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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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「っ……」
熱々でイチャイチャなカップルドリンクの屋台の前を足早に抜け、遠海は片手に持ったマタタビロイヤルパフェを掻っ込む。
(私には仕事があるから……!)
夏休みも終盤、二学期に備えて色々とお小遣いもきっと必要になってくる。そのためには、今回の臨時アルバイトはとても重要なのだ。それだけなのだ。
尽きない食欲でフルーツとアイスたっぷりなゴージャスなパフェを平らげ、遠海は運営本部へと足を早める。
(そう、仕事があるから!)
水着を着ずに済む。まかり間違ってもコンテストに出場して自分のささやかすぎる胸を披露する羽目にはならない。
(決して裏方に逃げ込んだわけじゃないわ……!)
ステージ上で彼氏らしい男子の助けでおっきいおっぱいを強調するようなポーズをしている女子を見て見ぬ振りしていて、
「去年のコンテストも楽しかったし、今年はほんとはカワウソ愛を叫ぼうかなとも思ったけど語りだすと専門的な話が止まらないからネ!」
「武道先輩、カワウソ好きなんっすねー」
「正に愛ですね」
「うん、ダイスキっ!」
両手いっぱいに屋台の食べ物を抱えて歩く買い出し班な男子三人組を見つけた。
「いただき……違う、手伝います!」
駆け寄って来る遠海に、英二はありがとうと誠実な笑みを浮かべる。
「ありがとう、助かるよ」
参加者の誘導にパフォーマンスの手伝い、それから今のような買い出し作業。
(イベントが盛り上がるよう裏方作業に全力を尽くそう)
真面目にそう考える心の端っこで思うのは、
(ゴアラの新作DVDに、あのゲームのリメイクも出るし、あっ、ゴアラ映画ノベライズももうすぐ……)
てんこもりな欲しいもの。
それらを色々と買うための定期アルバイトに加えての臨時アルバイトとはいえ、働くからには手を抜くつもりは一切ない。
「それじゃ、スムーズに問題なく進行するよう、引き続き頑張ろー!」
「はい!」
「はいっすー」
ステージ裏に買い出してきた屋台の食べ物を届け、武道が楽しそうに宣言すれば、それぞれの事情でバイトに精を出す寝子高生たちは揃って拳を突き上げた。
「おう、その調子だ」
いつのまにかステージ裏にやって来てサンマの蒲焼きが入った寝子まんま丼をジッと見つめていたサンマさんが男らしく頷く。
「あ、サンマさん! 向こうに水着が素敵な人たちが居ましたよ、巻き込……いや指名いかがです?」
武道の言葉にふむふむと頷き、サンマさんはビシリと武道たちを指し示した。
「よし、お前たちを実行委員に指名するぜ!」
寝子まんま丼を一パック大事に抱え、サンマさんは寝子高生たちにサムズアップで指令を出す。
「いい感じの出場者を大勢連れて来てくれ!」
「差し入れっすー!」
ステージ裏に朗らかに響いた声に、
落合 まゆら
は額を伝う汗を手の甲で拭った。
時に出場者のパフォーマンス用の小道具の用意、時に出場者の誘導、時に会場の清掃。臨時バイトの仕事は多岐に渡る上に忙しい。
「わ、嬉しい!」
気付けばぺこぺこだったお腹を一撫でし、差し入れの屋台料理が山積みにされた長机の前に立ったところで、
「スカウトとして初仕事だ、行け少年!」
「まじっすか」
サンマさんにぐいぐい押し出される黒髪の少年、幽と目があった。ローズグレイの瞳した少年は、海鮮塩焼きそばのパックを手に取ろうとするまゆらの前に立つなり、軽快な笑みを浮かべる。
「おねーさん超綺麗っすね!」
明るく軽く話しかけられ、まゆらはきょとんと瞬いた。
「ビーチスターズコンテスト、出てみませんか?」
「え、いや、あたし実行委員のバイト……」
「おねーさんならいい線イケると思いますよ~」
人懐っこい笑顔でぐいぐい来られ、中学卒業までは内向的で大人しく引きこもりがちだったまゆらは途方に暮れる。
「もう一押しだぜ! 兄ちゃんも行って来い!」
「っえ、僕も?」
サンマさんに背中を叩かれ、真面目そうな英二が申し訳なさそうにまゆらに話しかける。
「えっと、ええっと、……し、指名されてくれませんかっ」
少年ふたりの勧誘を受け、まゆらは焦る。
「ちょ、ちょっと待って! あたし水着とか持ってきてないよ!」
大慌てに慌て、何とか出場を避けるべく言い募るも、
「観念してください、強制参加です」
気まずそうにちょっぴり視線を逸らした遠海に言われ、
「水着なら更衣室にたくさんありましたよー。それはもう色とりどり、よりどりミドリっ」
眼鏡越しの目を輝かせて楽しそうに笑う武道に押し切られ、まゆらは言葉に詰まる。
(何だか知らないけど)
とにもかくにもこのイベントに対する関係者の意気込みの凄さだけは理解して、まゆらは意を決する。分かったわ、と頷けば、男子三人はハイタッチをかわした。
「これ、取り置いてくれる?」
何故だか生贄を差し出したような非常に申し訳なさそうな顔をしている遠海に塩焼きそばのパックを渡し、まゆらはステージ裏に設けられた更衣室へと向かった。
「その調子だぜ! さあ行け少年少女たち! 出場者を確保しろ!」
サンマさんの号令一下、武道に遠海、英二に幽は炎天下の海岸へと飛び出した。
「絢ちゃん絢ちゃん、こっち向いてー!」
従姉の
水谷 真優理
のはしゃいだ声に呼びかけられ、
青山 絢
は黒髪を揺らして振り返った。
「真優理さん」
「キャー、可愛い! もう、かーわーいーいー!」
従妹の困り顔をスマートフォンのカメラに構わず連写で収め、真優理は水着姿で飛び跳ねる。今日の絢はフリルつきのビキニを身に纏っている。少し甘めで可愛らしいデザインのビキニは、細身で肌が綺麗な従妹にとてもよく似合う。
「どうしよう、絢ちゃんがとっても可愛い」
星ヶ丘の高級ホテル『ステッラ・デッラ・コリーナ』のホテルコンシェルジュを務めているときとは打って変わった天真爛漫な表情で真優理は心のままにはしゃぐ。だって今日は仕事は非番で天気もいい。その上大好きな従妹の水着姿が可愛いとなれば、
「もう言うことないわ!」
スマホで写真も撮りまくるというもの。ついでに自撮りツーショットもしようというもの。
「あの、真優理さん」
「なあに?」
「今日は、ビーチスターズの見物に来たんですよね……?」
大人げなくはしゃぎにはしゃぐ三十路間近な従姉を、高校二年の従妹はそっとたしなめる。
(静かにしていれば大人可愛い系の美人だし)
着ている水着も大人っぽいその癖、真優理は絢のこととなると殊更にお調子者になる。
(私のことになると残念になっちゃう)
絢にそう思われているとも知らず、真優理は黒い瞳をぱちぱちと瞬かせて我に返る。
「そうそう、そうだった!」
それじゃあ行きましょうか、と絢の手を引いて海水浴客に観客に、たくさんのひとで溢れ返る海岸を歩き始めながらも、またスマホのカメラを絢へと向ける。
「笑って、絢ちゃん!」
スマホ画面に映る絢が小さな笑みを浮かべる。
「うん、かわいー!」
シャッターを切るたびに臆面もなく褒め称えながら、真優理はそっと瞳を伏せる。メモリに取り込んだ絢の笑顔を呼び出す。どの絢も静かな笑みを浮かべている。
(絢ちゃん)
母を亡くすと同時に父の裏切りに遭い、絢は喜怒哀楽の『哀』を失くした。
従妹は、もう随分と泣いていない。
写真に写る従妹は、どれもこれも哀しみを透明にしたような微笑を浮かべている。
「絢ちゃん!」
痛む心を微塵も表に出さず、真優理は明るい笑顔を絢へと向ける。
(ねえ、絢ちゃん。今だけは)
お道化た仕草で絢に向けてシャッターを切る。
(……そんな表情をしないで)
人波を渡り、ステージ前の観覧スペースに陣取る。ステージでは、水着を纏った人々が老若男女構わずパフォーマンスを見せ、今回のテーマである『愛』をそれぞれに叫んでいる。
その度に巻き起こる笑い声や拍手や歓声の中にあって、絢はそっと溜息をもらす。
(私、は……)
将来の夢を女優に据えている彼女は、唇を噛む。
あんな風に臆することなくステージを歩けるかな。
あんな風に堂々と自分の愛するものについて声をあげられるかな。
(自信ないな……)
それがなんとも頼りない思考であることは理解していて、それでも考えてしまう。どうしたものかと落とした肩を、
「あっ……あの!」
白い手に遠慮がちに叩かれた。振り返れば、立っていたのは艶やかな黒髪の清楚な感じな女の子と、長身で筋肉質な眼鏡男子。ふたりとも、実行委員を示すTシャツと腕章を身に着けている。
「あの、……」
「ご姉妹ですか?」
言葉に迷う遠海の背中をパタパタ叩いて励まし、武道がどこまでも明るく爽やかに声を掛ける。
「生徒会長……?」
「今日の俺はビーチ☆スターズスタッフでっす☆」
胸を張って言い、武道はアメリカンに歯を見せて笑う。
「仲がいいお二人をコンテスト出場者に指名しまっす!」
「え……?」
突然の指名に驚いて瞬くばかりの絢に真優理がキャーッと歓声上げて抱き着いた。
「姉妹だって絢ちゃん!」
「真優理さん、そこに喜んでいる場合じゃ……」
「絢ちゃん、その素敵な水着姿をみんなに見せちゃおっ!」
大はしゃぎでノリノリな真優理に驚くことも忘れて綾は呆れる。
(真優理さん、本当に今年で三十歳になるのかしら)
「ほらほら、行きましょう! ステージ裏に行けばいいのよね?」
困惑した表情で、それでも覚悟を決めたように真優理に手を引かれていく絢を見送り、実行委員の遠海と武道は次なる犠牲者もとい出場者を探して観客席を見回す。
(美人姉妹だった……)
遠海は視線を伏せる。伏せたところで自分の最大のコンプレックスである薄い胸が目に入った。水着を避けてTシャツを着ていても、当然ながら小さい胸は小さいまま。
(スタイル良かった……)
身体中が萎んでしまうくらいの息を吐いて、
「とーちゃんとーちゃん! なんでカップルドリンクだめなんッスか! とーちゃんとうちで飲めばいいだけじゃないッスか!」
その溜息も吹き飛ばすくらいの勢いで駆け抜けながら元気いっぱいに喋るスクール水着姿の女の子が目に入った。
(あっ……)
「ふるお、さん……!」
自分より胸が小さな小学五年の女の子に、遠海はとっさに声を掛ける。
「うお、なんでうちの名前知ってるッスか?!」
まさかエスパー!? と栗色の目をまん丸にする賑やかな少女に、遠海はぶんぶんと首を横に振って水着の胸元のゼッケンを指し示す。
「あっ、なるほどー!」
『ふるお』と大きく書かれた名前に声を上げて笑う少女に、遠海はコンテスト出場の指名をする。
「コンテストッスか」
「うん、……いいかな?」
大人しそうな黒髪のお姉さんから強制出場の指名を受け、
古尾 桐子
は赤い髪を躍らせて飛び上がった。
「ひゃっはー! コンテストッス!」
うひょー、と飛び跳ねたかと思えば、桐子は後ろに立つ父親へ力いっぱい笑いかける。
「水着コンテスト選ばれたッス! 狙うは優勝ッスよ、とーちゃん!」
父親が何か言うより先、桐子は踵を返す。スクール水着姿で駆けだす。
「アピールしてくるッス!」
かと思えばくるりと振り向き、元気いっぱいに両手を振り回す。
「ゆーしょーしたらごはんはゴージャスにしてくれッス!」
ノリノリで出場に臨む桐子の姿に安堵しつつ、遠海は桐子の父親に一礼する。止めても聞くわけがないから、と笑う父親にもう一度頭を下げて、実行委員の仕事に戻る。
(さあ、次は――)
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阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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