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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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(しまったッス!)
竜世とタイラの元気いっぱいなギアパフォーマンスを出番待ちの間に観ながら、
古尾 桐子
は大いに慌てる。
(カプギア持ってくるの忘れてたッス! 困ったッス!)
取りに戻るにも時間がなさすぎる。だって出番はふたりの次だ。というかふたりがもうステージから戻ってきている。
「お前もがんばれよー!」
「女子にお前はないだろう」
ひらひらと手を振って駆けて行く竜世をたしなめ、タイラは階段の数段上で立ち止まる。レディファーストとばかりに手を伸ばそうとして男子小学生的な羞恥心に負け、黙って道を譲るに終わる。
「サンキューッス!」
同い年の男子に屈託なく笑いかけ、桐子は階段を一段飛ばしに駆け上った。勢いをつけすぎてステージ中央を行き過ぎてから飛び跳ねるように真ん中に戻り、スクール水着姿でくるっと回る。
(ここはいつもより多めに回ってアピールしまくるッス!)
思いついたら即実行。二回三回、ぐるぐるぐるっと回っただけでは足りない気がしてまだまだ回る。十回くらい回ったところで目が回った。
ぐるぐるおめめでたたらを踏み踏み、桐子はぐるぐる考える。カプギアを忘れたとなってはパフォーマンスはどうしたものか。
(ここは)
まだちょっとふらふらする裸足でぎゅっと踏み止まる。『ふるお』のゼッケンがついたスクール水着の胸をむんと張る。
(ここは……!)
「ねこしまたいそーだいいちー!」
(を踊ってごまかすッス!)
女子小学生の力いっぱいの号令に、つられたように客席のおじいさんおばあさんと小学生中学生が、ついでに何割かの大人たちも立ち上がった。審査員席のマンボウ君が立ち上がろうとして転び、フジコ先生が綺麗な立ち姿を見せた。
「腕をおおきく伸ばしてせのびのうんどーからーッス!」
ちゃんちゃららーん、と伴奏のピアノを口で言いつつ、桐子は力いっぱい全身全霊で寝子島体操第一を踊る。つられた客席のみんなも審査員席のフジコ先生も夏の暑さに負けないくらい元気に身体を動かして、
「おおきくしんこきゅーうーッスー!」
最後まできちんと体操を終えたところで、桐子は続けざまに愛を叫んだ。
「カプギアラァァァァブッス!」
床に両足を踏ん張り両手を天に伸ばして絶叫する桐子の頭上で、ぴっかーん! 桐子が相棒としているカプセルギア『トルーパー』の特徴的な赤い単眼の色に輝いた。
「カプギアの面白さはマジサイコーッス!」
「サイコーだよなー!」
力いっぱい主張する桐子に力いっぱい同意したのは、ステージ近い客席に立っていた竜世。隣ではタイラが無言で頷いている。
「そうだよね、きりこちゃん!」
お母さんと一緒に居る甘桃も大きく拍手してくれる。
カプギア仲間の声を受けて、桐子は細い瞳をもっと細めた。
「みんなもカプギアで遊びまくるッスよ!」
身体全部で叫んでから、客席の端っこに猫背で立つ父の姿を見つけた。あ、と桐子はついでに付け足す。
「とーちゃんへの家族愛もちょっとそえておくっす!」
スクール水着姿でステージから駆け戻り階段を一段飛ばしで下りてきた桐子に、
仙藤 蒼
はひらひらと手を振る。
「やっほー、桐子ちゃん!」
「やっほーッス、蒼!」
砂浜に両足を揃え両手を広げて着地して、桐子は屈託なく笑った。
「次、蒼の番ッスか」
「うん、桐子ちゃんはお疲れさま」
人懐っこい笑みを交わし合うふたりを見比べ、紫は淡く微笑む。
「蒼のお友達?」
大人っぽい美人の言葉に、桐子は大らかに笑った。
「ッス! 蒼とはネコフェスのときキャットロードでバトルした仲ッス! でも今日はカプギア忘れて来たッス」
「ああ、それで寝子島体操」
ぱちんと両手を打ち合わせる蒼に、桐子はこくりと頷いた。
「私も忘れちゃった」
「お揃いッスね」
十五歳の蒼と十一歳の桐子、四歳差のカプギアマスターふたりは明るく笑い合う。そうしてから、桐子は父の待つ観客席の方へ、蒼はステージへの階段へと向かった。
「じゃ、行こっか、お姉ちゃん!」
蒼は姉の腕に自分の腕を絡める。
妹のいきなりの動作に、姉は黒い瞳を丸くした。成長期真っただ中で代謝が良いのか、妹の手は大抵あったかい。ぎゅっとしがみついてきて腕に触れる肩もフリルの水着に包まれたまだ薄い胸も。妹の身体はまだどこかしら子供じみた熱を帯びている。
「一緒にあるこ?」
カラフルなヘアピンで留めた黒髪の下から上目遣いに微笑まれ、紫は瞳を細めた。
「仕方ないわね」
姉の腕は太陽の下にあってもひんやりとして滑らかだ。ぴったりと身を寄せたまま一緒に階段を上れば、絡めた腕が姉の細い腰に触れる。シンプルな水着を纏った姉がとっても綺麗で、その姉の優しい眼差しが時折自分に向けられるのがくすぐったくて嬉しくて、蒼はくすくすと笑った。
「なあに、蒼?」
「ううん、なあんにも!」
ご機嫌な蒼はステージの上を歩きながら観客に向けて空いた手を振る。手を振り返してくれるひとたちに向けて可愛くウィンクしてみせたりもする。年相応に可憐な妹の様子に知らず口元を和ませ、紫は客席を見遣る。たくさんのひとの目に怖じることなく、微笑みを絶やすことなく、たおやかな仕草で手を振る。
美人姉妹の登壇に客席が湧く。賑やかに投げかけられる拍手や応援の声に、蒼は笑みを深くした。姉を褒める声を耳にする度、ちょっぴり得意げに姉の腕にぎゅっと抱き着く。
ステージの真ん中に立ち、蒼は客席を見渡す。隣の姉が自己紹介に迷っているのを見て取り、姉と腕を組んだまま一歩前へと踏み出す。つんつん、と姉の脇腹を指先で突っつく。
妹からつつかれ発言を促され、姉は困ったように苦笑した。そっと口を開く。
「仙藤紫です」
名前を静かに口にするだけで済ませようと目を伏せかけて、妹の上目遣いな眼差しとぶつかった。ちらりと迷って、
「木天蓼大学文学部一年で、心理学を専攻しています」
やっぱり短くあっさりめに自己紹介をまとめる。
「妹の仙藤蒼です!」
姉の短い発言に反比例するが如く、蒼は溌剌と笑う。
「今日はお姉ちゃんと水着デートに来ました! 寝子中三年生、趣味はゲームで、特に好きなのは弾幕シューティングです!」
姉に元気を分けるように姉の腕に腕をぎゅっと絡ませ、もう片手を大きく振る。
「よろしくね!」
手を振り返して応じてくれる知らないひとや顔を知るひとに朗らかな笑顔を向けてから、蒼は姉の耳元に唇を寄せる。
「あれ歌おう、お姉ちゃん。スタッフさんにカラオケ頼んであるから」
「わかったわ」
短く言葉を交わしただけで意思を通じ合わせ、姉妹は向かい合う。互いの右手と左手を重ね合うポーズを合図に、ステージにアイドルデュオのポップな音楽が流れ始めた。前奏に合わせ息の合ったダンスを見せるふたりに、客席からの歓声と拍手が降り注いだ。
家族でカラオケに行くたびに一緒に歌って踊っていた、どこまでも明るく朗らかなラブソングをふたりは披露する。妹は素早く鮮やかに、姉は情感たっぷりに。性格が表れたようなダンスを見せながら、ふたりは時折仲睦まじく視線を重ねて笑み交わす。
背中合わせに最後の歌詞を歌い終えたときには、美人姉妹にやんやの喝采が浴びせられた。
久しぶりのダンスにほんの少し弾む胸を押さえ、紫は客席に向けてお辞儀する。頭を下げながら、登壇してからの段取りを頭になぞる。
駆け寄ってきたスタッフにさあどうぞとマイクを渡され、紫はぱちぱちと瞬いた。
(愛を叫べ、ねえ……)
去年の夏に失った恋心に最近やっと片を付けたばかりの紫は、叫ぶべき『愛』について迷う。
(何を言えばいいかしら?)
マイクを受け取ったはいいものの戸惑ったように黙り込む姉を、妹はじっと見上げて焦れる。
(もう、お姉ちゃん!)
呼びかける言葉の代わり、姉の手からマイクを奪う。
「愛ですか?」
愛だよー、と客席から投げられた言葉に、
「私、ゲーム好きで、チョコレートが好きで、夜更かしが好きで、でも――」
指折り数えてから、ほんの少しの溜めと共に顔中で笑う。
「一番大好きなのはお姉ちゃん!」
マイクを放り出す勢いで姉に抱きつく。
「お姉ちゃーん、私、本気で愛してる!」
マイクを通さなくてもステージ上にも客席にも響き渡るデッカイ声で堂々と電撃発言した上、躊躇いもなく抱き着いてくる妹に姉は慌てる。
「ちょ、ちょっと蒼!」
首筋まで真っ赤に染める、普段冷静な姉の珍しい横顔に蒼は笑う。
お姉ちゃんは、やっぱりとっても綺麗だ。
(百合姉妹?)
客席のどこかから聞こえた囁きに、蒼はまた笑う。ものすごく恥ずかしそうにあわあわと狼狽える紫にいたずらっぽくウィンクしてみせる。
「むしろどんと来いだよね、お姉ちゃん!」
階段を降りて来る姉妹のうちの姉は肌理の細かな頬を赤く染めている。
「……もう、蒼ったら」
困ったように傍らの妹をたしなめながらも、姉の表情はどこか明るい。
「お姉ちゃん、だーい好き!」
姉と腕を組んで一緒に降りて来る妹も心底楽しそうだ。
仲の良い姉妹を眺め、
三折部 朝衣
は黒い瞳を淡く細める。
(妹もいいな、……なんて)
中学生の弟しかいない朝衣はないものねだりを分かっていてちらりと思う。会釈して過ぎて行く木天蓼大学生に人懐っこい笑顔を向けて、前を向く。次は自分の出番だ。
ライムグリーンの三角ビキニに短めのデニムのホットパンツを纏った自分の身を見下ろす。サーフィンで日焼けした肌に、シンプルデザインのシルバーブレスレットは水着同様とてもよく映える。
スタッフに登壇を促され、朝衣は朗らかに頷いた。同じ寝子島町役場に勤めるスタッフに軽く手を振り、階段に足を掛ける。コンテスト出場は今回で三回め、少し高い位置から見渡せば、審査員席も客席も案外遠くまで見えることはよく知っている。
町役場の上司である町長に会釈する。会場のあちこちから声援をくれる同僚や先輩に明るく手を振る。そうしながら、ステージ上を堂々とウォーキングしてみせ、真ん中でくるりとターン。
(サービス!)
膝に手を当て前屈みになる。何かの雑誌で見たちょっとセクシーにポーズを取ると、客席からは大きな拍手とどよめきに似た歓声が起こった。
潮風に乱れるセミロングの黒髪をかき上げ、朝衣は客席を見回す。パラソルの下に立って見守っていてくれる彼氏、住沢遥人の姿に思わず満面の笑みが浮かんだ。胸の前で小さく手を振る。
「三折部朝衣、二十歳。寝子島町役場に勤めています」
悠人が眩しそうな笑みとともに手を振り返してくれている。それがとても嬉しくて、声が弾んだ。
「趣味はサーフィンで、今日も彼氏と朝早く波乗りを楽しんでました!」
コンテストは今回で三度目です、という言葉は、日焼けした闊達な雰囲気のサーファーガールに色目を使おうとして早くも失敗した男性陣のがっかり声にちょっぴり掻き消された。
「あはは、ごめんね?」
男性陣のブーイングをどこまでも陽気に受け流し、朝衣は流れるように愛を叫びにかかる。
「悠人、今日で五回目のデートだけど、そのたびにあなたのことが好きになるの」
好き、と言った途端に熱くなる胸を押さえる。
「愛してる」
その言葉を口にすれば、胸はもっと熱くなった。
「悠人のこと本当に愛してる!」
衆目を集めての愛の告白に、顔に熱が昇る。赤くなる頬はそのまま、朝衣は太陽よりも眩しく笑った。その笑顔も心も、全部ぜんぶ、愛する彼氏だけに向けたもの。
「……というわけで、来週の日曜日、またここでサーフィンしよ!」
照れ隠しじみて半ば強引に六回めのデートの約束を迫る朝衣の頭上で、ラブ・インジケータがキラキラと跳ねる波のような碧の色を弾けさせた。
悠人からの返事は、――もちろん、言うまでもない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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