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タイラ・トラントゥール
は、走り続けた。脇目も振らず石段を降りた。
すると石鳥居を抜けた先、魔法でも解けたかのように、突然参道商店街の道路が開けて見えた。
(……こんな事だと知っていたら、ボクは近寄らなかったのに……)
不本意極まりない祭りの終わり。
ぬかるんだ沼地の水のように、惨めさが溢れ出した。
身体は無事だが、もう心は無事ではない。
それでも、涙でグシャグシャだった顔を拭くと、今度は商店街の灯りが僅かに優しくタイラを照らした。
その光に、ひとの温かさを見いだす。
思い出す。
その温かさに、どんなときも自分の隣にいてくれた存在の居る場所のこと。
……寄り道が、したいと思った。
しかし、向かった先で何とすれば良いのだろう。
このどうしようもない、恐怖や惨めさや情けなさはどうすればいいのだろう。
──隠していよう。今は……今はただ、そこに向かうだけでいい。
それでも……きっとばれてしまうだろうけれども。
だが、それでも、今はただ──
心を照らす太陽であり、そして今この目に入る街灯りのような……心より温かさを感じるあの傍へと、ただ強くいたいと願ったのだ──
◆
タイラ・トラントゥール
が走り去った後、尚も暴れようとする老人の幽霊に、
瞬城 真魚
は腕が包丁を落とし完全に戦意喪失するまで、一気に関節技を掛けた身を更に締め上げた。
「真魚さん! 真魚さん格好良い! ファイトですー!」
相手は幽霊でも刃物持ち。
薄野 五月
から飛ぶ声援には応えられないが、相手を無力化させる最大限の力を入れる。
傍らでは、幽霊に付き従っていたポメラニアンが、今こちらはこちらで一生懸命に声援を送る五月と、同時に
畑中 華菜子
が途中用意していたフランクフルトを、一心不乱にガツガツむしゃむしゃと頬張り始めている。
瞳が真っ赤になっていたポメラニアンから、その赤色が少しずつ引いていく。
そして、老人の幽霊は段々と好戦的な気力が切れたのか、包丁を落とし抵抗するのを完全に断念したのが伝わってきた。
『いた、た……! もう無理だ……! 離してくれんか、嬢ちゃん──!』
今回この騒動で、幽霊が話し掛けてくるのを初めて耳にした三人は、思わず幽霊の方を凝視する。
「あ、いやうんその……そこまでやるつもりじゃなかったんだけど……」
本当に、相手に敵意はないのか──雰囲気から、空気から、問題ないと判断して真魚はゆっくりと骨を折り掛ける数歩手前まで固めていた関節技をゆっくりと解いた。
「ふぅ……
──ってか、これもさっきも、二人や他の子が包丁向けられて咄嗟の事だったし、もう一回同じ事やれって言われても無理だからね?」
真魚の身体が勝手に動いた上での行動、これは身についていた少林寺拳法から踏まえられた技である。
しかし、ここには半年のブランクが存在しており、最近修練を再開しているとはいえ、全盛期と同じようにまたとっさに動く自信は殆どないのだ。
それも踏まえて、真魚は落ちた包丁を安全の為に拾い上げた。
そして、幽霊の老人に何か話をしたそうであるのが、長年の付き合いから顔で分かる、華菜子と五月に正面を譲った。そのまま真魚は老人の隣へ移動する。
「話は二人に任せるわ……また怒らせないでよ」
とっさにでも無理でも、警戒なら続けることは出来る。真魚は、老人の幽霊説得を五月と華菜子に任せて、危なくなった時の為に、慎重にその様子を窺うことにした。
先程まで、小型犬でありながら怖ろしい程に獰猛であった老人に付き従うポメラニアンは、今やすっかりフランクフルトをくれた華菜子と五月に懐き切っていた。
瞳は犬の幽霊なのに透明感を取り戻し、二人に向かってふさふさの尻尾を振ったりなどしている。
大人しくしている幽霊は、三人に『勝三郎』と名乗った。
『まあ、何処にでもいやがるような、しがねぇ寿司職人でぇ』
その自己紹介に、五月と華菜子、そして真魚は三人揃って少し不思議そうに首を傾げる。
感じた違和感。それは今真魚が手にしている、先程まで勝三郎が振り回していた一丁の包丁だった。勝三郎が不思議に思う中、三人がその包丁をじっと見つめると、確認するように頷いた。
「その包丁、とても使い込まれているように見えます。
包丁は料理人の魂と言いますから、包丁を大切に使ってらっしゃったあなたはきっと『料理人』なのでしょう」
五月の言葉には「しがない」という言葉を否定するニュアンスが込められていた。
「この位の包丁を持つ料理人であられるなら、包丁は振り回すものではないと重々ご存じのはず」
五月の言葉に、勝三郎の表情には、軽く申し訳なさそうな色をした陰が差す。
「職人さんが商売道具を振り回したらダメアル。
それはお客さんに美味しいものを食べてもらうために使うものアル」
「……嬢ちゃん達、若い身空でどうして分かるんでぇ……?」
勝三郎がはっきりと、それでいて情けなさそうな空気を纏い三人へと尋ねた。
「私たち三人とも家が参道商店街でお店やってるからわかるアル。
でも──おじいちゃんもきっとわかってるけど、それよりも強い恨みとか不満があるんだよネ、きっと」
「よろしければ、何故そうも荒れていらっしゃるのか、お話をお伺いしたいですー」
『そうか、嬢ちゃん達はきっと俺の息子より料理に近い所にいるんだな……』
「私も聞きたいアルー。
まずはこの可愛いワンちゃんのお名前は?」
一人呟く勝三郎が、華菜子の明るい問いが確かに心に響いた様子だった。
困りながらも嬉しそうに、ポメラニアンの名前がポチだと伝えながら。そして、落ち込みを隠しきれないままでも、少しずつ己の心境についてその場にいる三人に語り始めた。
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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