this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
狐火の花盗人
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
◆御使たちの通り道
(幻の桜といい、俺は普通の中にあるちょっとした怪異が好きなのかね)
そんな思考を頭に神社近くを歩くのは
御剣 刀
だ。
予め旧市街の人達に狐の住処を聞き、見当をつけていた彼。
その前にと狐の足取りがある寝子島神社を見て行こうと思ったのだ。
手土産は『西野町とうふ店』の油揚げ。あの時の幻の桜の写真も、気に入ってくれるならばと。
「あ……」
ふと、立ち止まり気付いたことが一つ。
(地図と方位磁石忘れた……)
なんと忘れ物である。
「あっれー? 刀くん?」
聞き慣れた声、振り向けば予想通り。
桜庭 円
がいた。
相変わらずの大きなリュック。彼女も狐の住処について既に話を聞いてきた一人だ。
その隣には
小山内 海
がいる。
彼女が持っているのは花の絵。美術部の腕が光る出来栄え。
偶然にも揃ったのは良く行動する三人だった。
「動物だし、悪気があって動いてる訳じゃないと思うんだ。必要だから、花を集めてるんだと思う」
――ただ、どういう理由か解らないから、現地に行ってみようかなって。
円の言葉に海も頷いた。刀は元よりそのつもりで居る。
(わざわざ人里まで降りてきてるんだし、住処の方で何か起きてるのかな?)
いつも複数で動いてることから、単体の問題じゃなく群れ全体の問題だったりするのかもしれない。
「今まで寝子島神社までしか下りてこなかった狐が、花盗人をする理由は、それをする必要性が生まれたからだろう」
刀の推測はこうだ。
群れで動いているのは、親分辺りに事情があるのではないかと。
異性の気を引きたいがための贈り物か、床に伏せっているものへのお見舞いか……何れにせよ必要なのだろう。
「丁度良い、一緒に狐を追わないか?」
「さーんせい!」
『うん!』
一緒に行かない理由は持ち合わせていない。
「俺は寝子島神社も見ていくつもりなんだけどいいか?」
「僕もそのつもりで歩いてたんだよ!」
『わたしも おなじ』
目的地だって一緒、寝子島神社はもうすぐそこだ。
そんな三人の目の先には綺麗な花柄を纏う人影が見えた。
遠目でも解る鮮やかさ。
刀たちが鮮やかさを見つける少し前。
楪 櫻
は母親の形見である、鮮やかな着物を纏い神社周辺を歩いていた。
彼女は知っていた。最近遠くで響いていた狐の鳴き声を。
このままにしておけないと箪笥から取り出したのがこの着物。
(……母さん、形見をこんな事に使ってすまない)
しかし着る機会もなければ、このままでは箪笥の肥やしになってしまう。
それよりは――と櫻は前を見た。
これだけ鮮やかな色だ、周りの花よりも目立つのだろう。
櫻の目論見は当たっていた、故に急な襲撃を受けたと言っても過言ではない。
「来たかっ……!」
最初の一撃は辛うじて交わす。完全なる不意打ち。
飛び出したのは複数の狐だ。
次の攻撃はいつか、それはわからない。
櫻はあえて自ら話しかけることを選んだ。
「これか? 見れば分かるだろう、羽織だよ。……私の母親の形見だ」
通じたのか通じていないのか、狐は一瞬だけ下を見て、そして。
――駆け出した、
速さは一般的な狐だ。着物を羽織った状態でも避けることは可能だ。
櫻は最初から捕まえようとは思っていない。疲れさせることが出来ればそれでいいのだ。
誰かが追う手伝いになればと。
しかし一転はすぐだった。以前に聞いた鳴き声が櫻の耳に届いたのだ。
(声か……?)
意識が逸れた時、狐の踏み込みが変わった。
ひゅっと軽い音、しかしその後には、
「っ……!」
重たい、おと。
紙一重で避けるだけが精一杯。
幾度と続けば疲れさせるというより、既に此方が疲れてしまって。
見えたのは、真っ直ぐな瞳と。視線の先はやはり花。
あとは、時間の経過と共に、動きを止めた狐の姿。
「……?」
一匹だけではない、全ての狐が動きを止める。
そして神社の方へ掛けていく。
なにかの時間制限か、なにか。何れにせよ、彼らの『速さ』は解けた。
「あの速さは……」
考えこむ櫻。
「ねぇ、大丈夫!?」
「あ、あぁ、」
遠目で姿を見つけ、駆けてきた円が声をかけれは櫻が頷く。
怪我は幸いにもないようだ、形見にも傷がないかそっと確認する。
「狐はどこへ……?」
刀が視線を散らす。
『たぶん じんじゃ』
海はそれを見ていた。
指差した先――寝子島神社。
刀、円、海、そして櫻。4人は神社の方へ。
「一休みしましょう」
境内の掃除をしてた箒を置いて、
御鏡 聖
は静かに息を吐いた。サイドテールの黒が風に揺れる。
彼女はここ――寝子島神社で修行に励む巫女だ。
いつものようにのどかな時間のはずなのだが、今日は狐が忙しなく山の方へと駆けていく。
ここまで多くの狐が一度に帰っていくのは大変珍しいものだ。
何も持っていない狐も居れば、花や綺麗な布を咥えた狐もいる。
その中に人らしき姿も見えた気がしたが、流石にそれは見間違いだろうと首傾げたり。
「忙しそう……」
ぽつりと零してしまう程に、彼らは必死に走っているのだ。
水を飲んで口を拭く。
ふ、と視線を挙げた先には一匹の狐がいた。
何をするわけでも視線だけ、よく見れば疲れているのか身体が若干下がりつつあって。
視線の先は――
「これが必要なんですか? 良かったらお貸ししますよ?」
差し出された桜色の花柄ハンカチ。
後で返してくださいね、と聖が笑えば、そっと近づいた狐はそのハンカチを口で咥える。
「あ、そうです。良かったらおやつもどうですか?」
本来なら修行中にこういうのはよくないと思っていても、お腹がすいていては仕事も捗らない。
だから秘密ですよ? なんて内緒の仕草。
狐がそのおやつにもそっと近づいたとき、ハッと何かに気が付いて逃げて行ってしまう。
「あら……?」
お気に召さなかったかしらと、首をかしげる聖。
狐の背を見送る。もしかしたら、用事でも思い出したのかもしれない。
「狐を見なかったか!?」
「え……?」
荒げた呼吸と問う声。振り返った聖の目に映るは鮮やかないろ。
着物の女性――櫻が、もう一度次は静かに狐を探していると告げた。
「刀くん、狐いる?」
「いや、今はいないみたいだ」
円の問いに視線を散らす刀は首を振る。
「あの、狐さんならあちらに行きましたよ?」
示された先は九夜山。四人は急いで走っていく。
振り返りざま、海が書き記したのは『ありがとう』の文字。
聖はふんわりと笑んだ。
次に神社に来たのは、あおいと行動を一緒にする者たちだった。
「あの、狐さん知りませんか?」
先ほどの一行と同じ質問。聖はかわらずあちらですと指をさす。
「……山、か」
修が頷いて、もう一度タブレット端末を手に取った。
直接山に向かってもよさそうだと茂に伝えるために。
「うー……狐さん、どうしたのかなぁ」
美咲紀は考え込む。
「あの、もしかして狐さんについて何か?」
「うん、そうなの。どうして花を持っていくのかなって」
聖は思い出す、たくさんの花やそれに近いものを持っていく狐たちの姿。
けれど、
「悪いことに使うわけでは無いと思うんです。きっと」
貸したハンカチを思いながら、聖は美咲紀に笑む。
「うん、そうだね。信じてあげなきゃ」
美咲紀も笑う。次に会ったその時はきっとこれも使えるはず。
手に持ったままの紙と10円玉と。そんな予感がした。
ひと休みの後は急ぎ足。
――もう一度、会うために。
聖はその背を見送る。
信じ待つことを選ぶ、それもまた選択。
◆至る道
櫻は形見故、少しだけ道になっている場所を選び、刀たちは獣道を選んだ。
「たぶん、狐の生活圏内で何か大変な事が起きてると思うんだよねー」
獣道を先行する円はそんなことを零しながらどんどんと進んでいく。
先のわからぬ道を自ら進むことにより、彼女のろっこん――ブレイブハートも発動していた。
危険な行動をとることにより上がる運。その効果は若干だったけれど。
遭遇には繋がった。
「怖くないよー?」
円が見つけた狐にしゃがんで視線を合わせ、ひらひらと花柄をチラつかせた。
海も後ろで絵を広げてその視線を離さないようにしてみる。
(来て、くれないかな……)
胸の高鳴りを聞きながら海は狐を見た。
その時だった。
円の身体は何かに沈んだように重たくなる。
例えるならば――踏まれた、そんな感じだった。
海は見ていた、早かったけれど、人の形をしていたから。
(狐さん……だったの?)
そこに気を取られている間に目の前にいた狐も居なくなっていた。
逆巻 天野
――九夜山に住む彼の目に映る円たちの行動は、狐を捕まえようとしている事に他ならなかった。
だから文字通り彼は『踏んだ』のである。
同時にその狐を逃がし、彼はその狐の後を追っている。
「……こっちか」
その姿を見失っても形跡がある。
故に、彼が狐の行く先を見落とすこともない。
天野は知っていた。狐たちが山を何度も下りていること、今日も降りた事。
だから気になっている、その理由が。
(何となく、そうかなってのはあるけど……)
そう、彼は確証が欲しいのだ。
(あれは……)
そこに居たのはオブジェの奉納を続けていた理一だった。
しかし彼は顔に仮面を被り、その表情を見せない。
九夜山に住む天野の知らない顔。
(もしかしてあれが何か……)
『理由』の一つなのかもしれない、そう思った。
ただその存在に覚えはない、だから違うのかもしれない。
少しだけ考え込んだ天野が顔を上げれば、そこには。
「あれ……、屋敷野?」
瞳に飛び込んできたのはビデオカメラを片手に携えた
屋敷野 梢
の姿だった。
「あ、偶然ですねー!」
面白い狐の生態のために狐を追いかけていた梢はよく知った顔に嬉しそうに笑う。
それが自らの思い人ならば、尚のこと。
「屋敷野も狐をさがしてるの?」
「あ、はーい。生物部の活動で発表出来たらいいなと思いまして!」
それはいいね、と天野が笑う。
「それにしても狐は群れを作らず子育て以外は単独行動なのに不思議ですねー」
どうやら人里に下りているたくさんの狐のことを言っているらしい。
「ここの狐はよく一緒に居るけどね」
前から狐を知る彼はぽつりと零す。本当は理由だって――。
ふと。近くの咲いている花を見る。
「これは……」
「どうかしたんですかー?」
「ん、ちょっとね」
確信にしたいから、言葉にはしない。核心に近づく為「行こう」とだけ梢に告げた。
梢はただ頷く。ある事を心に秘めながら。
治のイメージは周囲に花を満たす。ろっこん――咲乱-Flower Decorate-。
それは土の上で使う必要はあるが、目を閉じ深くイメージすることで周囲に花を咲かせる能力だ。
山で使ったこともあり、沢山の狐が飛び掛かってきたが、そこは獅子子の腕が光る。
治が怪我をしないように、受け、更に受け流していく。
直接攻撃をすることはない。
(何も分からん内には、傷つけられんからのぉ……)
狐にも理由があるのかもしれない、住民に迷惑が掛かっているのが事実だとしても。
(わしに小難しい事は分からん。アホじゃけぇ)
それでも知りたいと思う気持ちに不足も偽りもない。
狐の数は多かったが、早さは通常。
聞いたものよりは早さを実感できるほどではない。
物陰から見ていた梨樹は不思議に思っていた。
自らが遭遇したあの速さが今の狐にはない。
そして追跡する上で彼は思っていたことがもう一つあった。
(九夜山の狐って、神様なんじゃないか?)
だとしたら神が増えたことで縄張りを荒らされたと思った可能性もあると。
念の為と心当たりのある所に、急ぐことにした。
心当たりのある者たちからの狐への申し開き、もし、必要ならばその方がいいと判断したから。
彼はそっと山を下りていく。
狐の瞳が気になり追いかけてきた瑞樹は治の花に目を奪われていた。
(きれい……)
そう思うけれど、狐の行動もあって近づくことはできないでいた。
自分の時はあんなことしなかった、なのにどうして?
考えてもわからない、どうしよう……。
下を向けば三つ編みも垂れ下がる。
獅子子のお蔭で治が怪我をすることはなかった。
ただその近くの花を咥えれば、一匹、また一匹と奥へ駆けていく。
「あちらさんが住処みたいじゃのぉ」
「そう……みたいですね」
獅子子の呟きに治も、隠れて見ていた人たちも奥を見る。
きっとこの奥が――そんな予感が走って。
日が、沈む。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
狐火の花盗人
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月19日
参加申し込みの期限
2012年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!