希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！｜リアクション

希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！

　虹の橋を三人が手を繋いで陽気に渡る。
「夢の世界にいくみたいでわくわくするよ」
　中心にいた犬杜初は両手を大きく振った。
「寝子島よりも南にあって、海がとても綺麗なんだよ」
　右手にいた恵御納夏朝が弾む声で言った。
　左手にいた恵御納夏夜は頷き、言葉を添えた。
「飲食店も充実していて遊園地もあるよ」
「かんらんしゃー！」
　恵御納冬夜が元気な声を出した。左右にいる恵御納久隆と恵御納理沙を交互に見上げる。
「そうよー。他にはメリーゴーランドやミラーハウスもあるのよー」
「めりー、はうすー？」
　冬夜は困ったように頭を左右に振った。
「三歳の冬夜には少し言葉が難しかったか」
「そうみたいね。でも、そんな困った姿も可愛いわー」
　理沙は冬夜を胸に抱いて微笑み掛ける。
「ままー、ちゅきー」
「ママも冬夜のことが大好きよ」
「家族はいいな」
　久隆がしんみりと口にした。
　その隣にいた犬杜一閃は、そうですね、と真摯に答えた。優しい眼差しは初に向けられていた。
　島に渡ると初が声を上げた。
「本当に海が綺麗だね！　泳げそうだけど、まだ、ちょっと冷たいよね」
「風邪を引く。無理は禁物だ」
　一閃は初の前に立った。
「入らないよ。本当に心配性なんだから」
「無理ではない」
　久隆が言い切った。そうだな、と顎を摩りながら声を発した。
「海は泳ぎ易い温度で、望めば水着姿になってすぐに泳げる。もちろん元にも戻れる。
　海から上がれば髪は乾いて水で洗い流す必要もない」
　すると初はピンク色のビキニ姿となった。
　夏朝と夏夜は白と黒のワンピース水着に変わる。どちらもスカートが付いていた。目にした初は、可愛いね、と二人に笑みを見せた。
「一閃お兄ちゃんも泳ぐの？」
　トランクス姿の水着となった一閃は生真面目な顔で答える。
「監視役だ。泳ぎの途中で足がつるかもしれない」
「まあ、いいけど。その時はお願いね」
　真っ先に初が駆け出した。黄色い声を上げて夏朝と夏夜が続く。ふわふわと飛んでいたハルは、かーさを監視にゃ、と上空から見守る。
　一閃は走り出す前に久隆に頭を下げて無言で三人を追い掛けた。
「旦那様、私達は遊園地で遊びましょう」
「ゆうえんちー！」
　冬夜の声に久隆は、そうだな、と柔和な顔で頷いた。