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夜闇にあかく、ほおずき市
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それから、裏で起こっている幽霊騒ぎの話を聞いた
鴻上 彰尋
は、僅かな不安と共に、話を聞いた以上断ることも躊躇われ「遭遇する機会があれば」と、縮緬ほおずきのついた竹ひごを受け取った。
(幽霊は気になってしかたないけれども……)
確かに幽霊は気になって仕方がない。
しかし、いったんはその場を離れた彰尋の中で、同じくらいに、その場の売り物に置かれていたべっ甲の色合いをした簪がずっと気になっていた。
(……あおいさんに、きっと似合うだろうな)
思わず、歩きながらも想いを馳せてみる。
しかし……今、自分の所持品の中には、昼間に渡すことの叶わなかった組紐のブレスレットがそのまま残っていた。
例え気休めであっても、どうか彼女のお守りになってくれれば──そう願う彰尋の想いが、形になったようなブレスレットが──
『何よ……女の事ばかり考えてぇ……!!』
「!?」
不意に後ろから不気味な声が掛けられた。
慌てて、彰尋は声が聞こえた後ろを振り返る。
すると、そこには長い髪をざんばらにした、見るからに鬼女の気配を溢れさせた幽霊が、今まさにこちらに手を伸ばしてくる瞬間だった。
手は届いていない。しかし、首が圧迫される気配がした。
「え……っ──!?」
首が一気に締め上げられる。周囲が気付いた様子はない。
彰尋は、それを何とか振り払うと、人を巻き込まないように全力でその場を離れた。
全力で逃げるように走る。人混みから離れて、気が付けば幽霊の気配も消えていた。
「あれが、幽霊……
──何とか、できないかな」
少しの接点。しかも首まで絞められたが、そこに伝わってきたのは、幽霊の悲哀だと。彰尋は確かに感じ取っていた。
(考えよう──こんな素敵な夜をいやな思い出にはしたくない。
俺も、幽霊さんにも)
神社の鳥居に近い石段で、彰尋は深く息をついて、その思考を巡らせ始めた。
そして、あの女性の幽霊の言葉からある程度思案を纏め上げると、彰尋は再び彼女に遭遇する為に屋台の喧噪の中へと足を踏み入れた。
「ほおずき市か……この島ってお祭りごとが多いから楽しいよね☆」
夜祭りの喧噪の中。
志波 武道
は、その雰囲気を楽しむようにほおずき市を訪れて、あちこちを見て回っていた。
しかし──
「なんかさっきから悪寒が止まらないんだよな……?」
何故か鳥居を潜ってからずっと、これまで武道は賑やかで温かな祭りとは掛け離れた、異質な感覚ばかりを味わっていた。
「──っ?」
──今も、また。
武道は、鋭い刺さるような視線を受けた気がして振り返る。見渡せば、一人背広姿の男がギロリとした瞳とどろりとした雰囲気を伴い、強くこちらを睨み付けていた。
「あの人も……祭りを楽しんでいるようには見えないけど──ってうぉ!? 燃えた!?」
望まず図らずも相手と目が合った先、突然武道の服の裾に火が付いた。
それはマッチの火程度だが、幻覚の類ではなく、武道が叩き消した先には僅かな焦げ跡がはっきりと残っている。
周囲を急ぎ見渡せば、まだその異変に気付いた人はいない。しかし、ここで不審火による発火事件等が起これば、確実に惨事は免れない──
そう判断した武道が振り返りながら駆け出せば、その背広姿をした男も追い掛けてくる。
「標的は俺か…!」
追い掛けてくる存在は、足が透けている明らかな人外。幸いにして、背広のサラリーマン風の幽霊が、周囲の人の目に留まっている様子はない。
(人が多い所は危ないな……一旦距離をとって、よさげな場所を探そう)
そうして武道は大きく息を吸い、参道の中道から人の少ない道を選んで、時折振り返り幽霊の存在を確認しながら走り始めた。
「なるほど、それは大変っすねー」
「ああ、頼まれちゃくれねぇか」
紗雪 幽
が狐面の店主から聞いたのは、夜にほおずき──『鬼灯』から逃げ出した幽霊の連れ戻し。
「いいっすよ。出来るかは分からないっすけど、一応得意分野っすよ、それ。
……ところで、おじさんって人間っすか?」
「……」
「………………なんてねー! ありがとーございましたー! 行ってきまーす!」
狐面の店主の沈黙の間。
不思議な店で幽の興味は溢れんばかりだったが、ごくごくこの世界には、踏み込むと取り返しのつかない瞬間というものがある。
興味本位から始まり置かれた店主の沈黙を、まさにその瞬間ではないかと判断した幽は、その返事を聞く前に竹ひごを手にあっさり踵を返して背中を向けた。
さて、こんなに人が楽しんでいるのだから、邪魔するつもりの幽霊には退場願いたい。
そんな幽の目の前を、今まさに、幽霊から逃げる
志波 武道
が走り抜けた──
突如響いた犬の遠吠え──
タイラ・トラントゥール
が驚きに色を染めて、慌ててそちらを振り返る。
『何をウジウジしてやがるんだ! こんちくしょうが!!』
「え……!?」
すると『キャン!』と強く威嚇するポメラニアンらしき犬と共に、半透明で手には包丁を掲げた仁王立ちする幽霊が、明らかにタイラをほおずきよりも更に赤い血走った眼で立っていた。
──幽霊──タイラの背筋が氷を流し込んだように凍り付いた。
更には、落ち込みながら歩くうちに、自分の周りには丁度人影一つ見えなくなっていた。自分は今どこを歩いていたのだろう。
「う……、あ……!」
思わず零れた声すらも、耳に聞き取る人すらいない──幽霊が遠くから一気に駆け寄ってくる。タイラは全力で形振り構わずに背中を向けて逃げ出した。対策は何もない、錯乱寸前の心を抱えて逃げ惑う。
(そ、そんな……ありえない……!)
しかし、いくら逃げても背後からは犬の吠える声と男の怒号が響き渡る。
(非現実的だ!)
夢ならば醒めてほしいのに、これはその領域を遙かに超えている。
──それでも、その心にあったのは、
(ここで、折れたら……アイツと一緒だった前と何が違うのか……!)
対策は、無事に逃げ切る方法は、何とかこの場をやり過ごす方法は──タイラは必死に考え、心を立て直そうとした。
それでも──先に落ちたのは、まだ微かに残る精神力ではなく体力の方だった。
膝が崩れる、転がる、急ぎ振り向く。
目の前には包丁を振り上げる男と、牙を剥く犬が。
(もう……!!)
硬くいつしか涙で溢れ返っていた瞳を閉じた瞬間、
「──させるか!!」
「ワンちゃん、ここに美味しいフランクフルトあるヨー!」
響いた女性達の声。物凄く近くで砂が一瞬荒れる音。
それから……しばらくしても、襲われる気配はない。
ゆっくりと、タイラが目を開けると、
「ふぅよかった……って、つい反射的に──!」
目の前で、包丁を持っていた幽霊の腕を少林寺拳法の技を以てして、ねじり上げて地面に押さえ込んでいる
瞬城 真魚
の姿と、
「さあ、がぶりと! そう、フランクフルトの方ならばがぶりとどうぞですよー。ふっふ」
「いい食べっぷりアルネー! うちのラーメンも、このくらいの食べっぷりで来るお客さん来て欲しいアルヨー」
凶暴であった犬を、途中対処する為に、急いで購入したフランクフルトで見事に釣った
薄野 五月
と
畑中 華菜子
の姿があった。
「ぁ……」
「君! 今のうちに逃げて!」
真魚の言葉にタイラは急いで我に返り、震える足に力を入れて立ち上がる。
「……っ。ありがとう、ございます──」
日常タイラが使う事は殆どない。だが、相手に最大限の礼を告げるものとして、タイラから敬語の言葉が三人に向けられた。
そして、一度深くお礼をして走り出す。
分かっていた。少なくとも今のこの場では、自分が足手まといだということは。
明るい屋台通りでも、偶然人通りも少なく薄暗い所がある。
オルカ・ヴィヴァルディ
と
獅子目 悠月
が歩いていた所は、まさにそのような場所だった。
悠月の歩みが、隣にいるから分かる程度の重さでぎこちなく、その表情も硬いまま。
──自分の大切な存在が、本来は祭りで楽しくあれる空間で、このような様相を見せる心境は流石に見ていられない。
(それでも、そんなまっすぐ立とうとしてるところがすごく好きなんだけどさ~)
「……いや~でもちょっと甘えてくれてもいいんだよ?」
オルカは、歩きながら同じく竹ひごを持つ悠月の瞳を正面から見据えて、そっと言葉を添えるように話し掛けた。
青い瞳が悠月を捉え、同様に捕らえられた悠月の心が大きく高鳴った。
その仕草が、悠月にとってどれだけの影響を与えるものか。自覚の有る無し、いずれにしても悠月にとって、これは何度されても慣れるものではない。
「……ふん」
しかし同時に、悠月はその分、少しくらい頼ってもいいかと思える気持ちがそっと湧き上がってくるのを感じた──瞬間、
『皆でイチャイチャしてぇ……っ!! 憎たらしや~……!!』
そんな二人の前に現れたのは、怨念に目を赤く染め、長い黒髪を吹き乱したようにぐしゃぐしゃにした女の幽霊だった。
「お、さっそく幽霊と遭遇だ」
「──!」
幽霊を目に映してはっきり見る機会など、寝子島でも日常と比較すれば、それ程多発する事柄ではない。
その足の見えない非常識極まりない半透明の姿と、生きている人間よりも強く伝わる執念に、悠月は一瞬完全に凍り付いた。
「店主さんの話だとトモコさんだったかな~。本当に可愛い女性の幽霊もいるんだね~」
悠月が完全に身動きが取れなくなったのを見て、オルカは敢えてその場に軽妙な言葉を置いて悠月の手を安心させるように握ってみせた。
その感触に、悠月が我に返るように大きく瞬きをする。完全に意識を幽霊に取られていた。それを掬い上げてくれた、手から伝わって来るオルカの存在。
丁度、このタイミングで現れた幽霊が悪い──と、悠月も不安を打ち消すように、オルカの手を強く握りしめた。
互いに伝わる温かさ。訳の分からない状況だが、この場は何とか乗り越えられそうな気がした。
(しかし……あの鬼面を思わせる形相の女を『可愛い』と表現出来るこいつは凄いな……)
その時、悠月は幽霊よりも、にこにことした笑顔を向けて挨拶をしているオルカに目が奪われた。
瞬間。不意に悠月の首に何かがまとわりつく感覚。悠月が声を上げる間もなく、幽霊が睨み付けてきた視線の元に、それらは一斉に悠月の首を締め上げた。
「ッ……ぁ……!」
空気が喉を通らない。息苦しいよりも激しく、あっという間に酸欠状態に陥る。悠月は耐えきれずに地面に折れるように膝をついた。
僅かに残った力で地面に落ちた竹ひごのほおずきに触れ、喉に手を回せば明らかに見えない手の形が窺えた。だが、到底これを片手で引き剥がせるとは思えない。
「悠月!!
──ちょっとおいたがすぎるよねぇ。
どういう事情で悠月を虐めてるのか知らないけど、やめてもらってもいいかな~?」
『なら、あんたも同罪よぉっ!!
どうせ仕事一辺倒だった女なんか魅力ゼロなんだからぁっ!!』
幽霊の叫びと共に、悠月の絞められていた喉が一気に解放された。
能力上、二人は同時に絞められないのであろう。真っ赤な眼球が視線を走らせれば、次の瞬間にはオルカの首に激しい圧迫感が叩き付けられた。
「ゥ……ぐッ……これ、は──」
想像以上に苦しい。視線の端に咳き込んでいる悠月の姿が見えた。悠月は解放されたが、このままではこちらが窒息してしまう。
悩んでいる余裕はなく、そしてオルカの行動に躊躇いは無かった。
オルカは竹ひごを何とか手に、首を絞められたままに躊躇いなく幽霊──トモコの元へ、至近距離にまで近づいた。
『──!』
「……ダメだよ、
そんな、表情じゃ……かわいい顔が台無しだ」
トモコの汚れ乱れきった髪も気にしない。オルカはその耳に、声を出せる精一杯の限界で囁き掛けて、端から見れば首を絞められている様子など考えられないほど自然な様子で、トモコの唇にそっと自分の人差し指を当てた。
『キャッ、な……っ!』
トモコから、外見に似合わない驚いた黄色い声が響く。
次の瞬間、オルカの首を締め上げていた感触が一斉に霧散した。こちらも思わず咳き込みそうになるが、それどころではない。今を逃せばチャンスはない。
「ねえ悠月、悠月もそう思うでしょ~?」
とっさに名を呼ばれた悠月へと、オルカから強いアイコンタクトが飛ぶ。
悠月は、オルカからのアイコンタクトの内容は直ぐに察した。こちらの呼吸も整った。
足りないでいた幽霊を対処するという勇気は、今この現状の『オルカ一人に任せて押し付ける訳にはいかない』という意地で余りあるほど満たされた。
幽霊に近づくだけの気力を得た。オルカの意図も理解した。後は──実行に移すのみ。
「そのビジネススーツ……恋人がいなかったと聞いたが、仕事をきっちりこなす自分より優れた女性を好まない男は一定数いる。
そんな低レベルな男に捕まらなくてよかったんじゃないか?」
『え……?』
悠月の言葉に不意をつかれたトモコの気配から、邪悪な雰囲気がかき消えた。
「ほらね、悠月だってそう言ってるじゃない。
──それで、どうしてこんなことしたの?」
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
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ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
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