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狐火の花盗人
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◆駆ける風たち
思考に思考を重ねながら
浅井 卑弥呼
は歩みを進めていた。
彼にはどうしても狐が悪さをするようには思えない。
だから彼はこうして探している。
それを――理由を知るために。
(推測だが……もしかしたら狐の嫁入りに関わる事かな? にわか雨……とか)
考えられる物を頭に浮かべては、やはり理由がありそうな気がしてくる。
会うにはどうしたらいいか、それを思うも、ろっこんを使うには少しの躊躇も出てくる。
しかし会うためならば、そう思っていたその時――、
「ひゃあぁぁ~! 助けてぇぇ~!!」
響いたのは声。女の子の悲鳴。
はっと卑弥呼は声の方を向けば。
瞳に写ったのは、ふわっと宙に浮き上がった赤髪。
感じたのは駆ける風。その風が赤髪の主――ふわりを連れ去ってしまったのだ。
一瞬だけ見えたのは尾。
(あれは、狐……)
その尾は確かに狐のものだったのだ。
誰かに何かがあれば対象を護ろうと思っていた彼だったが、それは少しだけ遅かったようで。
尾の先を追いかけるように卑弥呼は後を追う。
追いついて、確かめなければ、と。
――風は、止まることを知らない。
次にその風に遭遇したのは
レイラ・トンプソン
だった。
(フラワー・スティーラーを誘き出すには……)
そう考えて彼女が考えたこと、それは自ら花を身につけることだった。
花柄のワンピースにコサージュを添えて、春風に髪やスカートを揺らしながら。
穏やかな春の風に本題を忘れていたけれど、島をパトロールという名の散歩は続行中。
通りかかった神社の狐像の前では、
「まさかこのスタチューが動き出したとか?」
そんな事を本気で考えていたりも。
珍しいものにはふらふらと惹かれ、珍しい店には足を止める。
実は全力で楽しんでいた矢先の出来事だった。
ふわっ。
最初はそよ風。その後は――駆ける風。
目も追いつかぬ速さ。
「っ!?」
スカートがその風に攫われる。
軽い花びらのようにひらり、ひらりと。
(このスピード、フツウじゃない……?)
花柄のスカートから覗いたのはセクシーなこれまた花柄のランジェリー。
それをうっかり見てしまったのが狐を追っていた卑弥呼だった。
風が駆け抜けた後、レイラの目に映ったのは目元を手で覆う卑弥呼の姿。
「あら?」
首を傾げるレイラ。
そっと手を避けた卑弥呼が目線を逸らしながら、
「怪我とかは無いかな?」
「……? あぁ、えぇ」
きょとんとするレイラが、自分が心配されているだと気がつくまで約数秒。
「良かった。 ……っと、狐は!?」
「キツネ……もしやフラワー・スティーラー!?」
そうだ、今はあの風を追いかけなければ。
予感一つと、行き先をただ、今は。
◆街に響く足音
「花盗人だ……っ! 狐が出た!」
手に花を握り締めたまま、若い男性が旧市街の街中に飛び込んできた。
よほど急いだのか息は上がり、出た言葉はそれだけ。
いつも通りの商店街がざわりと、どよめく。
「大丈夫ですか?」
覗きこんだのは
常葉 治
だった。
落ち着いてください――と響きは優しく、
「あ、ありがとう」
「狐が、どうかしたんですか?」
「そう、そうなんだ。狐! とうとう化けたんだ!」
今度は人型だったと、鳴き声も聞こえた、間違い無いと。
「もしかして、それが親玉?」
居合わせた
獅子尾 優華
が首を傾げる。
やはり神様が怒っているのかもしれない、囁く人々の不安は広がるばかり。
「荒事の予感じゃけぇのぉ」
金色を揺らしながら
猫ヶ崎 獅子子
は呟いた。
難しいことは解らない、ただそんな勘のような、予感だけは。少し。
そんな人々の影からこっそりと飛び出したのは
花咲里 瑞樹
だった。
(狐に泥棒をやめさせ、なきゃ、狐が危ない……)
そんな狐の末路に震え上がって、飛び出した花屋の家を振り返る。
店先の花が盗られた事に激怒していた、祖母の姿を思い出す。
あの調子では、晩飯に狐汁が出たって可笑しくはない。
瑞樹はもう一度ふるりとして、ぐっと覚悟を決める。
(やっぱり、やめさせなきゃ……っ)
大きな荷物をよいしょと背負い直して、
「おねーちゃん、ごめんね」
行くなんて言ったら止められちゃうから……だから、彼女はこっそり行くのだ。
壁から覗けば、見えたのは治や優華の姿。
(……あれ、は同じ寝高生? 皆こんな場所で何してる、のかな)
気になったが、どうやらあっちは騒ぎが大きくなっているらしい。
見つかることを避けたい瑞樹は別の道を選ぶことにしたのだ。
こっそりと目立たない路地で
芹沢 梨樹
は油揚げを設置して時を待っていた。
その油揚げに添えたのは自ら描いた花の絵。
マーカーで派手めな色をつけられた、簡単なもの。
それを見て彼が思い出したこと――それは絵にまつわる不思議なこと。
(そういえば、最近静物を描いてると変な事があるんだよな)
特定の果物だけだった気がするけど……ただ、その果物は浮かんでこない。
まだぼんやりとした彼自身の何かかもしれない。
(……と、今は狐だな)
「あれ、何してんの?」
潜んでる梨樹に声をかけたのは
奈良橋 博美
。彼女も狐の捜索中だ。
「……もしかして、狐?」
視線の先の油揚げに博美が質問を一つ。
「……狐なら油揚げだろ」
「あ、俺も」
気がついたように博美が添えたのはお稲荷。
考える系統は同じだったようで、
「どう?」
「あぁ……いいんじゃないか」
振り返る博美と、頷く梨樹は視線の先を同じくしてまた息を潜ませれば、気付いたことがある。
「そうだ、連絡先聞いといていい?」
「ああ……」
もしもの時のためにと、連絡先を。
そうしてやり取りをしていれば待ち人が来るのに時間はかからなかった。
「しっ!」
反射で声を潜めた。聞こえたのは甲高い声、それは路地に細く響く。
そこに飛び込んできたのは狐――二匹いる。
飛び込んできた時の勢いはなく、辺りを警戒するようにゆっくりと歩いて。
一匹が油揚げ、もう一匹がお稲荷の匂いを嗅いだ。
それよりも直ぐ傍の花の絵に気が付いて。
やはり花盗人の名に相応しく、そちらの方を持ち去ろうとするのだ。
(……今だ!)
博美は自分のろっこん――トンビの飛翔を発動させる。
奇襲、それは狐にとって奇襲以外の何物でもなかった。
狐の方へジャンプすれば、その動きはトンビのように素早く目標を捕らえる。
「捕まえた……っ!」
一匹は捕まえた。
もう一匹は、梨樹が追いかけるも、素早くその背を隠してしまった。
博美の腕にいる狐は、突然の出来事に困惑しているものの、激しい何かは感じられない。
(病気や怪我……じゃないのか?)
それとはまた違うらしいのだ。
博美が狐の顔を覗き込む。
その瞳が合った瞬間――また、声だ。
遠くから、狐の。胸を締め付けられるような響きに、腕の狐の瞳に悲しみが宿る。
感じられなかった激しさ――しかし、それはさっきまでの話だ。
「危な……っ」
何かに気付いて梨樹が警告を飛ばす前に、
「っ……!?」
それは突然。腕の中から、突然飛び出したのだ。
突然に生まれた風――かまいたち、現すならばそれが正しい。
その風は博美を切り裂き、その傷口からは赤が滲む。
「……手当ては、」
「いや、いいよ」
幸い大した怪我ではない。博美は止まるよりも追うことを選んだ。
それよりも今は――追うのが先と。
梨樹も頷いて。
二人は路地から広い道へと飛び出した。
瑞樹が人集りを避けた先は人気のない広場。
いつもなら人がいるはず……けれど皆、今は花盗人のことで頭がいっぱいだ。
そんな彼女の目に映ったのは、
(お花、ひどい……)
誰の仕業か、荒らされてしまった花壇。
もしかして狐の……? と思ったところでふるふると首を振る。出来ればそう、思いたくなくて。
悲しそうな顔でそっと花に触れる。目を閉じ、胸の前で手を組んでは小さな声で紡ぎだす歌。
ろっこん――神への聖歌。自身の生命力で唄を聞いた動植物の生命力を活性化させる。
それは踏み荒らされた花にとっての、優しき癒しのうた。
広い範囲ではなかったけれど、でもこの花壇の中くらいは。
花は再びそよそよと風になびかれはじめたのだ。
じゃり。
後ろから砂と石の擦れた音がする。
「ひぁ!?」
驚いて振り向けばそこには狐が居た。視界にはニ匹、けれど一匹は直ぐに背を向けたけれど。
一匹はじっとしている。聞いた話とは違い、その花壇を眺めている。
「荒ら、したのは……き、みじゃないの?」
狐は答えない。ただ、その花に近づいていく。
盗られると思い一瞬動いた瑞樹。
(え……?)
しかし狐は――その花を愛おしそうに眺め擦り寄っただけ。
そしてそっと口にくわえる。
「ねぇ、き、みはなんでお花、欲しいの?」
欲しいならウチにおいでと、盗ったりしちゃ駄目だよと伝える。
けれど狐の瞳は澄んだまま……そしてその奥に宿しているのだ。
(かなし、そうな……目)
何かを携えたまま狐はそのまま踵を返して逃げてしまう。
お人好しで世話好きの瑞樹。
そんな彼女が、あの瞳を放っておける筈がなかったのだ。
街の人から不安の話を聞いた治は、街の人には頼らない方向で協力できる人を集めていた。
あれ以上不安にさせるのは良くない、だから巻き込まないように。
そんな治が若女将を務める旅館にも被害は既に。
庭先の花、華道の花まで、花という花が消えていっているのだ。
「皆さんで協力しませんか?」
頷いたのはあの場に居た優華に獅子子、路地から飛び出し狐を追っていた博美と梨樹たちだ。
素早いと話には聞いている。だから、一人よりはきっと、複数の方がと。
その速さ自体はつい先ほど、博美と梨樹の二人が目の当たりにしていた。
「ただの風じゃなくて、かまいたち――みたいな感じなんだ」
「けど、花が目的なのは……間違いない」
興味を示したのはマーカーで描いた紙の上の花で。
目の前でそれを見ていたのだから。
「やっぱり、花なんですね……?」
治が前に出る。なら、私がと。
「ここでは無理ですが、土の上ならお役に立てると思います」
首を傾げた皆に、自分は花を咲かせる力が有ることを打ち明ける。
「つまり囮作戦なのね?」
尋ねた優華に治が頷いた。
「守り役なら、わしに任せて貰えんかのぉ?」
これでも腕っ節には自信があるけぇと、獅子子がにっと笑う。
調査なり、情報からの推測は彼女曰く――そこまで出来たお頭はしとらんとのこと。
しかしその身ひとつで出来ることならば、役には立てると。
「元々は山にいるみたいだし、山の近くのほうがいいのかな?」
博美が聞けば、
「あの街の人も言っていた、狐が出た神社も寄ってみたらどうかしら?」
優華が呟く。もしかしたら、何かと。
誰も反対する者は居ない。理由が知りたい、想いは同じだ。
――作戦開始。
治がふと旧市街の街を振り返る。
頭に浮かぶ想い人。本当は少し――彼と行きたかったけれど。
そんな気持ちを携えながら、治は前を見る。
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担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月19日
参加申し込みの期限
2012年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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