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闇ありて棲み処は澱む<2>
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●心残り
今は昔、このあたりは葦の生えた湿地――谷地であった。
人々はこの地を集落をつくり、湿地を拓いて食物を育てたいと思っていたが、本土から来た夜刀神が棲みついて邪魔をするので、じきに食うに困るようになった。
頭を悩ませた集落の者たちは、生贄を出して夜刀神を鎮めることにした。
選ばれたのは、まじないをよくし谷を守る家――いわゆる巫覡の家系の娘であった。
「――それが、わたし」
探索の仲間は今、全員が木乃伊の見つかった右の道に集結していた。
きなこの話を聞いた夏夜は憤りを隠しきれない。
「つまり――神を鎮めるための人身御供だったと! なんてことを……こんな幼い子を贄に……!」
外れてほしいと願っていた推測だった。
生贄なんてばかげていると叫びたかった。
しかし科学が発達する以前、人々の寄る辺は信仰や迷信のほかになかったのだ。
「きなこさんは、夜刀神を鎮める為の生贄として、小さな体に花嫁衣裳を着せられて死んだというの?」
きなこはなにごとか口にしようとした――その悲しそうな笑みから察するに、仕方なかったのだ、とか、皆のためになったのならそれでいい、とか、そういった類のことを言いかけたのだろう。だが、もしその言葉が発せられたとして、それが真実だというならば、きなこは霊になどならなかったろう。心残りが何もなかったなんて、そんなわけがない。
そのとき気配がふわり緩んだ。ヒカルくんの霊がきなこのすぐそばに現れる。
ヒカルくんはきなこを抱きしめるようにその身体に腕を回した。
「もしかして、」
気づいたのは修だった。
「きなこの家は、【まじないをよくし谷を守る家】って言っていたな。夜刀とは谷を表す言葉、谷の自然神だ。ヒカル君の苗字は【谷守】。君こそがカギではないかと思っていたが――もしや、きなこの一族なのか?」
きなこがはっとして振り返る。
ヒカルくんはきなこから離れると、正面から向き合う恰好になった。
「そうなの?」
きなこの問いかけに、ヒカルくんは頷く。
「おとうさんが、おおむかし、おそろしいヌシさまをしずめるために、ヌシさまのはなよめになった女の子のおはなしをしてくれたよ」
「きなこさんのことが伝わっていたということか。ハ! 花嫁とは、物は言いようだな。それで?」
紫は面白くなさそうに鼻を鳴らして、ヒカルに先を促す。
「ヌシさまはそのときはしずまったけれど、いつまたわるさをするかわからないって。ぼくらの家は、ヌシさまがまたあばれださないように、土地をまもる役目をしてきたんだ」
真白は五角形のマンションの、五角形の中庭にあった小さな社のことを思い出していた。
「じゃあ、中庭のアレは……」
「うん。ぼくらの家が代々まもってきたものなんだ」
「もしや建物が五角形なのもまじないか」
そう言ったのは修だ。
「五角形の頂点を繋げば五芒星を描ける。五芒星は一筆書きで描くことができるから、魔の入る隙を与えない効果があるとして、魔除けや封印に用いられたりもするんだ」
麻多智と夜刀神との戦いは、伝承によるとこう締めくくられている。
麻多智は人の地と神の地の境に「標の梲(しるしのつえ)」を立てると、祟りのないよう夜刀神を祀る社を設けて、自ら神の祝(ほうり)となった。以後、麻多智の子孫は代々祭祀を続けたという。
「伝承に照らすなら、社があったマンションYは現代の標の梲だったのではないだろうか。Yは、五角形――すなわち五芒星の中心に、社を据えたと考えれば理解し易い」
「そういえば、新聞記事に谷守さんは建築家だったって書いてあったな。谷守さんはただの住人じゃなく、あのマンションを建てた人だったのか?」
修と豪はそう言い合うと、答えを求めるようにヒカルくんへ視線を向けた。地下への入り口となった1階の黒いドアの存在は、建物を作った人間がこの地下洞窟のことを知っていたことを示している。中庭の社のことも考えれば、夜刀神のこともだ。なにしろ麻多智の矛先はもともとあの社で祀られていたと考えられるからだ。
「あのたてものはパパがつくったんだよ。パパはいってた。パパの次はヒカルが守っていくんだよ、って」
「谷守の一族は夜刀神を封じるために、歴史のどこかで麻多智の穂先を手に入れた。以来、それを祀ってこの地の夜刀神を封じてきたんじゃないか?」
ヒカルくんは弾かれたように顔を上げたのを見ると、修の考えはおおむね当たっていたようだ。
「社の意味はわかった。けどなんで、俺らが調べた時、404号室の谷守さんちに穂先があったんだろう?」
学が質問を挟む。
次の瞬間、なぜかヒカルくんは唇を噛んで俯いた。
「社の中には、おおむかしヌシさまをたおした強いぶきがある、ってパパがいってたから、ぼく、みてみたくて社をあけたんだ。すごくふるくてぼろぼろだったけど、すごく強そうでかっこよかった。だからぼく、とっちゃったんだ。こっそりいえにもってかえって、ぼくだけのひみつのたからものにしようって。それからしばらくして、中庭に水が出るようになった」
話すヒカルくんの顔に浮かぶのは後悔の色だ。
「ぐしょっとしてくさいにおいがする水だよ。ぼくがそこであそんでたら、黒くて角のあるへびがいて、しゅるしゅるって水の中にはいっていった」
ヌシの使いのことだ。
「そのことをパパにいったら、パパはあおくなって社を見にいった。社の中にぶきがなかったから、びっくりして『ふういんがとける』っていったよ。あのとき……ぼく、パパにいえなかった。ぼくがはんにんだったんだ。パパにばれないうちに、もとのところにかえさなきゃとおもったんだけど、どこにいったかわかんなくなっちゃって……」
ぐす、ぐす、とヒカルくんの嗚咽が混じる。
「みつからないうち、ぼく、またすっかりわすれちゃって……」
難しい言葉も交えて一生懸命話してくれているが、ヒカルくんは新聞記事によると当時6才ということだった。仕方あるまい。
「あるひ、ぼくのいえにあのまっくろいへびが来たんだ。ぼく、あのぶきが、おもちゃばこの下におちてたのをみつけて、なげたけど、まにあわなかった。パパも、ママも、おねえちゃんもしんじゃった! ぼくのせいだ!」
ヒカルくんはとうとう泣きじゃくりはじめる。
そんな彼の傍に片膝をついて、触れられない頭を撫でるようにしながら慰めたのは道哉だった。
「――そんなに、自分を責めるな」
「そうだぜ。悪いのは夜刀神じゃねえか」
小次郎も憤慨し、釘ロッドをぶん回す。
「夜刀神め! 人を悲しませるのも大概にしろ! これから行ってシバキ倒してやらあ!」
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闇ありて棲み処は澱む<2>
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
闇ありて棲み処は澱む<1>
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月09日
参加申し込みの期限
2022年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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