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狐火の花盗人
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◆花盗人
花、花、花。
草薙 龍八
が見たのはその場に集められた溢れんばかりの花たち。
色鮮やかさを集め敷き詰めたようなその場所は、もはやただの空洞ではなかった。
(……全部集めたのか、)
狐たちに会うために持ってきたクレマチスをその中へと溶け込ませて、龍八は振り返る。
たくさんの狐たちの視線。けれど敵意はない。
『花を添えたい』
ここにきて彼が初めて放った言葉、それが伝わったのだろうか。
自分の目で見て思う、悪い狐には見えない。
何かに操られていそうな反応もない。
「狐、大丈夫?」
一歩を踏み出せば、一瞬狐の目つきが変わる。
これは――警戒。
「大丈夫、俺は危害を加えるつもりはないよ」
きょろりと狐に視線を散らせば、幸い怪我をしている狐はない。
一部は疲れているのか丸くなり、休息を取っている。
そんな狐には気持ちばかりと水と油揚げを置いた。
「理由があるんだろ?」
問いに答えはない。けれど敵意もない。
「ごめんな、人間は身勝手で……」
言葉がかわせたらよかったのだけどと思わずには。
少しでも伝わるように撫でてやる。狐たちは拒否することはなかった。
彼らの視線を追う。
(奥……?)
しきりに気にされたそちらへふと、一歩を踏み出せば。
「「「……!!!!」」」
なかったはずの敵意。それが一瞬にして溢れ出た。
奥は駄目だと、言葉なくとも伝えるように。
「ごめん、いかないよ。わかった」
龍八は頷いた。そうして、彼の目は光る。
そこまでして隠したい『何か』があるのなら、今からここへ訪れる人間くらいは排除してやろうと。
もし懲らしめるなんて思考があるならば――そんな人の傲慢など許さない。
狐を見る龍八の瞳はひどく優しいものだった。
ざりっと、誰かが踏み込んだ音がする。
空洞に響くのは、侵入者のおと。
そっと覗きこむ天野と梢の前には人影が現れる。
(さっきの人影か……?)
山道で見た人影、しかしどこかシルエットが違う。
「何だどこかで見た顔だな」
立ち塞がるように立った人物がそこに立っている。
まるで――この先には行かせないとでも言うように。
「確かに見た顔だね。ねぇ僕は知りたいことがあるだけ、どいてくれない?」
「勝手な人間の理由だな」
天野の言葉に龍八は歪んだ笑みで吐き捨てた。
「あなたも人間じゃないですかー!」
梢の言葉に返答はない。
「一度だけ言うぞ。帰らなければ排除する」
忠告の後には、二度目はないと冷たく告げた。
「狐にも人間のルールを教えてあげる必要があると思います」
梢の視線も口調も鋭いもの。
静かに告げた反面、心の中にはあの雨の日の光景が映る。
至近距離で穿たれた思い人の姿。忘れることも許すことも、出来ない。
「妨害するなら、全部撮ってネットと学校でバラまいちゃいますよー」
普通の人は特撮だと思っても、貴方みたいな人なら分かるでしょーね、なんて。
あくまで軽口でビデオを見せる梢に、
「へぇ、脅しか?」
勝手も勝手だと、龍八の視線はより冷たく、声の響きは静かに。
先に動いたのは龍八だった。
ろっこんは使わない。この状況で効果が薄い事など既に自覚している。
当てにならんと割り切って。
その手に持っているのは粉――唐辛子の粉末。勢いに任せに相手の顔面へと景気よく放る。
舞う粉、ぶつかるよりも先に梢が自身のろっこん――胡蝶の夢。
前へ踏み込み一匹の蝶へと姿を変えた。
(そんな攻撃、読んでます!)
いとも簡単に避けてしまう。
天野の方も、何かしてくる予想はついていた。軽く避けたと思えば、
「体力なくても不意打ちは得意だよ。僕もね」
手よりも出したのは足。彼も実は執念深く、根に持っている。
あの、至近距離の龍八の攻撃を忘れることはないのだ。
腹に入った一撃、しかし龍八を倒れさせるにはまだ足りない。
「あそこよっ!」
そんな既に放たれた戦いの場に、優華の声が凛と響いた。
一緒に駆け付けたのは獅子子、治、博美。そして後ろからそっとついてきた瑞樹だ。
視界に映るのは沢山の狐たちと、そちら側に一人、そして対峙するのが一人。
蝶になったままの梢は彼女らにも気づかれない様に舞う。機会を伺ったまま。
ひとつ深呼吸、そうして一歩踏み出した優華は問う。
「なぜ悪さをするの?」
狐たちの返答はない。ただ見つめ、時折不思議そうにするだけだ。
「あなたは狐の仲間?」
言葉が通じなければ人間――龍八に問いを。
「だったらどうした」
「どうして? あなたは狐に加担するの?」
「関係ないだろ」
話し合いは無意味だ。ここを通さないと決めた時点で、龍八は語ることをやめている。
受け入れるつもりがない、それは優華にも伝わった。
龍八から投げられた粉末に反応するように優華のろっこん――憤怒す暴君。
レイジング・タイラントと呼ばれる力が備わった。
仁王立ちから片足で地面を力強く踏めば、地響きが鳴る。
それは威嚇の筈だった、しかし――。
警戒を超え、敵意の瞳が一気に降り注ぐ。
そう、それは狐を刺激する行動に他ならなかった。
キャァァァァ、それはまるで悲鳴だ。
洞窟中に響いた鳴き声。怒りよりも悲しみに満ちた音が響いた。
たどり着いたレイラと卑弥呼が見たのは異様な速さの狐と、響き続ける鳴き声。
レイラはろっこん――キャット・エアレイドを発動させふわりと飛び上がった。
狐たちには理由がある。だからこそ飛び上がり、何かをみようとする。
卑弥呼は守らなければと走り出す、誰かの盾くらいにはと、そう。
龍八に威嚇も通用はしなかった。
仕方ないと優華はその力を直接龍八へと叩き込むことを決めて。
力を生かした一発を叩き込む。軽やかに避けた龍八、しかしその視線は優華にある。
その隙は逃されなかった、受け身を取り体勢を低くした龍八を天野が飛び乗るように踏んだ。
「ぐっ……」
「あ、ごめん。踏み心地よさそうでつい」
悪びれもなく告げる彼の瞳は鋭い。表情は無のまま。
まだ立ち上がる龍八は尚粉末を手に前を見た。
排除する、それと花の何かを持っている人間からはそれすら奪ってやろうと。
そんな彼の前をひらりひらりと蝶が舞う、一瞬、それは一瞬目の前の視界を奪い去った。
梢に容赦はない、手を加えられないならばその視界を。
一瞬が奪われたことは龍八にとっては大き過ぎた。
その後に彼の視界を埋めたのは、拳――優華の力満ちた拳。
轟音が響いて、ゆらりとゆれた龍八の身体。
彼が膝をつく前に前に見たのは狐の、悲しそうな瞳。
――大丈夫だよ、優しい瞳は狐にだけ届くように。
「……少し大人しくしていて、」
優華は膝をついて動けない龍八にそう告げた。
狐の一匹が入口を方まで駆ける。
来た者全て『荒らすもの』と認識したのか悲しみに怒りがプラスして。
そこに居たのは様子を伺っていた瑞樹だ。
「……っ!」
気づいた時には迫っていた。
避けられないと悟り、ぎゅっと目をつむる。
「……?」
数秒後もそれは訪れなかった。
目を開ければ、誰かが自分の前に居る。
「大丈夫?」
微笑んだ卑弥呼。そのしっかりとした身体で狐から瑞樹を庇っていたのだ。
思ったよりも一撃は重い、けど耐えられないほどではない。
だが攻撃の後には風で舞ったはなびらの嵐。
「!!!!」
花びらが卑弥呼を包む。これは彼にとって狐の一撃よりも大きな意味を持っていた。
ろっこん――チェンジ・ピュアメイデンの発動。
これにより彼の見た目は、か弱く小柄で可憐な少女へと変化してしまう。
元々の姿とは正反対、この力のため花にはずっと気を付けていたはずだったのに。
(どうしよう……)
視線よりも、このタイミングで変身してしまった事に彼は動揺していた。
舞った花びら、敷き詰められた花たち。
その空間はまるで――棺のようだと、櫻は思った。
両親を失った彼女故の思考だろうか。
その具現化した日本刀を手に牽制を続ける。
真剣を使うことの意味、それを祖父に教え込まれた彼女は、決してその力を直接ぶつけようとはしない。
時として命を奪うことの大きさは、確りと刻まれている。
しかし反して狐は止まろうとしない、まずは落ち着かせなくては。
横から飛び出した博美は再びろっこんを発動させて高く飛ぶ。
その手に狐を捕まえれば、同じく高く飛んでいたレイラが
「フラワー・スティーラーにもきっと何か理由があるのよ」
だから荒事はと、首を振る。
「わかってるよ、捕まえるだけ」
博美も承知の上だ。あの悲しい瞳の理由が知りたい。彼女の内もそれだけなのだ。
鳴き声がまた、新しく振動する。
そうすれば――あの時と同じように……。
(また、飛び出した……?)
確かあの時も、聞こえたのは狐の声だった。もう少しでたどり着けるのは答えか。
合流していた刀は円に「小山内を頼む」とだけ告げて狐へ駆けた。
イメージしたのはガチンと、撃鉄が落ちるヴィジョン。
それは無自覚のろっこん――加速。
文字通りの力を持って彼は、狐のスピードに追い付く。
そうして合った視線は、何かを物語っていた。
(やっぱり、何かあるのか)
それは確信だった。
治は狐を落ち着かせようと、ろっこんで花を満たす。
敵じゃないのだと、精いっぱいの思いを込める。
身の安全は獅子子が鉄壁で守り抜いた。
「させる訳には、いかんのぉ!」
時折混ぜるのは牽制に用いるろっこん――ネコパンチExtreme。
それは空気の塊、治に直撃させるのを避けるためだけの。
彼女に言わせればそれは不思議な力。まだ、名前は知らない。
「落ち着いて……ください」
同じ空間の限りなく近い所にいる想い人を案じながらも治はただ訴えるのだ。
やり取りを続けて、時は経つ。
そこへ訪れたのは――――、
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担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月19日
参加申し込みの期限
2012年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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