倒れた。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
闇ありて棲み処は澱む<2>
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
闇ありて棲み処は澱む<1>
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月09日
参加申し込みの期限
2022年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!