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つるりとした白磁の面を前にして、
松崎 竜平
は息を呑んだ。
女は竜平の強面を前にしてもただ笑みを受けべているだけだった。
「こんなとこに……こんな女がねぇ……」
目の前の女は壁龕のマリアだった。
壁の窪みの中に安置されたマリア像のまわりには花や菓子の供え物で溢れている。
どこのどいつがこんなところに足を運んでいるのかは知らないが、今にも吹き飛びそうなおんぼろビルだというのに、ここだけは正規の病院や教会や……とにかく竜平が立ち入るべきではない場所のような静謐さで満ちている。
けれど所詮は廃墟。女を目の前にして竜平の脳裏に蘇るのは、マリアとは似ても似つかないような酔っぱらいの女だった。
「……そういやあいつとあったのもこんな感じの路地裏だったか、」
柄にもなく声に出して独りごちる。
懺悔なんてつもりはないが、けれどどこかで吐き出してしまいたい思いがあるのかもしれなかった。
「酔いつぶれた女を連れて帰って……今思い出してもひでぇ有様だったなぁ……あいつは」
女がひとり路地裏でぶっ倒れて、誰かがやんちゃしたのかと思えば、ただの酔っぱらいで……。
「そんな女と結婚一歩手前まで言ったんだから人生はわかんねぇもんだ……」
マリアはただほほ笑みを浮かべて竜平の言葉に耳を傾けている。
どうぞ続きをと急かすことも、まぁそれは大変と馬鹿みたいに頷くこともない女なんて、なかなか稀有なもんだと、竜平は喉の奥を鳴らした。
「だが結局俺は、組と女を秤にかけて、あっさり組のほうを選んじまうような男だ」
それを後悔していない辺りがまた質が悪い。
「やはり父親なんてする資格何ざ……」
けれどなぜだか悔いるような響きが声に混じったところで、派手な柄シャツが視界に入る。
「どこから聞いてやがった……!」
まだ捕まってなかったのかと吐き捨てると、
ジニー・劉
は意外にも言い訳を並べることなく歩み寄ってきた。
「アンタ、さっきも居たよな。組長の右腕だろ」
「俺が質問したのが聞こえなかったのかい?」
「俺は、まぁ知ってるだろうが、情報屋をやってるもんだ」
答える気がないのか、へらへらと薄ら笑いをしているジニー。
怒鳴りつけてやろうとしたら喉が乾いて声が出ない。
そうしている間に、ジニーはますます調子に乗るのである。
「松崎とか言ったか。あんた苦労人だな」
あんたにんなこと言われる筋合いはない。
「惚れた女を捨ててまでオヤに尽くすなんて」
しかし思うように言い返すことはできなかった。
それが、自分の中でずっと引っ掛かっていたもののせいかもしれないと思うと、それ以上なにか言おうという気まで削がれてしまう。
「俺と出会わなきゃ、あいつは人並みに結婚してもっと幸せになれてたかも知れねぇんだ……」
結局、その女は未婚のまま竜平の子供を産んで、他の男に頼ることもしないかったという。
「俺なんかに義理立てして、馬鹿な女だよ」
馬鹿だと罵らなければやり切れない。
「その女の娘が、この島にいる、変な話だが、会ったこともねぇのに、何だか大事に思えてな……」
ジニーは考えこむように頷いて、長い余韻に浸る。
目を瞑ると、女の笑顔ではなく、最初に出会った時の顔が浮かんできた。
もう、昔のことだ。言い聞かせてみたが、女は消えてくれなかった。
しばらくの沈黙の後にジニーがおもむろに語り始める。
「…………俺にも気になる女がいる」
それからすこし困ったように耳の後ろをかいて、照れくさそうに話し続ける。
「バカで甘ったれでほっとけなくて あったかくて。
アイツといると惨めなクズの自分がちょっとだけマシな人間になれたように錯覚できる。
だから、アンタの気持ちがちょっとだけわかる」
言い切ってから、ジニーはおどけるよう「……なんてな」と。
情報屋をしているような男が言うのだから、きっとそうなのだろう。
ああ、娘はそんな風に成長したのか。
竜平は顔を逸らして、悟られぬように目頭を押さえた。
物陰だらけの廃ビルで、わざわざ隠れて
神無月 文貴
は聞き耳を立てていた。
(……松崎の野郎、水臭えぜ)と眉をひそめる。
大事なことをなんで今まで黙っていたんだと責めてしまう自分を叱咤する。
(違ぇな)
ため息に引きずられて、俯いた。
(アイツん中じゃやんちゃなガキのまま、ってことか)
ジニー・劉
が
松崎 竜平
を慰めるように惚気話をしていることを、馬鹿にする気にもなれなかった。
(そんなに頼りねえかよ、俺は)
ひとしきりため息をついてから、文貴は仮面を貼り付けて、ふたりのもとに向かった。
「やい観念しろ、どうしても拒むってんならこの衣装は松崎に着せるぞ!」
「いえ、俺にはそういう趣味は……というか早く仕事の話を済ませましょうや組長」
冷静な竜平の姿が、余計に文貴に現実を突きつけた。
●秘事の境内
長い長い階段の向こう側に辿り着いた時、
御剣 刀
の肉体からは湯気が立ち上っていた。
さすがに疲れた、と刀のため息も語る。
うさぎ跳びで階段を登るなんて古典的といえばそうだが、下半身を鍛えるのにはやはり有効と言わざるを得ない。
首から下げたタオルでそのまわりと顔全体から吹き出る汗を拭ってから、刀はドリンクで喉を潤した。
そして境内の木漏れ日の涼しさを痛感。
風ひとつ取っても、孕んでいる熱の種類がまったく違った。
「よし」
ここならば今日のように暑い日であっても滞り無く鍛錬に取り組めそうだ。
刀は強く木刀を握り締め、いつもの場所に向かった。
はずなのだが、足が貼り付いて動かない。
気になって動けないというべきか。
彼の視線を捉えて放さないのは、樹の根元に折り重なるようにして倒れこんでいるふたりの女性だった。
(あそこに居るのは小山内と北条?)
どうしたのだと思って近づいてみると、心配には及ばなかった。
小山内 海
も
北条 冬華
も眠っていたのだ。
(こんな所で昼寝か、いやここは意外に涼しいが……)
海が喉を鳴らすようにしてから、冬華に擦り寄っていく。
(……起きたら喉が渇くだろうな)
その光景を見ないように刀は踵を返し、ふたりのためのドリンクを買いに出るのだった。
そしてそれを買い戻ってきても彼女達は眠り込んでいる。
刀はそれ以上気にすることもなく当初の目的に励んでいた。
木刀が鋭く空を切り裂く音。
かさかさと葉をすり合わせる音。
その音に逆らわないように、というのも不思議な話なのだが、刀は音楽を奏でるように木刀を振るった。
ひと通りの鍛錬を終えて息をつくと、体の中にこもった熱が我先にと逃げていく。
心地の良い疲労感を肩に乗せて、刀は休憩がてら彼女達の隣に腰掛けることにした。
彼女達の横顔を覗き見て、その無防備さについ頬が緩んだ。
緩んでから慌てて口元を押さえる。
ときおり、海が手を伸ばす冬華の胸。
薄手のタンクトップは汗で張り付いていて……ひと言で言うならば『ヤバイ』とでも言えばいいのだろうか。
ああ、それよりも『透けている』と言った方がわかりやすいかもしれない。
刀の視線は『見ちゃ駄目だ見ちゃ駄目だ』とその果実から離れたり『で、でもちょっとくらい、見るだけだったら、いいじゃないか!』と戻ってきたりを繰り返す。
そしてもうひとり、冬華の膝で眠る彼女。
彼女は彼女で幸せそうに微笑んでいて、楽しい夢でも見ているのだろうか?
その笑顔が邪な刀を責め立てた。
「あら?」
そしてその悪事に気がついたかのように冬華の碧眼がパチリと開いた。
「おっおはよう」
刀は声が上ずらないように意識しながら、けれど冬華と目を合わす勇気はなかった。
「えっと……」
冬華が刀を検分するよう目で見るので、「いや剣術の練習をして休憩していた所だよ、」と刀は慌てる。
すぐに冬華は木刀に気がついてにこりと笑顔を見せる。
しかし騒がしくしてしまったせいか海も続けて目を覚ました。
彼女は目をまんまるにして驚いている。
声が出るのならば『刀君!? なんでここに!!』とでも叫びだしそうなくらいの驚きぶりである。
「話声で起きちゃったかな、ごめん」
刀の謝罪も耳に入らないようで、海は慌てて飛び起きる。
と冬華に膝枕されていたことがすっかり頭から抜け落ちてしまったようで、海は盛大に冬華の胸に激突した。
「っぃ」
冬華は目を細め、胸を抱えようとする。
しかしそれよりも早く、
(すげえ揺れたよ!?)
胸は大きく波打って、刀の視線は釘付けになるのだった。
「すごいのだ!」
どこからか声が上がる。
振り向くとまばゆいフラッシュに視界を奪われた。
「邪魔するつもりはなかったのだ! ごめんなさいなのだ!」
ちゃっかり写真だけは撮って、覗き魔……ではなくて、
後木 真央
は脱兎のごとく逃げ出した。
強烈な目覚めに戸惑うふたりに「まあ落ち着いてこれを飲めよ」とさきほど買いに行ったドリンクを差し出した。
「あら、ありがとうございます」
それから他愛のない話をして――けれどどうしても乳揺れ事件のことを忘れることはできなかった。
海はこっそりと(やっぱり大きいのがいいなぁ)と思ったのだが、想い人がこれなのだから、それもしかたがないことなのかもしれない。
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担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月02日
参加申し込みの期限
2014年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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