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狐火の花盗人
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◆理由
「皆さん……! 待ってくださいっ」
すれ違いの空間に、新しい声が響く。
静止の言葉に止まったのは訪問者たちだけではない。
狐たちもぴたりと動きを止める。
血の上った頭に水をかけられたようにぴたりと。きょとんと。
「わかったんです、狐さんたちの理由が」
全ての視線を受けた時子が狐たちを見れば、動きを止めた狐は近くの花に、そして治の出した花に寄り添った。
皆の視線は一点に集まっていた。
理由、それは誰もが求めていたものだ。
時子は自らのろっこんにより知った鳥の話を自分の言葉で紡ぎ始めた。
鳥と狐が意思疎通したわけでは無いけれど。
ただ鳥の視点から見た話を。
「狐さんは本当に花が好きなだけだったんです……」
「ここら辺の狐は群れで行動してたよね、確か」
時子の話にここの狐を知る天野も言葉を加えた。
「はい。そうです。お花を集めるのが日課だったみたいです。ただ……」
その先は言い辛そうに言葉を濁す。
狐たちがいる場で言ってしまっていいのか、躊躇いは無くならない。
「もしかして、リーダーが……?」
それは天野が内に秘めていた疑問。もしかしたらと、薄々持っていたもの。
その言葉の先が持つ意味は――――喪失だ。
「はい……亡くなって、しまったそうなんです……」
しん、とあたりの空気が静かになった。
そのリーダーの喪失時から彼らは花を異様に集め始めたのだと、その鳥は教えてくれた。
その場所を花でいっぱいに……埋めるようにいっぱいにしていたと、別の鳥は話してくれたのだと言う。
「狐は忘れたくなかったんだ……ね」
だからあんなに必死だったんだと、瑞樹が零す。
『だいすき だったんじゃ ないかな』
亡くなってしまった存在が。海の綴った言葉。それは真実なのだろう。
「あの悲しそうな瞳は……」
刀の呟きに博美も頷く。
――ただ、悲みを訴えていたのだろうと。
「ならキツネたちのあのスピードは何だったのかしら?」
レイラはあの風の正体に首をかしげた。
「多分、神魂の影響だろうな」
「シンコン? カミサマ?」
呟きを落とした譲がレイラの問いに頷く。
「昔はこんなことなかったんだもんねー」
円は街の人たちの話を思い出す。
「狐達のリーダーの死と、ばら撒かれた神魂の時期は近かったんだろう」
それが幸か不幸か。彼らは花をより早く手に入れる術を手に入れた。
これは譲と茂が話し合い導き出した結論。
「もしかして、早くなる条件って鳴き声……?」
遠くから聞こえた鳴き声で、腕から二回も飛び出した狐のことを博美は思い出していたのだ。
「ああ、遠くから聞こえた声、そして……」
「狐さんは悲しい声してました~」
積まれた花の中から一緒につれてこられたふわりが顔を出す。
あの時聞いた声は、なんだか悲しくなる声だったと。
多分仲間の悲しい鳴き声を聞くことで必死に駆け回る、彼らにはそんな魔法だったのだろう。
その悲しみは、多分群れ全体に広がった。
「つまりフラワー・スティーラーは花が集めたかっただけで……」
「多分、盗んだつもりはなかったんだと思うのね」
最後に辿りついて、話を聞いた美咲紀が呟いた。
彼らは必要だっただけ、集めようとしただけ。多分そこに盗んだという意識はきっと、ない。
「それじゃ人に怪我をさせたのは、」
優華がぽつりと零せば、
「集めるのに必死だったんじゃのぉ……」
獅子子が、狐たちを見る。
そしてその必死さは宿った力と重なり、刃となってしまったのだろう。
「なんで街の花が必要だったんでしょー?」
梢が首を傾げる。それについては隣の天野が口を開いた。
「彼らはね、山の花もちゃんと取ってたよ」
天野が山の道で見つけたのは、新しく摘まれたような花の跡。
多分、推測だけどと付け加えて。
山の花を摘んでから降りていたんだと思う、と。
「ただ、必死だったんだよな……」
変身してしまって動揺していた卑弥呼も、落ち着いた声色で呟く。
今の姿が気にならないほどに、彼らの思いを知ってしまったから。
きっと言葉は通じていない。
けれど訪問者たちが害をなさないとわかったのだろう。
狐たちは揃って奥へと歩き出した。
入れまいと守っていた部屋。そこへと揃って。
奥はより鮮やかな花に包まれていた。
「きれい……」
瑞樹が、零した一言は、皆の気持ちにも違いなかった。
誰もいない部屋。中央にだけは何もないままぽっかりとしている。
そこに居たのが――きっと。
微かに残る白い毛、それは美しい純白。
「ねぇきつねさん、今度からは私たちが花を持ってきますから、もう頑張るのはやめませんか?」
ほら……と治がろっこんでまた花を添える。
狐たちはただ、その花を見ていた。
「これは狐さんにプレゼントです……」
時子が鞄から取り出したのは手作りの花束。
狐はすぴすぴとその花に鼻を寄せて、嬉しそうに寄り添う。
「街の人たちにも伝えてあげないといけないですね」
綾花の言葉に、そうだね!とあおいが返事をして。
花はともかく、物は返したいと綾花が提案すれば、反対はない。
代わりに自分たちがここに花を添えれば狐たちもわかってくれるだろうと。
「私は……花を、」
瑞樹が代わりに配り歩くと頷く。家が花屋の彼女はやる気いっぱいだ。
「フェプチュッ」
くしゃみが響く。
お風呂上りでつれてこられたふわりは、すっかり湯冷めの様子。
「……すっかり湯冷めしちゃいましたよーぅ」
しおしおと座り込んだふわりに寄り添ったのは複数の狐たち。
まるでごめんねと言う様に、彼らはその体温で温めてくれる。
ふんわりと温かい、寒かったふわりの身体もほっこりとするようだった。
ひと段落した後には、一日戻れないという現実に打ちひしがれている卑弥呼だったが、
後は暫く純粋な乙女しか見えない世界を体験するしかないと覚悟を決めてみる。
けれど狐たちは自然に彼を受け入れて寄り添ってくれる。
彼のその姿を笑うものは誰もいなかった。
ただ『ここの花の風景に良く似合う』と褒められたことはあったのだけれど。
刀はお土産にと持ってきた油揚げをそっと差し出す。
一緒に見ないかと、幻の桜の写真も置いて。
狐たちが愛おしそうにその桜を見ている。
「もしかして見たことがあるのか?」
狐の答えはない。けれど、気に入ってるのは確かだ。
「ねーねー刀くん」
「わかってる」
円の言いたいことは、刀の方も分かっていた。
『こんどは いっしょに いってみたいね』
海が全てを代弁するように綴る。
同じ山の中の極上の花。いつかは花愛での狐も共に。
奥から戻った天野は、まだ立つことのできない龍八をもう一度足蹴にしていく。
これは仕返しだったのかもしれない。記憶に新しい雨の日の。
「んぐ……っ」
睨む龍八に、天野は真顔で
「てへペロ」
なんて表情と一致しない言動を降らせていく。
本心は心の中、もしかしたら笑っているのかもしれない。
梢も複雑そうな顔をしたまま龍八を見ては天野を追いかける。
彼女の狐調査はまた今度。
この光景は、映像では触れない方が良いだろうと。
これからここは、皆の知る花の場所になるだろう。
花愛での獣たちの、思い出をたくさん詰め込んだ花の園。
今日、花盗人たちは、風の魔法を手放す。
――もう、必要ないだろうから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月19日
参加申し込みの期限
2012年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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