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寝子島高校
第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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出場を待つ僅かな時間に太陽を浴びたところで、重たく濡れたTシャツは少ししか乾かなかった。
(もう……!)
肌と競泳用水着の透けるTシャツの襟を摘まんで放し、
水上 桜
は半ば自棄気味にステージへの階段を踏む。
ぱたぱたと水の滴をステージに落としながら躊躇いのない足取りで進み、濡れた髪で空中に円を描いてターンする。
(やればいいんでしょ、やれば!)
濡れた爪先でぎゅっと床を踏みしめる。客席へ挑みかかるような眼差しを向け、濡れたTシャツを勢いよく脱ぎ捨てるなり、キラキラと陽光に輝く水の滴に塗れた髪をかき上げる。
うおおお、と客席から湧きおこる歓声と興奮にあてられ、自棄気味だった桜の胸が瞬きのうちに昂る。
「水上桜、十五歳。寝子高一年生」
熱を帯びる胸のまま、自己紹介に入る。
「見ての通り、寝子高水泳部に所属してます」
現役女子高生のアクティブな競泳水着姿に、会場の主に元男子高校生たちが大きな拍手を打つ。口笛を吹いて囃し立てる。
会場の熱気を一身に受け、桜は黒い瞳を勝気に細めた。水の伝う頬を掌でぐいと拭い、客席を埋める色とりどりの水着を見遣る。
「他に水着持ってますが、なぜかなんとなく競泳水着が着たかったのでこれを着ちゃいました」
闘うための水着を見下ろし、もう一度客席を見つめる。
「いけませんか?」
いっそ柔和に微笑めば、元男子高校生たちからの拍手と歓声は否応なしに高まった。
客席の熱を受け、桜はふわりと頬を赤らめる。頭に血が上るまま、自棄気味なままステージに立ったはいいが、引き際はどのあたりにすればいいものか。
「趣味はアクセサリー作りで、自分でいろいろなアクセサリーを作ってます。お見せできないのが残念ですねー」
にこにこと発言しつつ、内心で必死に引き際を模索する。自己紹介ってこれくらいでいいよね? パフォーマンスもさっきので問題ないよね?
(ええと、あとは)
「それじゃあ、愛を叫びますねー」
流れるように自分で口にして、胸の内で安堵する。引き際としてはきっとこの上ない。
やっと乾いてきた競泳水着姿で、桜は両足を踏ん張る。両手を口にあててメガホンにして、
「寝子島、大好きだよー!」
シンプルに、爽快に叫ぶ女子高生に降り注ぐラブ・インジケータの光は、青春真っただ中に舞い上がって行けそうな蒼く青い空の色。
安堵と興奮がない交ぜになった表情で、前の出場者が階段を下りて来る。出迎えに立った華やかな水着姿の子たちに囲まれ、ほんの少し不貞腐れたような顔をして後、弾けるように笑いだす。
色鮮やかな笑い声が聞こえているのかいないのかも量りかねる森閑とした表情で、
三宅 葉月
は淑女然とした足取りで階段を上りステージに立った。
パレオの裾をドレスじみて翻して現れた彼女に客席の眼差しが集まる。
己に刺さる視線など意にも解さぬ悠然とした足取りで、葉月はステージを渡る。まるで森を歩く貴婦人の如き妖艶さで歩を進め、風を纏う精霊の如き所作でステージの央に一回り。
そうして、どこか物憂げに、触れれば壊れそうな硝子細工じみて神秘的な表情を浮かべて見せる。
静けさを連れてステージに立った彼女の両側、連なる爆発音にも似た激しいダンスミュージックが突如として爆ぜた。
会場の誰もがスタッフのミスかと思った次の瞬間、葉月はその繊細で幻想的な容姿とは裏腹、内に秘めた感情を爆発させたようなステップを踏み始める。爪先まで、指先まで、氷よりも熱い感情を迸らせて、葉月は嘆くが如き切なさでステージを蹴る。愛するものに触れる甘やかさで風をなぞる。
しなやかな腕を空へと伸ばす。光を求めるように、光を拒絶するように。
伸びやかな脚で床を蹴り空中でターンする。着地と同時にアンニュイな眼差しを客席へと投げかけるも、その瞳はなにものも捉えていない。なにものにも囚われていない。
舞台狭しと舞い踊るその癖、乱れる黒髪の下にあるのは変わらぬ物憂げな表情――
時間にしてしまえばたった数分の僅かな間、日差しに煌く刃の鋭さを帯びた鮮烈な舞踊を見せて後、葉月の身体はステージに立ったときと変わらぬ静謐さで静止した。
圧倒されて拍手を忘れる客席より先、審査員席のフジコ先生が高らかに手を打ち鳴らす。先生の眼差しを受け、葉月は初めてひとの気配に気づいた森の精霊のように小さく瞬いた。ふと息を零し、フジコ先生に向けて優雅に一礼する。
頭を上げたとき、葉月の瞳は元通りになにものも捉えてはいなかった。笑むでもなく悲しむでもなく、ただただ愁いばかりをその白い頬に浮かべ、
「愛とは」
囁くような声で告げる。
「……感情そのものよ。表現みたいなもの」
空を仰ぐ。海を眺める。風に触れる。
「手ざわりだったり、気配だったり……」
風に触れた指先に愛おし気にキスをする。
「それを感じたら、他には何も感じなくなるわ」
愛の叫びというよりは妙に哲学めいた発言で客席の人々を煙に巻き、葉月は来たときと同じにパレオを翻してステージを去る。
遅れた拍手と共にラブ・インジケータの光が示すのは、何もかもを呑み込むほど深く、何もかもを育むほど命に満ちて青々とした森の色。
深い森の輝きを背に、人目やひとの評価など気にも留めない足取りでステージを去る長い黒髪の少女を目で追い、
森篠 琳子
はここに来て数度目の重い溜息を吐く。
(やっぱり私、)
ステージ裏でスタッフから出場の段取りを他の出場者たちと並んで聞かされたときにも思ったけれど、
(地味だって……)
今しも擦れ違った女の子も、彼女より先に檀上に立ったどの子もみんな、自分よりもずっとずっと水着が似合っていた。佇まいにそれぞれのオーラがあった。
(う……)
森の色に染まっていたステージが新たなる出場者を待って光を鎮めるも、観客席には未ださっきの女の子に向けた熱気が残っている。
客席を見るのが怖くて背を向けていても分かる。次の出場者を待ち構える人々の熱が背中を叩いている。
(逃げちゃいたい)
そうも思う。けれど逃げたところで実行委員に確保される気もする。客席にいるだろうバイト仲間に捕まってステージに放り込まれる気もする。
「森篠さん、お願いします」
ステージ裏への入り口で控えていたスタッフに登壇を急かされ、琳子は押し出されるように階段に踏み出す。途端、わあっ、と客席からあがった歓声と拍手に、向けられる視線に、足が止まりそうになる。どうすればいいか惑う。
(っ、歩け)
咄嗟に踏み出したもう一歩に勇気を得て、ともかくも階段を上り切る。ぎこちない動きでステージを歩けば、客席からは温かい拍手が湧いた。
「がんばれー」
知らないひとからの声援を受けて、身体中がカッと熱を持つ。ぎくしゃくとした動きはもしかしたらかえって初々しく感じられるのかしら、と緊張しすぎて逆に自分を客観的に眺めつつ、客席と向き合う。
「わ、私は、」
掠れそうになる声を励ます。たくさんの視線を浴びて伏せてしまいたくなる瞼を精一杯もたげる。
「森篠琳子、寝子高三年です。来月就職試験を受けるので、学生最後の夏休みになります……なので、高校最後の夏の思い出になればいいかな、なんて思ったりして……」
棒立ちのまま、どきどきと焦る心のまま、あわあわと必死に喋る。がんばれー、だの、カワイイー、だの、好き勝手に投げかけられる声に更にどきどき慌てる。だってどう返せばいいのか分からない。
「えーと、」
狼狽えた視線の端にラブ・インジケータが掠めた。
愛を叫べ。そう催促された気がして琳子はますます焦る。
(……何を言えばいいのよっ!)
「えーと、」
(もうヤケだ!)
さっぱり浮かばぬ言葉に見切りをつけ、前屈みのポーズを取る。
水着の胸を強調するように片手を膝に当て、ウィンクをしてみせれば、ステージにかぶりつきの位置に居た男たちが興奮した声をあげた。
(ヤケなんだから!)
セクシーポーズで投げキッスまでおまけにすれば、審査員席のマンボウ君がきゅうっと気絶した。
(……後は知らん!)
背筋を伸ばす。挑むように客席を一眺めして、琳子は大股でステージを去る。こっそりほとんど涙目な琳子は、だからラブ・インジケータが拍手の波のようなダイヤモンドの光にも似たキラキラした光を灯したことにも気づいていない。
「美しい輝きだ」
次の出場者である男子中学生に腕組みしながら告げられ、琳子はごしごしと瞼を擦った。振り返ってステージに煌く光を確かめ、ちょっぴり途方に暮れる。
(私、)
こんなに地味なのに。パフォーマンスだってぎこちなくて上手に出来ていなかったのに。
ぱちぱちと瞬くばかりの女子高生に大人びた笑みを投げかけ、
折河 樹
はステージへの階段を上る。光の消えたラブ・インジケータをちらりと眺め、客席をちらりと眺め、ステージ中央まで怖じない足取りで進み出た後、勿体つけた態度でゆっくりと回転する。正面を向くなりビシッとポーズを決める。
右手を支えに左手で頬杖をつき、背筋が反り返るほどに背筋を伸ばし、両足の爪先まで力を籠めて堂々と立つ。長くポージングするにはちょっと苦しい体勢で立ちつつ、朗々と言い放つ。
「我が名は折河樹! 古の神より神々の黄昏に招かれし勇者である!」
(はいはい、つまり水着コンに指名されて参加したってことでしょ)
壇上から聞こえた聞き慣れた中二病発言をついつい意訳して、
「ん、」
ステージ上から聞こえた声に振り返り、檀上に立つ中二病罹患者の姿に思わず視線を逸らして、
「ん?」
観月 光
は檀上の樹の姿を二度見する。
「はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げ、周りの人々の驚いた目に遠慮して口を押える。
(なんでアイツがあそこにいんのよ! 超意味わかんないんだけど!)
はぐれた挙句いつのまにか水着コンテストに出場していた幼馴染の姿に目を剥く。客席の視線にも関わらずいつもと変わらず中二病発言をする樹に地団駄を踏む。
(んも~……!)
とはいえそこは幼馴染のよしみ。
(見ちゃったからには応援するしかないじゃん!)
そもそも幼馴染は黙っていれば格好いい。水着コンテストに出ても遜色ない見た目をしている、と光は決して口には出さずに内心だけで思う。
(ほんともったいないっていうか)
青と紫もグラデーションの水着もなかなか洒落ている。今風な感じで、
(あたしは良いと思うんだけど)
「さて、愛を語るか……」
幼馴染の応援には未だ気づかず、勇者樹は檀上から聴衆を見晴るかす。語るべき言葉は、幸いなことに多く持ち得ている。
「そもに愛とは様々な形をもち、時に大いなる力をもち、時に破滅をもたらす……それを俺が語るということは……」
神々の黄昏に降り立った勇者はシンと静まり返る皆を見据える。言葉を紡ごうとして、苦し気に息を呑む。
「くっ! 左目がうずく!」
芝居がかった動きで左目を押さえ背中を丸める中二病罹患者の姿に、客席の元中二病罹患者たちがその場にくずおれた。両手で顔を押さえて砂浜をごろんごろん転がる者まで現れる。加えてその脇では樹の演説を受けて新たに中二病を発症した子供たちがキラキラと瞳を輝かせてもいる。
阿鼻叫喚な客席には構わず、樹は樹の覇道を突き進む。
「そう、世界を脅かす邪気眼の力を今も尚左目に封印し、抑えてる、それすなわち、俺の世界への愛!」
全てを護るが如く両腕を広げる。
「世界愛である!」
宣言すれば、ラブ・インジケータが祝福の白光を降らせた。
ハート型ランプの光を後光のように、樹は左目を再び押さえどこまでも快活に笑ってみせる。
「俺の愛が潰えるとき……そのときこそ神々の黄昏がクライマックスにおちいるとき! その日がこないよう、精々はげませてもらうとしよう!」
(ほんと意味わかんないんだけど)
今にも駆け寄ってハリセンで頭を叩きたい衝動を押さえ、光は眉間に苦悩の縦皺を刻む。
(っていうかその左目にはなんにもないんだから……ああもう!)
「ハーッハッハッハ!」
拳を握る光の視線の先、キラキラの光を浴びて絶好調な樹が高笑いを上げて退場して行く。
ステージから下りる間際、客席の光に気づいて屈託なく笑って軽く手を挙げる樹の姿に、光はちらりと唇を尖らせた。反射的に応じそうになる手を反対の手で抑える。
幼馴染の言動はどうにも理解不能ではあるけれど、
(ま、そこそこ似合ってるし)
ともかくも今は何も言うまい。本人も今はとても楽しそうではあるし。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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