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化かし狐のお礼参り
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ネットや、人々の噂話を介して化け狐の話は
ライレエ・アーレンス
の耳にも入った。溜め込んだ息をふうと吐き出すと紫煙が空に散る。旧市街の人々に聞き込みをするまでもなく、『ねこったー』をつらつらと眺めれば、騒動のおよその様子は把握できた。ご丁寧に狐の幻術を破るテクニックまで公開されている。空色の瞳をタイムラインに泳がせ、ライレエは
「狐の復讐宣言、ねえ」
とだけつぶやいた。おおかた、島の一般人たちは『また高校生たちが不思議ごっこをしてネットで戯れている』程度にしか思っていないだろう。だが真実は異なることを彼女は知っていた。おもしろければ何だっていい、裏を返せば世界が揺るぐ一大事であろうと自分を愉快にしてくれなければ興味はないという姿勢を貫くライレエが、しばらく滞在しようと決めたほどの場所である。この島では、常識をはるかに超えた事態がいともたやすく発生するのだ。
「あたしが島に来る前に、こんなおもしろいことが起きてたとはな」
思わずにやりと笑みが漏れる。学生たちが騒いでいる妖怪狐の存在をライレエは確信していた。
「鹿沼……茂之、と」
この島はいい意味で発展していないところがあって、情報がオープンなまま流れていることが多い。『化かされおっさん』の正体を突き止めることは簡単だった。旧市街のはずれ、手入れの行き届いていない古い日本家屋が男の家だった。表札を確認して、ライレエは敷地に入る。ぎゅっと押し込まなければ動かない旧式の呼び鈴を鳴らすと、すぐに男が現れた。冴えない中年、ひょっとしたら初老に近いかもしれない。自信なさげな表情だが、害はなさそうだ。ライレエは男をすばやく観察し、そう結論を出す。
(この男が、化け狐に三十年も魅入られ続けているのか。ただのおっさんにしか見えないが……あやかしを惹きつける才能でもあるのか?)
もっさりとした男と超常の存在が結びつくのがなんともおもしろかった。ライレエは人のよさそうな笑みを浮かべ、優雅に頭を下げた。
「突然の訪問失礼します。
ライレエ・アーレンス
と申します」
「あ……どうも。鹿沼です。化かされの話を聞きに来られたのですか」
さっそく本題を切り出され、ライレエはほんの少しだけ驚いた。それだけ多くの人間が、鹿沼のことを知っていると言うことだろう。「ずいぶん尋ねられましたから。慣れっこなんですよ」と鹿沼は細い目をさらに細めて笑った。だが、次の言葉を聞くと鹿沼の丸い顔はこわばった表情を浮かべた。
「あなたと長らく関わりがあった、妖怪狐。また街中に出てきているようですよ」
「そうなんですか? ど、どこにいるんでしょう」
男の硬い表情は必死なものに変わる。やはり狐に再会したいのか。意外と表情豊かだな、とその様子をまた心中で愉快に思いながら、ライレエは言った。
「その前に一つ質問させてください。……あなたにとって、狐に化かされ続けてきた三十年は、どんなものでしたか?」
男は口をつぐむ。ライレエはその様子すらも楽しみながら、じっと答えを待った。
(あたしが興味があるのは、この人が狐に対して怒りや恨みをまったく持っていないってことと、その理由だ。狐、しかも妖怪と来れば三十年なんて大した時間ではないだろう。だが、人間の三十年は……)
目の前の、今日始めて会った男の人生を想像する。三十年あれば天職を見出し、人生の伴侶と出会い、子を儲けて次の世代へ命をつなぐこともできただろう。狐を恨まないにしても、後悔に似た気持ちを抱いているのだろうとライレエは予想していた。
「いつまでも少年時代が続いているような感じだったなあ……」
だが鹿沼の答えは違った。男はぽつりぽつりと話し出す。化かされているときは意識がはっきりしてはいないが、決していやではなかったこと。近所の者に笑われるのは慣れていたから、さして気にもしていなかったこと。そして、狐のことは遊び仲間のように思っていたのだ、と最後に言った。
「あいつもそうだったのかもしれないな。僕たちは自分たちだけの遊びに夢中で、大人になる準備を忘れてしまったんですよ」
「なるほど、そんな風にお考えだったのですか……。お話ありがとうございます。狐の場所はこちらで調査してみますから、待っていてください」
如才なく丁寧な言葉で返して、ライレエは心の中で大きく笑む。
(三十年を費やして、精神的に成長することのできなかった一人と一匹だって? ……興味深いことこの上ない!)
彼女の行動は決まった。この人間と狐の間にあるものは、奇妙な友情に違いない。ならばそれを見守って存分に楽しもうではないか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
前回シナリオ
猫又川の狐化かし
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月06日
参加申し込みの期限
2013年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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