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花咲く夜の夢『モンド・デ・フィオーリ』
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森に降る通り雨は格別だ。
頭上を幾重にも覆う枝葉に弾かれて、雨粒はぽろん、ぽろろん、音楽を奏でるように落ちてくる。
森の空気は水分を含み、雲間から陽が射してくるのと同時に濃い緑と花の匂いが立ち上る。
年老いた幹に巻き付く翡翠色の蔦。項を垂れて雨をしのいでいた花々が震えながら日差しの方へ顔を上げる花たちはシルクの手触りのアメジスト色。ゆるり花弁の開いてゆく様は、年若いバレリーナたちが一斉にチュチュを広げて踊り出したかのようだ。
「やれやれ。雨は行ったようですね」
大きな緑の葉の一枚ががさごそと動き、その下からエルフのような容姿の
ルイセ・ミュレーズ
が顔を出す。
寝子島民から見たらファンタジーなこの世界も、星幽塔の民である彼女にとっては寧ろ故郷の森に似て親しみのある場所であった。尤も、生まれ育った森の隠れ里では、すべてがこんなに巨大には見えなかったけれど。
「HAHAHA。森の動植物には詳しいと自負するこの私でも見たことのない草花や木の実があるとは。モンド・デ・フィオーリ、侮れませんね」
ちょうど座るのにちょうどいいクッションほどのサイズの紫色の花々をじっと観察。大丈夫、危険はなさそうだ。植生こそ違うものの、自然の在り方としてはルイセが知っているものと然程違いはないようである。これならば、身体に沁み込んだ森の作法が通用するだろう。
「して、そこな少年。それはなんの遊びですか?」
見上げた巨木の幹。ジャックと豆の木よろしく絡みついた太い蔦に、明るい色した癖毛の少年がしがみついている。あたりに咲く花に溜まった雨粒のように澄んだ青い瞳の彼、
羽奈瀬 リン
は、ルイセの問いかけに焦ったように言葉を返した。
「遊んでいるわけじゃないよ。雨が降って来てあたりが川になっちゃったから樹上に避難していたんだ」
たしかに窪んだ根の合間を雨の名残が小川となって流れている。彼の判断は正しい。森がこうしてすぐに姿を変えるものだということをルイセはよく知っていた。
「で、下りられなくなった、と」
リンは返事をする代りに、幼さの残る頬をぷっくりと膨らませる。図星だったようだ。
「手助けはいりますか?」
「い、いらない!」
穏やかそうな見た目に反して、負けず嫌いなところがある彼は即座に強がってしまった。言ってしまってしまったと思ったが後の祭り。ルイセが、本当に?と言わんばかりににやにやとリンを見上げているのも面白くない。必死に頭を働かせ、リンは自らの拒絶について、より説得力のある理由をひねり出した。
「それにさ。高いところから『伝説の蝶』を探す人も必要でしょう?」
ふむ、とルイセは顎に手を宛てる。
そうだ。伝説の蝶とやらを探していたのだ。
伝説の蝶とはいかなる姿をした蝶であろう、とルイセが思いめぐらせていると。
「わあっ……!」
リンがしがみ付いている蔦が巻き付いている巨木の洞から、弾けるような少女の声が響いて来た。
声の主は
佐藤 瀬莉
であった。
艶やかな黒髪は左右に結い上げ、赤や緑や紫の輝石の髪飾りで留めてある。纏っているのは花の妖精めいた衣装で、さかさまにした花びらを腰のあたりで細い蔦で括り、髪飾りと揃いの色とりどりの輝石と革製のボタンで留めてあった。
巨木の洞で雨宿りをしていた彼女が突然歓声をあげた理由はと言えば、鳥の巣かと思って身を寄せていたふかふかが、思いがけず動いたからであった。瀬莉が鳥の巣だと思っていたそれは純白の毛並みをした、リスともオコジョともつかぬ動物の尻尾だったのである。
「うわあ、もっふもふ! かわいいっ!」
ウサギのような長い耳。手足は小さく、代わりに背中に半透明の翼のようなものが生えている。あの翼で支えるには身体も尻尾も大きすぎるから、かつては空を飛んで暮らしていたのが、地上の餌が豊富になるにつれ、身体が肥えて翼が退化していったのかもしれない。
瀬莉が抱きついているしっぽが動く。その向こうにもう一匹、一回り身体の小さな個体がいる。真っ赤な木の実が蓄えられているところを見ると、彼らはつがいで、ここは彼らの巣だったのだろう。身を寄せ合う彼らの仲睦まじい。いずれ子が産まれるかもしれないという想像は、瀬莉をより笑顔にした。
「あなたたち、お名前はなんていうのかな」
「名付けてもいいのでは? この世界に、人の言葉で名付けそうなものはいないようですし」
ルイセが声を掛ける。
「ベルンボルッチョとか、ニュロオウジェクチとか」
ルイセが提案した、不思議な、しかもイマイチな響きの名前候補を当然ながら瀬莉はばっさり拒否。
「カルニィエにする!」
それはある老舗時計メーカーの名で、懐中時計いじりが趣味で将来時計職人になりたいと思っている瀬莉にとっては憧れの響きであった。
雲はすっかり遠くへ行ってしまったのであろう。
日差しが強くなるにつれ、森の景色が変わってきた。
金色(こんじき)の光が射しこみ、水滴に反射して、森中にプリズムと光の粒子が生まれている。
雨露に濡れた花たちは光の恩恵に与かろうといっそう気高くその身を伸ばす。
何処からともなく光る蝶が現れたのは、そんな瞬間のことだった。
「見て、ユウくん! 蝶だよ!」
鬼河内 萌
は喜色浮かぶ声で、雨宿りしていた花の下から身を乗り出した。
そこは萌と、彼女が想いを寄せる
野菜原 ユウ
のふたりがくっついて座ってめいっぱいというサイズの岩の上で、身を乗り出した拍子にうっかり滑り落ちてもおかしくないような狭い場所だったものだから、ユウは慌てて萌の腰に手を回して支える。
「わかってる。見えてるよ。だから落ち着け!」
「落ち着けないよ! どっか行っちゃったらどうするの!」
「そりゃ分かってるけどさ。せめて足元気を付けろって。鬼河内、ドジなとこあるからさ。すっころんでコロコロ転がっていっちまいそうで怖えんだよ」
「むー。ユウくんの信頼、そんなにないかな、ボク」
「ない。というより、絶対ドジるだろっていう揺るぎない信頼がある!」
「えーっ。ユウくんに言われると傷つくっ。ユウくんだってけっこうトラブルメーカーじゃん?」
「いやいや鬼河内のほうが……」
喧嘩するほど仲が良いということか。もはや痴話げんかである。
「そんなことより蝶だよ、ユウくん」「そうだった」
蝶を見失っては元も子もない。ふたりは先ほど蝶が飛んでいたあたりに目を向ける。
「えっ?」
「これってどういうこと?」
どこだろう、と探すまでもなかった。
金色の光が幾筋も差しこむ森の中には、透き通った光の蝶が無数に溢れていたのである。
「いっぱい居過ぎるんだけど。『伝説の蝶』って一羽じゃないの?」
「俺に聞くな。わかるわけないだろ」
「まさか……この中から伝説の1羽を探さなきゃいけない、とか?」
萌はぞっとして両頬を抑える。そんなこと、実際のところ可能だろうか?
その刹那、びゅんっと風切り音がして、ルイセが放った矢が上空にいた一羽の蝶のそばを掠った。
打ち抜かれたわけでもないのに、蝶は鋭い風の揺らぎを受けて姿を消す。
「幻影です」
ルイセが断じる。
「光の蝶たちは雨上がりの森の幻影でしょう」
「でも本物がいるかもしれないよね?」
可能性を告げるのは瀬莉だ。
「だったらすべての蝶に触れてみればいいんじゃないかな」
リンの提案はなんとも気の長いものだったが、案外コツコツやることが近道ということもある。元の世界に帰るためにはなんとしても『伝説の蝶』をみつけなければならないのだ。
五人は自然と協力体制を取った。
「あっちにもいるよ」
リンが高いところから指示を出す。
森歩きに慣れているルイセは枝々を渡り歩き、得意の弓で蝶を掠るように風を起こし幻影を消してゆく。
剣道を嗜んでいて身軽な萌は小枝を手に光る蝶を追いかけては消し、ユウはそんな萌を追って駆け回る。
瀬莉はともだちになったカルニィエの背に乗って蝶追い。
森中を巡る大冒険だ。
そうこうするうち光の色が変わってきた。太陽が真上に上り、雨の名残の水滴たちはみな蒸発して景色がくっきりとしてきた。それと時を同じくして、光る蝶は五人の手によって、すべて姿を消してしまっていた。
「あの光る蝶は『伝説の蝶』じゃなかったんだね」
くたびれた萌はさり気なくユウの肩に頭を載せる。
ユウもくたびれていたので、それを振り払うことはせず、寧ろ自分の頭を萌の方へ寄せた。
「そうみたいだな。他の場所を探す方が良さそうだが、疲れたからちょっと一休みしよーぜ」
「さんせーい」
疲れ切った五人を見かねたのか、ふかふか真っ白なカルニィエたちが、蓄えていた赤い実を皆に分けてくれた。両手でもってかぶりつけば、イチゴのようにすっぱくて、ブドウのようにジューシーだった。
「ありがとう!」
瀬莉がもう一度カルニィエの尻尾にしがみつく。
「おいしいね。元気が戻ってくるよ」
リンも満面の笑み。
ごくんと果汁の最後まで飲み干したルイセが、口元を拭って立ち上がる。
「さて、皆の者。次の場所へ向かおうではありませんか」
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5人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
1000人
参加キャラクター数
35人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年06月30日
参加申し込みの期限
2021年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月07日 11時00分
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