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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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海だ!
バーベキューにはラムネとスイカ割り、ビーチバレーと水鉄砲合戦。浮き輪にウクレレ、高速脱衣とくれば海水浴。
「あ?」
夏に浮かれた野郎だらけで寝子ヶ浜に繰り出したはいいものの、丁度イベント真っただ中。押し寄せる人波に呑まれて揉まれて、気付けば
如月 庚
はひとりきり。抱えていたはずのスイカもバーベキュー用になんだかんだと用意してきた食材入りのクーラーボックスも手元にない。
(あの野郎ども何処へいった?)
黒髪の頭を巡らせ仲間の姿を探すも、見えるのは人、ひと、ヒト。夏の砂浜を埋める祭に浮かれる人ばかり。
「……まぁいいか……」
夏の日差しに照らされ汗と潮風にべたつく頭をがしがし掻く。はぐれたのであればそれはそれで構わない。こちらはこちらで適当にそぞろ歩くとしよう。
むさくるしい野郎共などうっちゃって、庚は熱い砂をビーチサンダルで踏みしめる。どこもかしこも水着姿の男女に溢れる海岸を眺めるともなしに眺めてあてもなくふらふらとしばらく歩いたところで、
「……あん?」
見慣れた背中を見かけた。
人波の中、ひとりきりでも妙に楽し気に、おさげを弾ませ歩いて行く水着姿の小柄な背中。
(例の如くと言うか、……)
もしくは赤い糸と言うべきか。
夏に浮かれた思考に走りかける自分の頭を自分でゴツンと殴り、庚は足を早める。
(腐れ縁だ腐れ縁)
他の人間ならばともかく、自分たちに到ってはそう呼ぶ方が相応しい、
(……かもしれん)
ふらふらと飛ぶ蝶に似てふらふらと周囲を見回していたおさげ頭が、不意にこちらを振り向いた。呼ぶより先に視線が合い、庚は瞬く。
「また会いましたねー」
躊躇いなく駆け寄って来る
屋敷野 梢
に向け、小さく手を上げる。
「こんなところに何しに来てるんです?」
「……とりあえずメシでも食いに行こうぜ」
「奢ってくれるんですかー?」
「奢るか奢らんかはさておきよ」
素っ気ない庚の態度に、いつものこととは言え梢は唇を尖らせる。
「ご飯より先にー……ほら、かわいい女の子の水着ですよ!」
さっき気まぐれに海に入ったお陰で髪も身体もいい感じに濡れている。悩殺とばかりに庚の前に立ち、片手を頭に置いてポーズを取って見せるも庚の表情は動かない。
「同級生の水着姿! 真夏の女の子を独り占め!」
ほらほらー、と周りをぐるぐる回ってみせても反応はない。それどころか気難しい顔でそっぽさえ向いて歩き出そうとする。
「……あー、待ってくださいよー!」
「……あー、なんだ。いい水着だ。似合ってる」
追いかけて来る賑やかな気配を感じながら、すたこら歩きながらぶっきらぼうに言った言葉は果たして梢本人に届いたのかどうか。
「赤い糸というより蜘蛛の糸な気がしますけど」
(届いてねぇな……)
「あ、文学的な意味の蜘蛛の糸じゃないですよ!」
後ろから追いかけてきて隣に並んで歩き始める梢をちらりと見遣る。
(……いや)
見下ろした梢の頬がうっすらと赤いように見えなくもないのは気のせいだろうか。
(あー……)
庚は考えるのをやめた。
真夏の海岸をふたりで歩き、ステージがよく見える海の家の一席をどうにかこうにか確保する。ステージ上では、水着姿の女の子が楽しそうに歩いて屋台の宣伝をしている。
「よくわからん大会だな」
「ああ、水着のコンテストやってるんですよ」
捕まったら強制参加なんですよねー、と梢が示す先には、人波に揉まれて転ぶサンマさんの姿。
「私は運よく捕まらなかったので参加しませんけど」
「ますますわからん」
心底から首を捻り、テーブルの上のメニューに目を落とす。
「……何食うか……どうしたものか」
「んーと、私はやきそ……」
水着姿の店員に注文しようとしたそのとき、
――みんな~! だいすきだよぉ~!
ステージ上で出場者が愛を叫んだ。ラブ・インジケータがぴっかぴかに輝き、神魂による何十回めかの『愛』の波動が海岸中に広がった。
(なんだ……?)
突如としてふわっふわし始めた頭に、庚は眉間に皺を寄せる。ふわふわくらくらする視界の中、向かいに座った腐れ縁な相棒が妙にキラキラして見えた。
「注文……ええと……」
頭がふわふわしていようと、相棒に見惚れていようと、店員への注文は素早く的確に行わねばならない。庚は気力を振り絞る。メニューのひとつを指し示す。
「このトロピカルカップルドリンクを」
「そ、そうですね……トロピカルカップルドリンクでお願いします」
こちらを見つめて惚けたような顔をしている梢の姿に、庚はぐっと奥歯を噛みしめる。負けてはならない、そんな気がした。
「二つ……で」
何と勝負しているのかも判然とせぬまま、庚は掠れゆく声でなんとか伝える。かしこまりました、と去る店員の背を視界の端に、テーブルに突っ伏すほどに安堵する。これで自分の中のナニカは守られた、はずだ。
「如月くん……」
「屋敷野……」
濡れた声で呼びかけられ、顔を上げる。見えない力に導かれ、うっかり手と手を取り合おうとして、
「勝負です、如月くん!」
「いい度胸だなオイ」
咄嗟に腕相撲をしたり見つめ合おうとしかけて睨みあってみたりするうち、テーブルに注文の品が届けられた。
トロピカルカップルドリンク、ふたつ。
本来であればふたりでひとつを分け合う飲み物をそれぞれの目の前に、愛だかなんだかよくわからないものにあてられた男女が一組。
「……」
「来ましたね、TCD」
「略すな」
「……これを、どうしちゃおうってんですか?」
TCDをふたつ間に挟んで庚と見つめ合い、梢はそっと首を横に振る。
「いえ、私と如月くんの仲です。みなまで言わずとも、わかってますよ」
くすくすと笑ってみせると、恥ずかしさが頬を赤く染めた。
「まさか、今日こういう日が来るなんて思っても見ませんでしたが……」
いえ、と目を伏せる。
「ずっと望んでたのかもしれません」
上目遣いに見遣る。庚は生真面目な表情でこちらを見つめてきている。
相棒に微笑んでほしくて、梢はつとめて瞳を和ませた。
「少し緊張しますが……」
それぞれの眼前に置かれたTCDに、互いの腕を交差させるようにして手を伸ばす。仲良くふたつさしこまれたストローをそれぞれにそれぞれの指先でそっとひとまとめにし――
「……いざ!」
「おう、かかって来い!」
ふたりは同時に立ち上がる。互い互いにひとまとめにしたストローの飲み口をガッと口にくわえ、それぞれの前に置かれたジュースを勢いよく飲み干し始める。それはまさしく、
(上等な料理に黒胡椒をブチ撒けるが如き行為ッッ)
庚の脳内で何者かがナレーションを始める。
(俺たちはいったい何をやってるのか。そんな疑問が脳裏を駆け巡りつつも、相手の鼻先にあるドリンクを飲み干さずにはいられない)
ずごご! 先に空になったのは梢の前のグラスだった。すなわち、早飲み勝負は庚の勝利。
「TDC!」
「っ、TDCっ!」
空になったグラスを掲げて勝利を叫ぶ庚の後、少しむせながら梢も続けて空っぽのグラスを掲げる。
「飲まずにはいられない!」
「うー、さすがに男子には勝てませんねー」
半ば自棄になって仁王立ちで叫ぶ庚を見遣り、梢は椅子に掛ける。甘いジュースで甘ったるくなった舌をぺろりと覗かせる。
「……あー、……」
途中で冷静になりつつも半端に投げ出すわけにもいかずに完走した庚も醒めた顔で椅子にどかりと腰を下ろす。
負けられない戦いというものもこの浜辺にはあるのだ。たぶん。
「やっぱり、こーいう変なことできる間柄って大切ですよね」
「……まぁそーだな、こんなバカお前以外とやる気はしねぇわ」
熱戦を終えたふたりは空のグラスふたつを前に疲れた笑みを交わし合う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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