希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！｜リアクション

希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！

　寝子ヶ浜海岸を一望できる場所で曖浜瑠樹は頬っぺたを赤くした。
「猫がいっぱいだよぉー！」
　その勢いのまま、斜面を駆け下りる。
「慌てたら転ぶわよ」
　ラズが後を追い掛けた。
　ほっそりとしたマティエが横に並ぶ。
　ラピは二人の背を見て付いていく。
　白猫のまちかは億劫そうに歩いた。
「にゃんこをなでなでするよぉ」
　瑠樹は見つけた一匹の側にしゃがんで頭を撫でた。周囲にいた猫が自然に集まる。太腿や膝に頬を擦り付けてきた。
「皆もなでなでするねぇ」
　等しく撫でていく。そこに頭を突っ込んだのはマティエだった。少し怒ったような顔をしていた。
「マティエも、いいこいいこー」
　頭を撫でられると穏やかな表情に変わった。
「黒猫さんだぁ」
　手を伸ばすとラズが横から頭を突き出した。
「平等に扱ってよね」
「ラズちゃんは可愛いねぇ。なでなでしてあげるよぉ」
「もっと早くに」
　不満の言葉は途切れた。ラズは浮かれたようにスカートを左右に振った。
　その隣にラピが俯いて立つ。そわそわした様子を見て瑠樹は空いている手で撫でた。
「ラピちゃんも、いいこいいこー」
　白猫のまちかは瑠樹の足元で大きな欠伸をして丸くなる。
「サンマさんとマンボウくんだぁ」
　二体は小さな子供達に追い掛けられていた。
「少しは休ませろ！　俺の体力は無限じゃねえ！」
「ボクからもお願いするよぉ。もう少しのんびり楽し、きゅう～」
「気絶するんじゃねえ！」
　言いながら片手で抱え、瑠樹の前を横切った。
「ゆるキャラも楽しんでくれてうれしいよぉ」
　満足した笑みを小さくなる二体に向けるのだった。