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花咲く夜の夢『モンド・デ・フィオーリ』
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伝説の蝶を求めて花々を渡り歩く。一行が辿り着いた先は背丈を超える緑が生い茂った場所だった。
「ほえー、これってジャングルだよね?」
野々 ののこ
はキョロキョロと辺りを見回す。側にいた
佐藤 英二
は近くにある太い茎を軽く握った。上を見ると巨大な葉に覆われ、陽光が遮られていた。
「少し暗いね」
英二は背負っていたリュックサックを下ろした。中からカンテラを取り出し、火を点ける。柔らかい光が暗がりを退けて視界が広くなった。
「これで安心して歩ける」
英二はカンテラを前に差し出すようにして周囲に目をやる。一方で手が止まった。表情が驚きに変わる。
「野々さん、ここはジャングルではないよ」
「どうして、そんなことがわかるの?」
「ほら、あれを見てよ」
英二は前方を指差した。ののこは顔を突き出し、あー、と目を丸くして叫んだ。
「あれってクローバーだよね。すっごく大きいけど」
「そうだよ。しかも幸運を呼ぶ四葉のクローバーだね」
「持って帰れないかな」
ののこは英二に期待の目を向ける。
「リュックにはまだ余裕があるから、持って行こう」
「やったー。これで幸運がやってくるね!」
頭頂から飛び出した髪の毛を揺らして笑い掛ける。英二は少し照れたような素振りで、そうだね、と返した。
持っていた小ぶりのナイフで程よい長さにクローバーを切り取る。リュックサックに収めていると、ののこが黄色い声を上げた。
「英二くん、こっちにもあるよ」
ぴょんぴょんと跳ねる、ののこの横には四葉のクローバーがあった。
「じゃあ、それも」
英二は手早くリュックサックに収めて背負う。
カンテラの明かりを使って緑の中を歩いていく。赤いものがちらりと見えた。
「……なんだろう」
英二は呟いてカンテラを掲げる。全体が見えない為、二人は寄り添った状態で近づいていった。
ののこは真っ先に駆け出した。茎にしがみ付いて上を見る。赤い大輪の花であった。
「良い香りがするよ」
「野々さん、それも持っていく?」
「持って行こうー!」
元気な声が返ってきた。英二は根元の辺りをナイフで切った。
「豪華な赤い傘みたいだね」
ののこは茎を肩に掛けて澄まし顔。英二に向かって、どう? と控え目な声で聞いた。
「とても似合っているよ。どこかのお嬢さんみたいだ」
「それならこんな感じにすると、どうかな」
大輪の花を帽子に見立てて笑顔を作る。
英二は花とののこを同時に見て言った。
「綺麗だよ」
「ありがとう! 花のおかげだね!」
ののこは傘のように肩に掛けて元気に歩き出す。
その背に向けて英二はポツリと言った。
「野々さん、本当に綺麗だよ……」
その時、ののこがくるりとこちらを振り返る。
「英二くんも一緒に来てくれないと暗いよー」
「ごめん、少し考え事をしていた」
小走りで駆け寄ると横に並んだ。その後も二人は和やかな会話を楽しみながら探索を続けた。
幸せな時間はあっという間に過ぎた。帰る頃には空に無数の星が瞬き、二人は会話を忘れて煌めく夜空を見つめた。
木の幹は両手が回らない程に太く、天を衝くような高さを誇る。そのような巨木に
三条 神無
は囲まれていた。
神無は青みがかった黒髪を揺らし、不安定な状態で歩く。大地には小舟のような大きさの枯れ葉が散乱していた。踏むと不規則に揺れる為、次に飛び移る。更に跳躍して森の中を軽やかに突き進む。
「義経の八艘飛びみたいね」
想像力を膨らませて、ひらりと舞う。土が露出したところへ無事に着地を果たした。
巨木の間隔が広がり、疎らに光が降り注ぐ。踏み出すと鳥の囀りが、どこからともなく聞こえてきた。
歩きながら目を動かす。残念なことに本体を見つけることは出来なかった。
「……近いわ」
囀る声が重なって羽ばたく音が混ざる。神無は足元を気にしながら周囲を探った。
前方が一際、明るくなる。光の中に巨木が倒れていた。苔むした幹に一羽の鳥が舞い降りる。嘴は短く、全体が丸っこい。そろそろと近づくと、その大きさに少し驚いて目を見開く。
「……文鳥?」
自信のない声で呟く。もう一羽、空から降りてきた。口には赤い実を咥えている。神無が見ている前で嘴を上に向けて呑み込んだ。
隣の鳥が文句をいうように鳴いた。同じ種類の別の鳥が幹に止まる。やはり赤い実を咥え、瞬く間に食べた。
三羽は揃って飛び立った。同じ方向を目指す。
「向こうね」
神無は姿を見失わないように追い掛ける。足場の良さもあって極端に引き離されることはなかった。
囀る声にも助けられた。少し深い藪を掻き分けて進むと赤い実の塊を見つけた。両手を使わないと持てないくらいの大きさがあった。表面は丸い実が寄り集まってぼこぼこしている。鳥達はその実の一つを嘴でもぎ取って丸呑みにした。
甘い匂いに誘われたのか。周囲には多くの蝶が飛び交う。そちらにも目を奪われた。
「伝説の蝶?」
当初の目的を思い出して真剣な目を向けた。夢で見るような大きさに思わず見惚れるものの、アゲハ蝶の特徴に気付いて急速に関心が薄れる。
その時、一羽の鳥が鳴いた。神無は目を移し、小首を傾げる。
「あなたが私に?」
別の一羽も鳴いた。飛び跳ねるようにして場所を空ける。
「もしかして……」
周囲を驚かさないようにゆっくりと歩く。赤い実を回り込むようにして一つの実を掴んだ。その状態で鳥達に目を向ける。穏やかな状態で見守っているようだった。
神無は一つの実をもいで口に持っていく。鳥達の穏やかな様子を見ながら齧る。
「甘酸っぱくて美味しいね」
鳥達は鳴いて一斉に食べ始める。一つを食べ終えた神無は別の実をもいだ。
「ありがとう」
神無は鳥達に向かって柔らかい笑みを浮かべた。
一面の赤い花畑に
酒浸 朱蘭
は興奮した口調で言った。
「これ全部、花なんだぜ!」
「見た通りよね」
白いドレスを身に纏った
花風 冴来
は涼し気な青い瞳で眺める。横から風が吹いて長い金色の髪が少し乱れ、軽く手で押さえた。
酒浸は方々を指し示す。
「なんで落ち着いてられるんだよ。あの花の大きさを見ろよ。普通じゃないんだぜ」
「夢のような世界ね。悪夢かもしれないけど」
「なんでだよ。もっとわくわくする何かだろ」
長い茶色の髪を振って手振りで表現しようとした。途中で面倒になったのか。あれだ、と思い付いたように声を上げた。
「例えるなら情熱の赤だぜ!」
「鮮血の赤かもよ」
「血が滾るって意味だよな。親友のあたしにはわかるんだぜ!」
「いえ、それは」
言葉半ばで朱蘭は走り出した。赤い羽織のまま花弁を巻き上げて、最高だぜ、と子供のようにはしゃぎ回る。
「本当に子供ね。でも、見ていると心が安らぐわ」
「なにしてんだよ! 冴来も今を思いっきり楽しむんだぜ!」
溌溂とした顔で手を全力で振った。呼ばれた冴来は、もう、と言いながら微かに笑って駆け出した。
赤い花畑を二人で駆け巡る。時に両手を繋いで仰け反るような格好で回った。
「世界がグルグルなんだぜ!」
「なんか涼しくて気持ちいいかも」
冴来は目を閉じた。ぐらりと揺れて、二人は花畑に倒れ込んだ。花々が柔らかく受け止めたおかげで傷を負うことはなかった。
横に倒れたまま、二人は見つめ合う。花の赤色が移ったように朱蘭の頬をほんのりと染めた。
「花の良い匂いがするんだぜ」
「とても甘い香りね」
冴来は軽く息を吸った。目を細めて、甘いわ、と吐息に似た声を盛らす。
突然、朱蘭が起き上がった。再び、走り出す。赤い花弁を撒き散らし、熱いんだぜ、と空に向かって吐き出した。
ゆっくりと上体を起こした冴来は朱蘭を目で追った。
「元気で、照れ屋で、正直で、そんな貴女が私の側にいてくれて……」
声には出さない。口の動きだけで、ありがとう、と言った。
朱蘭はふらふらの状態で戻ってきた。冴来の手前で胡坐を掻くと結んでいた羽織紐を解いた。前をはだけた状態にして持ち込んだ
ろっこん水
の瓢箪を掴み、小さな朱塗りの盃に注いだ。
並々と注がれた盃に口を近づけて一気に呷る。立て続けに三回、飲み干してごろんと後ろに転がった。
「さすがに疲れたんだぜ」
「膝枕、する?」
「お、おう」
冴来の太腿の上に頭を乗せる。仰向けになった朱蘭はほんのりと頬を染めた。
「気分は?」
「いい感じだぜ」
風が吹いた。赤い花弁が宙を舞い、二人を甘い香りで包み込む。どちらも穏やかな表情となった。
朱蘭の黒い目が動く。気付いた冴来は少し頭を下げて聞いた。
「どうかしたの?」
「蝶がいっぱい飛んでいるんだぜ」
冴来は朱蘭の視線の先にある空を見上げた。
一目では数え切れない程の蝶が上下に揺れながら飛んでいた。
「大きい蝶だぜ」
「本当に。でも、大きさだけでどこかで見たことのある蝶ばかりね」
「あたしも、そう思う。ただ、ずっと見ていると、不思議な気分に、なってくるんだぜ」
眠気を覚えたのか。瞼が下がってきた。
同様に冴来の上体が少し揺れ始める。
「ここは夢のような世界に思えるけど、本当はどうなのかな。現実の方が夢なんてことも、あるかもしれない」
「こんな現実も、悪く、ないんだぜ……」
朱蘭は瞼を閉じた。
「胡蝶の、夢、みたい……」
朱蘭に覆い被さるような格好で眠りに就いた。
空に無数の星が煌めく。先に冴来が目覚めて周囲を見渡す。一面、赤い花で覆われていた。
「夢ではないのかも」
「……あれ、あたしは?」
ぼんやりした様子で朱蘭が目を覚ます。
「おはよう、でいいのかな」
微笑む冴来を見て朱蘭は微かに頬を赤らめて、おはようなんだぜ、と返した。
「夜の花畑もいいわね」
「そうだな。たくさんの星のおかげで意外と明るいんだぜ」
寝起きの状態が関係するのか。朱蘭の目はどこかぼんやりしていた。
冴来は一面の赤い花畑に語り掛けるように言った。
「楽しい時間は無限ではないわ。自分の手で終わらせたり、自然に終わりがきたり」
「あたしなら終わらないように手を尽くしたり、諦めないで抗ったりするんだぜ」
朱蘭の目に強い意思が宿る。完全に目覚めたようだった。
「私とは違うけれど、だから上手く噛み合うのかもね」
「あたしも冴来と一緒にいると楽しいんだぜ」
「それなら、ずっと一緒にいてくれる?」
冴来は少し顔を下げた。朱蘭の目を見つめる。
「あたしは」
話し声が聞こえてきた。二人は口を閉ざし、周囲に目を向ける。散り散りになっていた仲間達が戻ってきた。
「そろそろ時間みたいね。抗ってみる?」
「今回はやめとく。十分に満足したんだぜ」
「そうね」
朱蘭は軽く足を上げて振り下ろすと反動で上体を起こした。軽く伸びをして立ち上がる。まだ座っている冴来を見て不思議そうな顔をして覗き込む。
「どうしたんだ?」
「膝枕で少し痺れたみたい」
脚を摩りながら困ったように笑う。
「長い間、悪かったな。手を貸すぜ」
朱蘭は手を差し出す。冴来はしっかりと握った。一気に引っ張り上げられて少しよろけた。
「危ないんだぜ」
朱蘭は冴来を抱きとめる。
「ありがとう」
惜しむかのように二人は離れ、集まってきた仲間と合流した。
早速、個々で情報を出し合う。伝説の蝶を目撃した者は一人としていなかった。
一行は異なる甘い花の匂いに誘われて力強く歩き始める。
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グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
1000人
参加キャラクター数
35人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年06月30日
参加申し込みの期限
2021年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月07日 11時00分
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