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花咲く夜の夢『モンド・デ・フィオーリ』
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夕闇にぼうっと浮かび上がる、ほおずきのランプのあかり。
水辺を彩る水蓮の、あわくすきとおるピンク色。
ちゃぷ、ちゃぷ、桟橋に川の流れはたえず寄せて、きしきしと小気味よく鳴く遊覧船。
『モンド・デ・フィオーリ』の一角へ静かにたたずむ渡船場はもの珍しくも、川面の映しだす人びとの日々のいとなみはあたたかくて、やさしくて、旅人の瞳をほほえましく細めさせました。
「わ!?」
渡船場の趣き深い光景についてふれる前に目にしたのが、ずっと向こうでなにかをついばむようなしぐさを見せる巨大なフラミンゴ的な鳥だったもので、
七夜 あおい
は思わずびくりと跳ねました。少しずつこびとライフにも慣れてはきたものの、やっぱり巨大動物の迫力には驚いてしまいます。
こびととなってしばし旅を続けるなか、おとずれたのはこびとたちの比較的大きな里に面する川べりに設けられた、渡し船の発着所です。設備は簡素な造りながらしっかりとしていて、水面にずらりと咲き乱れる水蓮の美しさとともに、長年こびとたちやここを利用する旅人たちに親しまれているのだそう。
「大丈夫?」
「うん、ありがと」
ちょっとした段差ですけれど、
八神 修
はレディへ手を差し伸べるフェミニズムを忘れません。散策のともがあおいだから、というのも大いにありましたけれど。
ここへ来てふたりの服装もすっかり現地のものに染まっていて、素材は全て植物由来のやわらかい着心地。民族色を感じる文様が刺繍されたケープの首もとを留めているのは、大きな安全ピンです。
「うわぁ……きれい」
「ああ。なんて光景だ」
木材や蔓など、こちらも植物素材をたくみに組み合わせてつくられた桟橋は、夕焼け色を帯びてオレンジに輝いています。ほおずきランプの灯す光はやわらかくて、なんだかお祭りの夜みたいにわくわくしてしまいます。
桟橋を行き交うのは、こびとサイズの動物たち。いずれも二本の足で歩いて、言葉もきちんと通じます。カエルにネズミ、トカゲなどさまざまで、その愛らしい姿にあおいの目は輝きっぱなしです。
「出発するときは、この船に乗るのかな?」
「ああ、川を渡って次の地域へ向かうんだ。このあたりで『伝説の蝶』が見つからなければだが……」
目的はありつつも、蝶を見つけて寝子島へ帰るのは、もう少しあとでも良いかも? そんな気分にもなってしまいます。なにしろこの花々の夢の世界は見どころたっぷりで、まだまだ歩きたりないくらいです。
見つけたいような。見つかってほしくないような?
「あっ」
あおいが指さした先には、いっぴきの蝶がひらり。きらきらときらめくりんぷんを振りまきながら飛んできて、ほおずきランプを吊るす蔓へ、はたたととまりました。
蝶といっても、こびとサイズとなったふたりにとっては巨大です。そのたたずまいには美しく、そして荘厳なものを感じてなりません。
とはいえ見たところ、伝説の蝶ではないようです。
「……まあ、そうだな。今はこの瞬間を、めいっぱい楽しもうか。せっかくの機会だからな」
「うん♪」
時間はたっぷりありますから、焦る必要もありません。
それに、それに。このあとは遊覧船の二階のレストランで、おいしい川魚料理をいただく予定です。
あおいのおなかが、きゅるるっと鳴いて、
「あはは。おなかすいちゃったね」
「うん。じゃ、いこうか」
「エスコートはよろしくね♪」
「おおせのままに」
その後いただいた、カエルさんのシェフがふるまう川魚料理は絶品、かつ大ボリュームで大満足! でありました。
お裁縫が得意、手先が器用な
錦織 彩
。
「こ、こうですか……?」
「そおそお。うまいで~お嬢ちゃん。ほなら今度はそっちに針をとおしてな」
「は、はい……!」
ちくちくぬいぬい。彩の繊細な手さばきが縫い上げていくのは、おさかなをとるための漁網です。渡船場は漁師さんたちが船をとめる港にもなっていて、桟橋にも漁網や魚籠(びく)が無造作に積まれていたり、とれたてピチピチの川魚が次々に水揚げされてきたりします。また、このあたりの特産だというライチに似た大きな果物が漂わせるかおりも、なんともさわやか。川魚料理の付け合わせやデザートとしてもふるまわれるそうです。
「お嬢ちゃんほんまに初めてか~? 網づくりの天才やな~」
「そ、そんなことは……えへへ」
気さくな漁師のカエルさんをてつだうことになったのは、彩みずからの申し出からでした。ずいぶんと使いこまれてほつれた漁網を見て、これなら直せるかも? と思ったのです。それに数日ここへ滞在するうち、渡船場を運営するカエルさんやネズミさん、トカゲさんたちにはお世話にもなりましたし、出発する前に恩返しのひとつもしたいと考えたのでした。
人見知りの彩には、それを切り出すのにもちょっぴり勇気がいりましたけれど。
「できました……!」
「おお~上出来や、これでおっちゃんの仕事もはかどるで」
「よかったです。それじゃ、次はこっちの網ですね」
「ああその前にな。ちょいとひと息いれようや」
カエルの漁師さんはよっこいせっと立ち上がると、かたわらの籠の中から両手でとり出したのは、例のライチに似た果物です。
「わ。近くで見ると、やっぱり大きい……」
「こいつをな。ほっ!」
ナタでもって、ぱかん! 果物をまっぷたつ。中からあらわれた白っぽい果肉はみずみずしくて、果汁もたっぷり!
割った半分に、スプーンを添えてくれました。
「仕事の合間の活力充填やな。おっちゃんこいつが大好きでなあ。ほれ、たべてみい」
「あ、ありがとうございます。いただきます……」
半分ことはいえもとがサッカーボールくらいあるもので、そのボリュームにやや戦々恐々としながらも……ぱくり。
「!! お……おいしい! 甘すぎなくてさっぱりしてて、それでいて濃厚なコクがあって……」
「せやろ~」
思わずぱくぱく、ぱくり。あっという間に半玉ぺろりとたいらげてしまったのでした。
「おっ! うまそうなの食ってんなあ」
「あ……お、おつかれさま」
と、やってきたのはこちらもお手伝い中の
魚塚 源三
です。胸付ズボンの漁師さんルックでお魚を運搬する姿が実にさまになっておりますけれど、実家は花屋さん。
「そういやもうメシどきか。ハラ減ったなぁ」
「フフ。まかないはもう少し後でね、ゲンゾウちゃん」
「あ……う、うっす! 姐さん」
荷運びにはカエルさんやネズミさん、何人もの動物さんたちが従事していて、その中で陣頭指揮をとっているのが、すらりとしたトカゲのお姉さんです。スタイルがよく、きらびやかでうつくしい衣装を着こなして、なんともオシャレ。しぐさも妖艶な美人さんで、人間である源三もちょっとどきどきしてしまうくらいです。
「姐さん、この魚はどっちへ置きましょう?」
「それは向こうの屋台へもっていってちょうだい。そのあとはハチミツを二瓶持ってきて、遊覧船のレストランに運んでね」
「がってんだ!」
思わずべらんめえ口調みたいな返しが出てしまいましたけれど。ともかく、こうした肉体労働は源三の得意分野とするところでして、トカゲ姐さんの的確な指示に従って、それはもうきりきりと働いておりました。
お魚とハチミツをそつなくおとどけしたところで、
「ん?」
ざばばば、ざばん!
川っぺりで派手な水しぶきがあがり、轟音を立てて桟橋がゆれました。
「な……なんじゃありゃあ!?」
目を丸くした源三の前にあらわれたのは……これがなんと、体長十メートル近くはありそうな、巨大魚! 見たところ、ナマズのようなお魚ですけれど。
「あちゃあ、こらあかん。入ってきてもうたか。あの魚、ふだんはこっちの川には入ってこぉへんのやがな」
あきれたように言う漁師のカエルさんが教えてくれたところでは、たま~にあることなのだそうです。
ごんごんと桟橋へ体当たりをはじめた巨大魚に、源三は眉をひそめて、
「だ、大丈夫なのか? ぶっ壊されちまうんじゃねえのか」
「そらまあ、ほうっといたらそうなるやろな。どっこいせっと」
などと言いながら、銛を手にたちあがるカエルさん。
「けどあれを仕留めたら、そらあもう、食いでがあるんやで。そこらじゅうにおすそわけして、火ぃたいてみんなで食うたるんや。パーチーやで、パーチー」
「仕留めるって……あれをか?」
見ればあちこち、カエルさんもネズミさんも、あのトカゲ姐さんまで銛を持ち出し、暴れナマズめがけてざんぶと川へ飛びこんでいくではありませんか。
「ぱーちーねえ」
たちまち始まる、原始的すぎる漁スタイルに、源三はひるむ……ばかりか、なんだかからだがうずうずしてしまいます。
「まっ、こういうほうが俺向きかもな」
みずから銛を手にとり、ざっぱん! 男源三、漁師たちの間にとびこみ参戦!
ノースリーブの服を選んだのは正解だったかも? 肩に感じるひんやりとして涼しい風は、
綾辻 綾花
のちょっぴりほてった頬をやさしく冷ましてくれました。かげろうのように、淡い虹色にうっすらとすきとおるロングスカートは、ちょっと大胆だったかな、と思ったりもしますけれど。
「ええと。地図で言うと、このあたりだよね? 『伝説の蝶』を見たっていうのは」
『そうなの? わかんない!』
かたわらの
早川 珪
のちょっぴり困り顔も、まるで冒険家のような装いも、いつもと違って新鮮です。素敵です。綾花の頬がほてっているのは、異世界での冒険の興奮が半分、珪先生とこうしてとなり合っているのが半分くらいです。
珠のような光をまとい、ふわふわ飛んでいるのは花の精。背中に虫羽をはやした妖精の女の子です。珪先生がふよふよ風にただよっていた彼女へ道をたずねたところ、どうも有力情報をお持ちのようなのですけれど……。
「地図に記されてるこの山が、ここから見えるあれだよね。だからこの川が……」
『どこ? どれぇ?』
「今見えているのが、地図のここ、この川ですよね?」
綾花も指を差してたずねてみます。腕をのばす仕草と同時に、すこうし珪先生に身を寄せたりしちゃうのがポイントです。
「なので、次に向かうのはこのあたりということに……」
『ん~、わかんない! ねえねえ、それよりぃ』
あれこれと情報を聞き出そうとするものの、どうやら花の精の興味は、目の前の地図よりも別のところにあるようでして。
『ふたりはぁ、こ・い・び・と♪ ってやつなの?』
「「!!!?」」
びっくん! ふたりの肩はそろって跳ねました。
おしゃまな妖精さんにはふたりの関係が、そのように見えるのでしょうか?
「あ、あの……そう、見えますか?」
『見えるぅ~、みえちゃう~♪ ねえねえどうなの? そうなの?』
「ち、違うよ。僕と綾辻さんは、そういう関係じゃなくて」
珪先生には、あっさり首を振られてしまいました。
まあ、それはそうです。ふたりは恋人同士じゃあありませんし、教師と生徒です。珪先生が否定するのはあたりまえのことです。わかっています。
わかってはいるのですけれど……綾花はちょっぴり、胸にちくりとしたものを感じて、ぷうと頬をふくらませました。
『ええ~、じゃあどういう関係? だってどうみても、ねえ~? くふふっ』
「いや。そりゃあ、綾辻さんは僕にとって、大切な……」
言いかけて、はっとしたように口をつぐむ先生。
綾花はぐぐっと身を乗り出します。なんて? 大切な、なんて? 先生ー!
「大切な……生徒だよ。快活で、聡明で、優しくて。いたらない僕をいつも支えてくれる……大切な、生徒だよ」
「先生……」
もちろん、生徒と教師。恋人同士ではありませんけれど。
それでも、どこか……つないだ目を目をつうじて、なんだか心と心も、つながっているかのよう。
確かな絆を感じることはできました。
『いひひ。やけちゃうなあ♪』
くすくすと笑って、花の精は羽をぱたぱた。ふわりと飛び上がります。
『伝説の蝶なら、そのあたりで見たことあるよ。今もそこにいるかはわかんないけど』
「そこ?」
いつの間にやら、珪先生の広げた地図上に、まるく印がついています。妖精さんがまるっとしてくれたようです。
『ひと目見てわかったもの、すんごくキレイで、すんごく特別だったから。見つけられればいいね、おふたりさん!』
「あ……ありがとう!」
くすくすくす。おかしそうに笑って、花の精は風にのり、ふわふわふわん。
「……行っちゃいましたね」
「うん。でも、次に向かう場所は決まったね……、と」
ふと、ぱちくり。見つめあうふたり。
先ほど口をついて出たセリフが照れくさかったのか、珪先生のお顔はほんのり朱色です。
まあ、綾花のほっぺたときたらそれ以上に、真っ赤に染まっておりましたけれど!
数日の滞在を経て、情報収集と物資補給をすませた彼らは、やがて船へと乗り込みます。
桟橋を渡りながらも、修とあおい、綾花と珪先生はルートの確認に余念がありません。
「ここまで川を下って。ここからはしばらく歩きだな」
「そうだね、修君」
「こびとの足だと、ちょっとかかりそうですね……」
「水も食料も十分に持ったし、途中でキャンプすることもできるよ。焦らずいこう」
「「「はいっ」」」
旅には出会いと別れがつきものです。彩と源三は、この数日でことにお世話になったひとびとへ、最後のご挨拶。
「あの……お、お世話になりました……っ」
「おう、お嬢ちゃんもな。ネコジマ? いうとこに帰っても、元気で暮らすんやで。おっちゃんとの約束や」
カエルの漁師さんとかたい握手をかわすと、彩の目からは自然と、ほろり。涙がこぼれてしまいました。
「姐さん、お世話ンなりました!」
源三が律儀に頭を下げると、トカゲのおねえさんはついと指で源三のあごを上げさせ、不意に顔を近づけて……ちゅっ。
「ね、姐さん……!?」
「フフ。いいオトコになってね、ゲンゾウちゃん」
「……うッス!」
見送りのひとびとが手をふる中、船は汽笛を鳴らして出航します。
ゆるやかに流れを下る彼らを、上空からはふわりとうかぶ花の精が風を乗りこなし、くすくす笑みながら見守っておりました。
さて、次なる場所で、一行はどんな不思議と出会うでしょうか?
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1000人
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35人
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2021年06月30日
参加申し込みの期限
2021年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月07日 11時00分
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