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狐火の花盗人
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◆花絡み
「もしもし……、――――うん解った。待ってるね」
終わった電話を切って、
七夜 あおい
はホッとした。
電話の先の人物が了解してくれた、もう少しすれば此処に来るだろうから。
「あれ……七夜?」
「ひゃっ!?」
肩を竦めて、振り返った先に居たのはあおいのクラスメートの
八神 修
だった。
「修くんかぁ、もうびっくりした」
あおいがほっと胸を撫で下ろす。
知らない顔ではない、クラスメートだった事で安心したのだ。
「もしかして狐?」
「うん、私も探してみようと思って」
「ならさ、一緒に行かないか?」
「え? どうして?」
首を傾げるあおいに修の言葉が止まる。
(心配だから……ってのはちょっとストレートか?)
そんなに頼りない?と角は立たせたくない、しかし目の前の彼女が放置できない相手なのも事実。
だから。
「一人より二人というだろう?」
「あ、確かに!」
その言葉にはあおいも納得してくれたようで。
「……あ、でもねもう一人来てくれるんだけど、いい?」
「なら訂正だな。二人より三人で」
すっかり和むあおいと修。
「ねぇねぇ、それ三人より四人になるかなぁ?」
修の後ろからひょっこりと顔を出したのは、
椿 美咲紀
だった。
花好きの彼女。花泥棒を放っておけるわけがない。
偶然にも二人の話を聞いていたのか、
「私も狐さんを探してるのね」
だから仲間に入れてくれないかな? と。
あおいと修は一瞬顔を見合わせて、一緒に頷く。同じ目的、断る理由はないのだから。
そんな三人の後ろから、ぱたぱたと急く足音。
「あおいちゃんー!」
「あ、綾花ちゃん」
案外近くに居たのか先程のあおいの電話相手――
綾辻 綾花
はお待たせと笑う。
こうして4人が揃って。
修が取り出したのはタブレット端末だった。
映しだされた地図には、印がついている。
「修くん、この印は何?」
「事件の発生現場だ。役に立つかなと思って」
調べられた範囲だけど……と付け足す彼に、三人は感心の視線を向ける。
「ターゲットの活動範囲だ。印の密度が濃い場所を中心に探すのが効率的だと思うんだがどうだろう?」
「私も活動範囲を調べてみようと思っていたんです。いいですね」
綾花が賛成する。
「うん。なんか会えそうだね!」
美咲紀が頷けば、あおいも笑って一緒に頷いた。
最初に訪れたのは、あおいの遭遇したあの事件現場付近だった。
今日はとても静かで、店先には街の人達が居る。
「あの、ちょっとお聞きしても宜しいですか?」
綾花が率先して聞きこみを開始する。
「ん? なんだい」
「昔の狐はどんな感じだったんですか?」
相手は事件のことを聞かれたくないかもしれない――けれど。一呼吸の後、綾花は真っ直ぐに尋ねた。
「花を持って行く事は偶にあったねぇ。それでも全部じゃなかったし、一輪とか可愛いもんだったよ」
間違っても危害を加えるということはなかったらしい。
「時間帯とか、気付いたことはなかったですか?」
「そういえば……いつも夕方だったねぇ」
時は決まって夕方。そんな時間にひょこひょこと尾が見えたりする程度。しかしある日を境に……
「飛びかかってくるようになったんだ」
花に、と。それは花だけじゃなく、鮮やかな色ならば服でも絵でもお構いなしなのだと。
驚いて転ぶ人から、素早い狐に触れて怪我をする人だって。理由はわからない、だから首を傾げるしか無いのだ。
「少なくとも、悪戯……ではなさそうか?」
「うん、きっと何か理由があってお花を狙っていると思うのね!」
困っているなら助けてあげたいよ、零された呟きは切実な。
「花を取るのは人が持ってる時じゃなく、目を離した隙にだったのでしょうか?」
あまり見かけられていなかったということは、そういう事なのだろう。
しかし今は――。
可愛いものを集めたいというのならば、その気持ちは綾花にもわかるのだが……。
「やっぱり見つけるしかないみたいだね」
あおいの言葉に頷いて修が出したのは鮮やかな色の花柄の紙手提げ袋。
「あ、私も!」
美咲紀が出したのは小さなブーケ。スターチスや、カンパニュラ、ラナンキュラスなどの花色の多い華やかな。
庭で美咲紀が自ら育てた花たち。
「綺麗……ですね」
綾花がふんわりと微笑む。
「この二つ合わせたら最強かな」
だってすごく綺麗と、あおいも頷く。
「じゃ私が両方持って歩いてみるよ!」
男らしさを堂々と出したあおいに修は首を振る。
「それは、俺がやる」
相手に悪意がなかったとして、鋭い爪一つで簡単に怪我してしまうのだから。
責任感の強い修だ。女の子にそんなことはさせられないと、理由をひとつ。
根本には、あおいを守りたい――そんな秘めた思い。
歩く場所は自分のタブレット端末の情報に沿って。
あおいや綾花、美咲紀には説得や連絡を頼み、修は歩き始める。
そっと追っていく三人の瞳には些かの不安。
魅せつけるようにではなく、ただ自然に。
(来る……だろうか)
修が視線を散らす。遠くで、鳴き声が聞こえた。
(狐……か?)
視線が声の方向に奪われる。
そのタイミングで、何かが物陰から飛び出した。
早い風――狐だ。
「出ました……!」
綾花が声を上げる。
「……あれ、まだ居るよ!」
美咲紀の声にあおいが視線を向ければ、あと2匹の狐が続いて出てくる。
修はその飛び出す何かを避けたつもりだった。
しかし実際はがっつりとお腹に一撃。
頭は切れるが身体を動かすのが壊滅的な彼だ。その速さに対応出来ない。
しかしそれ以上に異様に早いのだ。
――おかしい、そう思うほどに。 直接受けてそれは、より鮮明になる。
「修くん、大丈夫?」
覗き込むあおい。
「だ、大丈夫だ。それより狐を」
有難う、と礼はして、狐に視線を向ける。
目があって、もう一度来る――そう感じた瞬間、
「やめて、狐さん!」
響いた美咲紀の声に、狐のぴたりと動きが止まる。
向けられた瞳は澄んでいる。まるで首を傾げるように。
「なにか、言いたいんでしょうか……」
綾花の言葉にハッとして美咲紀は持参してきた、10円玉と紙を取り出した。
紙に書かれたのはひらがな50音とはい・いいえの文字。それは少し身覚えるあるような。
「これで聞いてみようよ!」
意思疎通がしたい、彼女の思いは真っ直ぐだ。
しかし狐は動かない、いやそれが何なのかわからないのかもとしれない。
「それ確か狐の神様に聞くおまじないだったよね?」
街の人の言葉を思い出したあおいが口を開く。
神様が怒ってるんだとしたら、怒らせちゃうかも、と。
あ、と気づいて美咲紀は直接視線を向ける。
「どうして花とか綺麗な物を盗っていこうとするの? 何か事情があるの?」
「花を何かに使うんですか?」
美咲紀と綾花の言葉に狐は答えない。きっと紡ぐ言葉を持っていないのだろう。
一匹、また一匹と逃げていく。
最後の一匹に、
「困ってるなら手助けしたいの!」
大きな声で、届くように。
じっと、狐は美咲紀や綾花を見る。
何かが伝わったのか、狐は修から盗った花を路上に置いてそして走っていく。
逃げた先は寝子島神社、真っ直ぐにまっすぐに。
(神社なのか……?)
修は予め交換してあった生徒会長――茂の携帯を鳴らす。
今起こったことを、伝えるために。
◆推測の先は
海原 茂
と行動に共にしていた
弓弦原 譲
と
御巫 時子
は参道商店街を聞きこみをして回る。
被害にあった人達だけでなく、聞ける限りに。
(花盗人か……呼び名は風流だが傍迷惑なのは変わらない)
被害は譲の行きつけの本屋も及んでいる。見過ごすことは出来ない。
花を持っていた男の子が言う。
「えっとね、狐さんと会った時、怖くてお花をぽいってしたら、お花の方に狐さんが走っていったよ」
だから怪我もしてないんだと、自慢げに男の子は胸を張った。
「鳴き声が沢山したから、いっぱい居ると思うの。そしてとっても速いんだ、よ」
横の控えめな女の子もそっと言葉を零して、俯いた。
「やはり興味は花か」
「そう、みたいですね……」
「それだけでは、理由が出て来ないな」
「はい、でも悪さをしたいとかではなく、大切な理由があると思うんです……」
きっと何かと時子は考えこむ。
「山にも綺麗な花が多いと思うんですけど何故街の花なのでしょう……?」
「……山には無い何かなのだろうか」
「もし欲しいだけなら、花を取らなくてもいいように、狐さん専用の花壇を作るとか……」
方法はありますよねと。もしそれが正しければだが。
譲が聞いた話を元に話題を進めていく。
「狐の速度も異様と言う話だったな」
例えば速度。何人に聞いても狐のそれはとても素早く、絶対に追いつけないというのだ。
成人男性の足でもそれは同じ事で。
「素早いだけではない……のか?」
話を聞いていた譲は何かに引っかかったのか、小さく聞き返す。
「そもそもの狐が目に見えないスピードで花を奪うというのも可笑しくはないか?」
「確かに、そうだな」
頷いた譲は考え込む。素早い動物が居たとして、その『素早い』には限界もあるだろう。
先程の老人の話では、昔はこんなことはなかったと云っていた。
ならばやはり原因は最近だということ。
譲の脳裏に過ぎった可能性はまず、ひとつ。
「ろっこんの暴走もあるだろうか」
「たしかにその可能性もありそうだ。神魂の影響と考えるのが自然かもしれないな」
「なら降りてきた理由も、それ故だろうか?」
異常気象による食糧難や宅地開発による山林伐採。
他の可能性も考えて見るものの速さの説明だけはつかないから。
「因みに狐は単独ではなく複数いる……という話だったか?」
「聞いた話だと鳴き声は沢山だと言っていたな」
問う譲に茂が答えて。
「「つまり単体ではなく、団体行動か」」
不思議なシンクロを時折見せながら、二人は思考に耽る。
うっすらと浮かぶ狐たちの習性。しかしそれらには不自然な点も多い。
そんな二人を邪魔しないようにこっそりと時子がろっこん――鳥の囀りを発動させた。
会話を望む強い願い。近くの鳥がこちらをみる。
「ねぇ、鳥さんは狐さんの事情知らないですか……?」
知らないよと、鳥がぽつりと零す。
けれどこの付近の鳥だ、事件のことは知っているらしい。
狐さん達が現れたら教えて欲しいとも伝えてみるけれど。
『あの風に 触れるのは 危険だよ』
心配そうな瞳を時子に向けてくるのだ。
「ふふ、大丈夫ですよ……」
微笑む時子に、鳥は他の鳥にも聞いてみると羽ばたいて行く。
その背を見送りながら時子は譲と茂を見た。
誘い出してみるのが一番の近道だろう、けれど忠告も受けたばかりだ。
「御巫は思うことはないか?」
「は、はい。えっと……」
不意に茂に問われ、顔を上げた。
躊躇いはあったけれど、知りたい気持ちも確かなのだ。
「目立つ物を使って注意を引いてから、近くで花を使って誘い出してみるのがいいと思うんです……」
「おびき寄せか、危険も伴うがそれが一番だろうか」
「転々と置きつつ、私たちは隠れて観察はどうでしょう……?」
「時間がアレば良い案だが、日が暮れては目立つものも目立たなくなってしまいそうだが」
譲の意見に、あ……と時子が気付く。
しかしただ否定するだけの譲でもない。
彼がひらりと見せたのは花柄の封筒。曰く、妹からの手紙だと言う。
そうして発動したのはろっこん――不幸の手紙。
妹からの手紙で10歳前後の小学生の姿になる能力。
(どうせ捨てるつもりだったからな、囮にしても惜しくない)
譲が歩みを進めようとする時、茂のポケットで音が鳴る。
携帯の着信音だ。
「もしもし、――――、 あぁ、……成程」
電話の相手から何かを聞いているらしく、譲も時子も息を潜めた。
「……寝子島神社か、」
零れた呟き。電話を切って二人の方を向く。
「他に動いていた者からの情報によると、狐は寝子島神社方向に逃げたらしい」
神を祀る場所――其処に、もしかしたら。
『急ごう』
三人にこの言葉はもう要らなかった。
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コメントページ
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月19日
参加申し込みの期限
2012年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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