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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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知らず爪先がリズムを刻んでいることに思い至り、
スィフォス・イァスシヤ
は色付き始めた楓の如き黄緑色した瞳を細めた。
「こんな歌もあるのだね」
水着の肌に珠の汗を流してステージから下りてきた二人組を拍手で迎える。
「素晴らしかったよ」
高揚した笑みに反してたおやかなお辞儀をする志桜里の隣では、秘月が楽し気に息を弾ませている。
「……さて、と……」
ステージ裏に一度引っ込むふたりを見送り、スィフォスは太陽の光が降り注ぐステージに向き直った。手にしていたサングラスで楓の瞳を隠し、海の色した水着を見下ろす。すらりとした腰を飾るは細身の黒いリボン、長く伸びる白い腿には陽光にキラキラと光る七色ビーズのアクセサリー。
星幽塔から夏の寝子島を訪れ、夏と海を学ぶのであればそれに相応しい格好をせねばと身形を整え海に繰り出したところで、真夏の海岸では華やかな水着コンテストが催されていた。
――ほほう、これはまた……
星幽塔でも永遠に秋の続く故郷の森でも見たことのない祭を面白がって見学していて、実行委員に声を掛けられた。
(実地体験が一番身につくものだしね)
興味津々にコンテストに参加して、スィフォスはクスリと笑う。
(それにしても)
初めて纏った水着で他者と競うことになるとは思ってもみなかった。だからこそ、
(この島は面白い)
故郷の森の外の世界に興味を抱き、森の外に出て星幽塔に迷い込んだ果て、更に寝子島にまで時折弾き飛ばされる身となったスィフォスにとって、この世で起こり得る全ての事象が好奇心を掻き立ててくれる。
客席に集う人々をステージの下から一眺めする。
ステージの上から見た彼らは、一体どんな風に見えるのだろう。
それを考えることすら楽しくて、スィフォスはわくわくと階段を登る。微塵も物怖じせぬ堂々とした足取りでステージを歩く、たとえばひともとの美しい樹木を思わせる女性の姿に、客席からは静かな溜息が零れた。
色とりどりのパラソルの花が咲き、色鮮やかな水着をまとった人々が見渡せるステージの真ん中、スィフォスは森の賢者にも似た佇まいで立つ。
森に遊ぶ精霊を思わせる髪飾りに彩らせた紅葉の黄金の髪を夏の風に揺らし、夏の陽を知らぬような白い肌を太陽と邂逅させる。
「さて、……」
楽し気に細めた瞳に人々を見回し、語るは己が愛。
「ぼくは、この世界が好きでね」
愛していると言ってもいい、と静かに頬を緩める。
「世界と、世界に存在する全ての未知を愛している」
たとえば聴衆を前にした講師のように、たとえば迷える子羊を前にした占い師のように、彼女は語る。すらりとしなやかな腕をもたげ、遥かな水平線を指し示す。
「想像したことはないだろうか。あの水平線の向こうの、更にその向こうにあるかもしれない世界を。遥かな空の向こうにあるかもしれない未知を。それどころか、水平線の下や地平線の下にも、もしかしたらぼくらの知らぬ世界があるかもしれない」
好奇心が溢れるままにスィフォスは微笑む。
「知らないことがある。それはとても、とてもとても、胸が弾むことだと思わないかい? 少なくとも、ぼくはすごくわくわくするんだ。今すぐにでも、知らないことを知りたい。見て、聞いて、感じて、そうして学びたい。学びながらどこまででも歩いて行ってみたい。そう思うんだよ」
森に流れ続ける風のようにさらさらと、すらすら『愛すること』を語り続けるスィフォスの頭上、木漏れ日にも似た朱金色の光がきらきらと輝いた。
「――ああ、これも不思議だよね。どうしてこんなに色んな光に輝くんだろう。どうしてこの光を浴びると胸がわくわくどきどきするんだろう」
降り注ぐ真夏の太陽にも構わず、放っておけば延々と喋り続けてしまいそうなスィフォスの雰囲気に、ステージ脇からスタッフがちょっぴり慌てた仕草を見せる。その辺でその辺で、と言いたげなスタッフのジェスチャーに気づき、
(えっ)
スィフォスはぱちぱちと瞬いた。
もう充分です、と客席から響き始めた拍手にも、スィフォスは目を丸くする。まだまだ、もっともっと話したいことは尽きないのに。
(仕方ないな)
不満げに小さく首を捻りつつ、スィフォスは風に梢を揺らす大樹のようにそっとお辞儀をした。
語り足りない愛を抱えてステージを下りかけて、ふと振り返る。
「世界とその未知について話したくなったら、ぜひともぼくのところに来るといい」
ひらりと手を振り、ステージ裏へと姿を隠す。
「……おや、いいね」
黒猫耳のヘアバンドと黒猫尻尾付きのベルトを装着した
恵御納 夏朝
の姿に、ステージから渋々戻ってきたスィフォスは黄緑の瞳を細めた。
「……折角参加するのなら賞を狙おうと思ったんだ」
腰に巻いた細いベルトを隠すように群青のパレオを纏い、夏朝はスィフォスに軽く会釈して表へと歩み出る。
眩く照り付ける太陽を見仰いで焦げ茶の瞳を細め、ステージを見遣る。物怖じせぬ足取りとクールな眼差しで階段を登り、ステージの央へと進み出る。
尻尾を揺らしてシャラシャラと澄まして歩く黒猫じみた姿の少女は、ステージの真ん中でくるりとターンした。ふわり、黒猫の尻尾が舞う。群青のパレオが涼やかな眼差しの少女を包む夜のように風に踊る。
つ、と黒猫の少女は空を仰いだ。かと思えば気まぐれな黒猫のような動きでつま先立つ。ふわり、パレオを翻して猫の如きしなやかな動きで跳び、まるで空から降って来た誰かを受け止めるような仕草をする。
そうして、淡く微笑む。
空から現れた誰かとふたり、手を携えてくるりくるりと踊る。時にハイタッチを交わして悪戯っぽく笑み、時に見えない誰かを空に躍らせしっかりと抱き止める。抱き合った誰かと額を合わせて笑い合う。
真夏の夜の夢にも似た見えない誰かとのダンスを終え、夏夜はパレオを潮風になびかせ優雅な黒猫のように一礼した。
島に遊ぶ黒猫がひとのかたちして現れたかのような少女の幻想的な雰囲気に見惚れていた客席の人々が、夢から醒めたように拍手を送る。
ステージに降る太陽の熱に汗をぽたぽたと落としながら、夏夜はもう一度お辞儀した。
「僕は、」
どこまでも落ちてゆけそうに澄んだ夏空を仰ぐ。
「僕は、もう一人……」
ステージに舞った高揚のまま、語る。
「姉妹のような、大切な片割れのような子と一緒に来たかった」
ひとつの身体に宿ったふたりぶんの命。身体がひとつであるがゆえに、ふたりでこの場に並んでに立つことは、――今は、叶わない。
(夏朝)
親愛の情を寄せる彼女の名だけは固く伏せ、夏夜は叫ぶ。
「……いつの日か、二人一緒に、こういうイベントを楽しもう!」
力いっぱいに願う夏夜に、ラブ・インジケータが夜と朝の間の色に似た黄金色の光をキラキラと降らせた。
「いいねぇ、愛だ」
ほんの少し頬を上気させてステージから戻ってきた少女に、
ティオレ・ユリウェイス
は穏やかな笑みを向ける。
「ありがとう……」
思い切った自分の言動に戸惑っているかのように睫毛を伏せる少女の肩を軽く叩き、ティオレは夏夜と入れ違いにステージへの階段を踏んだ。
ダンサーじみた動くためのしなやかな筋肉を纏わせた身体でステージを歩む。海から上がったばかりの程よく日焼けした肌に水滴が伝う様は、たとえば雨上がりの日差しに濡れた花弁をもたげる花のような妖艶さを思わせた。かと思えば美しい肉食獣の強靭さを思わせる無造作で媚びない足取りで、ティオレはステージの央まで進む。
笑みひとつ浮かべぬ青の瞳を客席に向ける。
「
ティオレ・ユリウェイス
、二十代ってことにしておくよ。出身はアメリカ。ネコジマには気ままに長期滞在中。以上」
平静な眼差しと口調で流暢な言葉を放ったその直後、柔らかな筋肉に覆われた腿に結わえ付けていたナイフを抜き放つ。
太陽の光を白く反射させるナイフを手慣れた仕草で頭上に放り、くるくると回りながら落ちてきたナイフの刃を指先で挟んで受け止める。柄を手に軽業じみて側方宙返りからのバク転、雄々しい立ち回りから一転しての長い手足をしなやかに翻しての妖艶な舞。
熟練の軽業師や古強者の如きアメリカ出身の女性のパフォーマンスに、客席からは感嘆の声と拍手が沸き起こった。
短い芸を披露して、ティオレは何事も無かったかのような澄ました表情でナイフを仕舞う。迷いのないパフォーマンスの後、愛を語る段になってティオレは僅かに逡巡した。
(……愛、ねぇ)
激しい動きに乱れたポニーテールの髪を掌で撫でつけ、幾度か瞬きをする。
その日暮らしの盗賊稼業で生きてきた齢八百歳越えな星幽塔の民にとって、愛を覚えた日々など幾星霜の彼方。
遥か彼方に過ぎ去った愛の影を脳裏に探っていて、ふと頭上のラブ・インジケータが目に入った。客席で仲睦まじく身を寄せ合う恋人たちや楽し気に笑いあう人々が視野に映り込んだ。
「……じゃあ、一言」
ほんの僅か、口元が綻んだ。
照り付ける太陽の熱に任せ、浮かんだ言葉をそのまま口にする。
「お前ら、つまらんことでいがみ合ってないでとりあえず愛しとけ。そしたら何かいいことあるだろうさ!」
歴戦の戦士じみた女性の一喝につられ、客席の男たちが雄叫びで応じる。ラブ・インジケータが清々しいまでに鮮烈な紅薔薇の光を放つ。
男たちの熱い咆哮に素っ気なく手を振ってステージを去りながら、ティオレは小さな息を吐いた。
(愛なんて忘れてたのにねぇ)
あんなことを言い放てる熱がまだ己の中に残っていたとは。
(意外だね)
(愛しとけ……)
颯爽たる足取りでステージを去る紫のトライアングルビキニを纏った大人の女性の堂々とした一喝を頭に響かせながら、
羽生 碧南
は唇をぎゅっと引き結ぶ。
(……鷹取先輩)
ステージ脇で次の出場を待機する隙に、客席を眺めやる。百八十センチの長身で背伸びをし、客席の人込みに
鷹取 洋二
の姿を探す。
(どこかで見てくれているのかな)
見回した限りでは先輩の姿を見つけることは出来なかったけれど、
(きっと見てくれているよね)
祈るような足取りで碧南はステージへの階段を上る。
モデル並みの長身によく似合うバンドゥビキニ姿の女子高生に、客席から感嘆の声が溢れた。あちらこちらから飛ばされる口笛や歓声に、碧南はその長身に似合わぬ童顔を屈託なく笑ませて応じる。胸元で可愛らしく手を振ってみたり、すらりとした長い脚を見せつけるように大股に歩いてみたり、胸を張るように片手で髪をかき上げてみたり。
(ちょっとでもセクシーに見えるといいな)
先輩に見ていてもらえたらいいな。
ステージの真ん中に立ち、高い位置から客席に視線を投げる。こちらを見つめるたくさんの人々の姿の中に、それでもやっぱり先輩の姿は見つけられないけれど、
(先輩)
先輩が自分を見ていてくれると信じて、碧南はぺこりと一礼する。
(特にこれって持ち芸はないから……)
お辞儀に合わせてステージに流れ出すのは、事前にスタッフにお願いしておいた乙女ゲームの主題歌のカラオケ。
(この辺りでお茶を濁させてもらおう)
切なげな音楽に合わせ、碧南は歌い始める。高音でも掠れない伸びやかな声と淡い恋心を謳う歌詞に乗せる思いはもちろん、
(……鷹取先輩)
好きなひとへの想い。
――素晴らしかったよ
もしかしたら後でそんな風に褒めてくれるかもしれない。
歌唱の最中にふと妄想しそうになる頭を何とか現実に繋ぎ止め、碧南は最後のフレーズを旋律に合わせて囁く。
「……すき」
伴奏が終わる頃には、心は決まっていた。
(愛……)
愛を叫べと言うのであれば、ここでイチかバチか、思い切って告白して
しまおう。
先の七夕祭りのときにも告白はしたけれど、あの時は雑踏に紛れて自分の声が先輩に届かなかった。
(でも、今度こそ……!)
栗色の瞳に決意をこめて、碧南は客席を見晴るかす。高鳴る胸に負けて掠れてしまいそうな声を懸命に張る。
「私は鷹取先輩のことが好きです!」
設置されたマイクがキィンとハウリングを起こしそうな大きな声で告白すれば、ラブ・インジケータは励ますような淡い桃色に輝いた。
「どこがどう好きって、……先輩の全てが好き!」
優しい光に包まれながら、碧南は全身全霊で想いの丈をぶちまける。
「本当に大好きなの……!」
今度こそ聞こえて欲しかった。自分の恋心が先輩に届いて欲しかった。
(どうか、どうか……!)
白熱してゆく頭と視界の隅、客席の端に先輩の姿が見えた気がした。君の心は理解したよ、と小さく手を振ってくれたようにも見えた。
衆目のもとでの告白に心も頭も燃やし尽くし、呆然自失の態でステージを下りる碧南の背に、客席からその頑張りを称える拍手が贈られる。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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