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それは、ほしびととしてはそれほど彼方の出来事ではない、およそ三十年程前のこと。
その頃、まだベルラは自分の故郷である剣と宝石が寄り添う世界にいた。目の前にいるアケーチが記憶を無くす前の存在──アドゥレスも、共に。
水面から宝石の煌めきが反射する湖で、初めて互いの存在を知った。意気投合し、酒を酌み交わすまで大した時間は掛からなかった。
そして、そこから親友へと認識を置いた頃。
「クレーティア──ティアへの……プロポーズを考えている。
しかし……これが、何も良い案が浮かばなくてな。
アレス、何か良い案があれば──」
「……ベルラ。相談の人選に失敗しているのでは? 俺には分かりかねる」
「いや、特に良い答えを期待している訳じゃないんだが、お前に相談すれば『何か新しい視点から』の答えがあるんじゃないかと思っ──」
「──────」
「悪かった! 俺が悪かった!」
アドゥレス──アレスと、思い出すのはそんなやり取り。
言葉の選択は日常のように間違えたものだが、アレスとの付き合いは、それすらも楽しいものだった。
その後、アレスを巻き込みながらも、ティアへのプロポーズは無事に成功した。
その結果を話した時の事は、今でも鮮明に覚えている。
「──おめでとう」
率直な二人との付き合いの中。それは、勝手ながらに生涯聞く事はないだろうと思っていた、親友からの祝福の言葉だった。
耳にした時、己がアレスと友でいた事が、これほど喜ばしいことははないと思った。
それを胸に、自分は、今まで伸ばしていた黄金の髪を切った。
妻となった女性と共に新たに生きる、その輝かしい門出のつもりで。
この幸せは、いつまでも続くと信じていた。
失うものは何もないと思っていた。
──しかし、その結婚式にアレスはいなかった。
アレスは、
要人暗殺の容疑
と共に、消息不明となったのだ──
英雄と呼ばれるまで戦い続けた自分、その隣で戦い続けた戦友、アレスはその身を灰色に置いたままに姿を消した。
それは、残り続ける深い火傷の痕のように、己の心境の変化を及ぼした。
『結婚を機に軍を辞める』──ティアと交わした固い約束、その思いを綻び崩すかのように、自分は十年、軍に滞在し続けた。
気持ちの整理が付かないと、そうとだけ言い続けた。しかし、その心は、自分が犯した取り返しの付かない過去への贖罪にも似ていた気がする。
しかし、それでもティアだけは、全てを理解した様子で微笑んでくれていた。そう唯一、最後まで自分とアレスの心を信じてくれていた──
「だが、真実は俺にも分からないんだ」
現在にまで時間が追い付いた、自分の声が一際鮮明に響く。
「お前の反応を見ると…確信が少し揺らぐが」
改めて、向かい側に座るアケーチの姿を見つめた。
今までずっと、アケーチを──アレスを救いたいと思ってきたが。
しかし、こうしてアケーチに何も届いていないのを感じる度に、
(それでも俺が救いたいと願うのは──過去の俺自身なのかもしれんなぁ……)
思うのだ。
もしかすると『自分が救いたいのはアケーチだけでなく、過去に取り残された己自身』なのではないかと──
◆
そうして、ベルラの語りは静かに落ちた。
「……」
アケーチは、そのベルラから紡がれた出来事を、一つとして茶化す事なく、真摯なまでに胸に受け止め聞いていた。
だが、それでも。その言葉の一つ一つに、自分の事だという『アドゥレス』という存在に、己の影一つ見出せない。
しかし、それは信頼している相手の過去が知れたことがとても嬉しかった事でもあったから。
「素敵なお話をありがとうございます…!
もっともっとベルラさんの事が知れて光栄です、ふふ」
アケーチは、その表情を神妙からふわりと、いつも通りに柔らかく戻して微笑んだ。
それを合図に、アケーチに思い出す事がなかったことを悟ったベルラも、軽く自嘲気味に口端を上げてテーブルに置かれたままだった酒を口にした。
ベルラの脳裏に様々な出来事が巡り抜けていく──親友の話を通して、ベルラに遡ったのは彼との記憶だけではなかった。
「……俺が守りたかったのは、全ての民で。
けれど俺が守れるのはいつだって、俺の手が届く所までだった」
過去から振り返ったのは、親友と共にあった己の生き様。
「英雄として崇められていてもそれは犠牲の元に成り立った偽りの王座」
いつも何かを失ってきた。沢山掬い上げたくて、思わず指を広げた分だけ、その隙間から様々なものが零れて落ちた。
そして、望まずとも掬い残ったものと、下に落ちたものの上に立つことで、それは『望まない英雄の形』となったのだ。
「それでも足掻き続けた。
本当の英雄になりたかった」
その独白は、血を吐くような慚悔に満ちていた。
(今でも……その為に俺の剣はある)
それなのに、失ったものが多すぎた。救えないものが多すぎた。
今のように、伸ばしたこの手は、目の前にいるはずの親友にも届かない──
「護れますよ。
ベルラさんなら、大事なものを」
とつとつと、それでも血だまりを歩くかのようなベルラの言葉を、アケーチが静かに遮った。
記憶の親友とは、掛け離れた温かくも穏やかな声で。
「護りたかったものも。
過去に護れなかったものも。
貴方の大きな光で包み込まれているはずです」
アケーチの目には、ベルラはいつも輝いて見えていた。自分には己が輝いては見えないが、そんなアケーチから見たベルラはいつも光放つ存在に見えた。
故に、思いの丈をそのまま告げた。
過去は思い出せない。それでも、輝いている存在が自ら曇るようなことは、アケーチにはあまりにも切ないことであったから。
「……」
ベルラがその言葉にあてられたようにアケーチを見る。
しばしの沈黙、そして。
「もう──大事なものを失いたくはないからなぁ」
──今のベルラにも、大切なものがある。それを迂闊にも過去に囚われ忘れてしまうところだった。
自分でも情けなさそうに苦笑した……これは、決して忘れて良いものではないのだから、と。
「……」
アケーチはその表情を目にして、自然と心から微笑みの湧いた自分の心を確認した。
(きっと、過去に貴方の前にいた自分も貴方の剣に守られていたでしょう)
それは、とても眩しく。記憶がなくとも、とても嬉しく。
そして、
(自分の記憶が戻らないことが、こんなにもどかしく。
また記憶の欠片を得たいと思うのは……初めてです)
じれるほどに羨ましい──アケーチが、初めて己の心にそう思った瞬間だった──
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
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